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「な」と「の」の話の【参考資料】

 下記へのコメントの【追記】は制限文字数を超えるので、こちらに書きます。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1396478723

【補足】に関して。
↑に書いたとおり、「アホの話」は解釈が2通りあると思います。
「アホ(な人)が言った話」
「アホ(な人)についての話」
 これが「アホの人」になると、当方は△です。

「いろいろの症状/人」は微妙ですね。個人的には使いません。
 後ろに続く言葉でもかわってくるような。

 やはり個々に考えるしかないでしょう。
 個人的な語感では……。
「最適な環境」「最適の環境」は両方○で、意味はほぼ同じ。
「適度な運動」「適度の運動」は両方○で、意味はほぼ同じ。
「自然な風」「自然の風」は両方○で、意味は違うでしょう。
「適切な判断」は○で、「適切の判断」は△。
「快適な環境」は○で、「快適の環境」は△。

 これを論理的に説明できるとは思えません。

 最近のYahoo!知恵袋にあった下記は少し参考になるかも。
【「天才だ」は形容動詞ですか?それとも、名詞+だ、ですか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1396128973




【参考資料1】
『続弾! 問題な日本語』の正確な記述を引用します。結論部の「ポイント」(P.158)は下記のとおりです。
================引用開始
「問題な日本語」の「問題」は属性的な意味を表しています。属性的な意味に「の」が付くことは問題なく、したがって、「問題の日本語」という表現で間に合います。
「問題の日本語」には、〈問題として出されている日本語〉〈問題になっている日本語〉などの意味と、〈問題のある、変な日本語〉という意味がありますが、「問題な日本語」には、前者の意はなく、〈問題のある日本語〉の意に限定され、誤解なく伝わるという利点もあります。
================引用終了


【参考文献2】
 リンク先は話題が多岐にわたって長いので、関連性が強いところだけ引用します。
ことば会議室
http://kotobakai.seesaa.net/article/8174276.html
================引用開始
これはきわめて高度な問題ではないでしょうか。修飾語となりうる語に「だ」「な」「に」「の」のいずれが付くか付かないかは微妙なので、たとえば『岩波国語辞典』ではそれぞれの語ごとに「ダナ」「ダナノ」「名ノナ」「副ノナ」などと表示しています。飯豊毅一氏は『品詞別日本文法講座 形容詞・形容動詞』(明治書院)で、任意の50語を取り上げて、それらに「の」が付くか、「な」が付くか……というテストをしてみて、結局、名詞・形容動詞・副詞が画然とは分かれていないさまを示しています。いわれてみれば、さまざまな個性(意味・用法)をもったそれぞれの語を「品詞」という決まったワクに押し込めようとすること自体に無理があります。

「最適」には「だ・な・に・の」が付くのに「快適」には「だ・な・に」しか付かなかったり、また、「ふわふわ」に「だ・な・に・の・と」が付くのに「じめじめ」には「と」以外は付きにくかったりしても、どちらが正しくどちらが間違っているということではないでしょう。大まかにいえば、何も付かないか「と・に」が付く語は副詞的性格が強く、「な」が付く語は形容動詞的性格が強く、「の」が付く語は名詞的性格が強いと考えてよいと思います。
================引用終了


【参考資料3 当方が昔書いた原稿】
【板外編9】文法はお好きですか?──そんな物好きな人はいません
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1203.html
 以下は一部の抜粋(重言)。

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●「ガ」か「ヲ」か

 【練習問題1】
 次の2つの表現がどう違うのか考えてください。
  1)本ガ読める
  2)本ヲ読める

 文法の知識がどのようなときに役立つのか、2つの例で考えてみましょう。
 本書の★ページ★行目で、「(という応急処置で)わかりにくさが緩和できます」という表現を使いました。この表現は、「……わかりにくさを緩和できます」とすることもできます(「……わかりにくさを緩和することができます」とすることも可能ですが、ここでは除外します。「~ことができる」に関しては★ページ参照)。
 ガでもヲでもよさそうですが、本来はガにするべきです。その理由を考えるために、もう少し簡単な例を【練習問題1】にしました。
 2つの表現を見比べて、ガを使っている1)のほうが自然に感じられるかたは、すぐれた言葉の感覚の持ち主です。こう書いている当人は、ヲでもさほどヘンではない気がしています。「本当はどちらが正しいのか」と考えようとするときに役立つのが、文法の知識です。
 文法書などを見なくても、ふつうの国語辞典の「ガ」の項目に答えが出ています。用法のひとつとして「好悪、希望、可能などの対象を示す」といった記述があるはずです。具体例をあげると次のようになります。

  ・本ガ好きだ(好悪)
  ・本ガ読みたい(希望)
  ・本ガ読める(可能)

 さらに、この用法に関してはガのかわりにヲを使う例もふえている、と記載している辞書もあります。「本来はガを用いるべきで、ヲも許容される」というのが、文法的な考え方になるのでしょう。
 さすがに、「本ヲ好きだ」には抵抗を感じられるかたが多いはずです。「本ヲ読みたい」「本ヲ読める」はどう感じますか。
 このガとヲの問題は、「前後にガが目立つ」などの理由がある場合を除き、できるだけガを使うべきだとは思います。しかし、ヲはあくまで許容なのだからガを使うのが正しい、と強く主張する気にはなれません。
 もう一度はじめの例を見てみましょう。

  ・わかりにくさガ緩和できます
  ・わかりにくさヲ緩和できます

 この2つの表現は、「本ガ読める」と同様に「可能」を表しています。本来はガを用いるべきでしょうが、ヲを使ったほうが語感がよくありませんか。
 これは、ヲも使われるようになった経緯を考えると、当然なのかもしれません。本来はガを使うべきだったのに、ヲを使う例がふえてきたのには、それなりの理由があるはずです。ほかにも理由はあるにしても、語感のよさが大きな理由のひとつだったと思います(ほかの理由を説明すると長くなるので、ここでは「語感」という多少あいまいな言葉だけをあげておきます)。
 一般に、文法的には間違っていても定着する用法は、正しい用法よりも語感がよいことが多いようです。このことは、言葉の問題として取りあげられることが多い「ラ抜き言葉」(★ページ参照)のことを考えると、わかりやすいと思います。


●「ノ」か「ナ」か

【練習問題2】
 次の表現のうち、言葉の使い方が間違っているのはどれなのか考えてください。
  1)最適ノ人選
  2)最適ナ人選
  3)最悪ノ人選
  4)最悪ナ人選

 これもふつうの国語辞典で解決できる問題です。
「最適」は、名詞でもあり、形容動詞でもあります。1)の「最適ノ」は、名詞の「最適」に助詞の「ノ」がついた形です。2)の「最適ナ」が形容動詞の活用形のひとつであることは、ご存じのかたも多いでしょう。
 一方「最悪」は名詞でしかありませんから、「最悪ノ」の形では使えても、「最悪ナ」の形では使えません。したがって、4)の「最悪ナ人選」が間違った言葉の使い方ということになります。

 ここであげた「ガとヲ」の話や「ノとナ」の話は、言葉に敏感な人には無意味なものかもしれません。文法の知識などはなくても、感覚的に理解して使い分けることができているからです。
 しかし、言葉の問題で疑問を感じたときに、文法の知識をもっていたほうが解決しやすいことは理解していただけたと思います。先に文法について「知っているに越したことはない」という程度、と書いたのは、こういった理由からです。


【Coffee Break──なぜ「最適」にはノもナもつくのか】

 はじめにお断りしますが、この【Coffee Break】の内容は根拠が不確かな推論です。半信半疑でお読みください。
「最適」という言葉は、「最適ノ」の形でも「最適ナ」の形でも使われることは、本文で紹介したとおりです。名詞と形容動詞の両方の働きをもっている言葉は、ほかにもたくさんあります。ところが、「最適」のように両方の使われ方をされる言葉は、そう多くありません。たとえば、「適切」は「適切ナ(人選)」の形で使われます。名詞の働きをもっていても、「適切ノ(人選)」という表現を使う人はいないでしょう。
 そこで思いついたのが、「最適」も本来は「最適ナ」としか使われなかった言葉なのでは……という推論です。
 では、なぜ「最適ノ」が使われるようになったのでしょうか。
「最適」に似た印象の言葉を考えてみると、「最新」「最大」「最高」など、いくらでもあげられます。これらの言葉はいずれも名詞で、「〇〇ナ」の形では使われません。しかも「最新版」とか「最大公約数」という使われ方があっても、圧倒的に多いのは「〇〇ノ」の形です。この印象が強いため、「最適ノ」が許容されるようになった気がします。
「異質」も、同じように「同質」「変質」などの名詞の影響を受け、「異質ノ」が許容されたのではないでしょうか。
 特殊な例と考えられるのは「無用」です。「無用ナ」は、文法的には問題がなさそうなのに、あまり見かけません。おそらく、これは「無用」という言葉がもともと使用頻度が低いうえに、「無用ノ長物」や「無用ノ用」という慣用句の印象が強いためです。この「無用ノ」の印象の強さが、発音や意味がよく似ている「同様」や「不要」に影響を与えたと考えられます。そのため、本来は「同様ナ」や「不要ナ」の形でしか使われなかったのに、「同様ノ」や「不要ノ」も許容されるようになったのではないでしょうか。
「最適ノ」「異質ノ」「同様ノ」「不要ノ」に共通しているのは、「〇〇ノ」のほうが「〇〇ナ」よりも語感がよいことです。この点も、本来は「ナ」ではなかったのか、と思わせる一因になっています。
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