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よくある誤用24──微妙な言葉の取説4 要領がいい 抜け目がない うまく立ち回る

 微妙な言葉の取扱説明書です。

要領がいい
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=要領がいい&stype=0&dtype=0
================================引用開始
要領(ようりょう)がい・い
1 処理のしかたがうまい。手際がいい。「ベテランらしく―・い」
2 手を抜いたり、人に取り入ったりするのがうまい。「―・いだけで実のない人」
================================引用終了
「要領」が「いい」んだから、褒め言葉のはず。
 それがなぜ「2」のような否定的な意味になるのかは不明です。『大辞林』だともう少し穏やかで「巧みに立ち回るすべを心得ている」になっています。これも褒めてはいないか。

抜け目がない
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=抜け目がない&stype=0&dtype=0
================================引用開始
抜(ぬ)け目(め)がな・い
注意深く、やることに抜けたところがない。また、自分の利益になりそうだと見れば、その機会を逃さない。「万事に―・い」
================================引用終了
「抜け目」が「ない」んだから、褒め言葉のはず。
「要領がいい」ほどハッキリとは書いていませんが、やはり2通りの解釈ができそうです。『大辞林』はもうちょっとヒドく〈(自分の利益になることに)よく気がついて、手抜かりなく、ずるがしこく立ち回るさま。〉とあります。これだと否定的な意味にしか思えません。
 これは安直な言いかえがあります。
「ぬかりがない」と言えば褒め言葉になり、語呂も似ています。「抜け目」と「ぬかり」にどんな違いがあるのかは、言葉の神様レベルの問題ですかね。

うまく立ち回る
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=立ち回る&stype=0&dtype=0
================================引用開始
たち‐まわ・る〔‐まはる〕【立(ち)回る】
[動ラ五(四)]
1 あちこち歩き回る。「知人の間を―・って資金を集める」
2 振る舞う。行動する。特に、人々の間に立って自分が有利になるように動く。「派閥間でうまく―・る」
3 外出して、ある所に立ち寄る。また、犯罪者が逃走中ある所に立ち寄る。「知人宅に―・ったところを逮捕された」
4 演劇・映画などで、切り合いや殴り合いの演技をする。「―・るシーン」
================================引用終了
 例文があるのですから、「2」の意味でしょう。「うまく」「立ち回る」のがなぜ悪いのかは知りませんが、やはり否定的なニュアンスが強いようです。『大辞泉』はニュートラルな意味ものせていますが、『大辞林』はもっとヒドくて「人に働きかけて自分が有利になるようにする。工作する。」とあります。
 ちなみに、『大辞林』のほかの言葉の説明中に「立ち回る」があります。
  要領がいい……「巧みに立ち回る」
  抜け目がない……「ずるがしこく立ち回る」
 こうして並べてみると、「立ち回る」だけでも否定的なのかもしれません。時代劇が廃れた原因のひとつでしょうか。(←オイ!)
「愚直に立ち回る」「公明正大に立ち回る」……言いそうにないなぁ。

バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
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