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2012年10月の朝日新聞から

【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html

●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html

●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html


【2012年10月】


12-10-01
15日
 武田には、長身から投げ下ろす直球とともに、武器として大きく曲がるカーブがある。(夕刊10面)
 小俣勇貴記者。なんでこんなねじくれた文章を書いたのかは謎。「武田の(大きな)武器は、長身から投げ下ろす直球と大きく曲がるカーブだ」でなんの問題があるのだろう。「カーブ」を強調したいのなら、「長身から投げ下ろす直球とともに、武田の(大きな)武器は大きく曲がるカーブだ」くらいでOKだろう。
 ほかにもいろいろ疑問を感じる文章なんで、がんばって入力した。
 そもそも、冒頭の「じりじりと、」って何? こういう凝った書き出しは避けたほうがいいんじゃないかな。〈分かったことは、「カーブの精度は良くない」〉……せめて「今日の」くらいつけてくれないかな。いつも「(武田の)カーブの精度は良くない」なら「武器」にならないでしょ。いつもいつもボールになるカーブに手を出していたら、単なる●●だよ。1年間何をしてたの? 
「あの当たりはチームがやってきたことが凝縮された形」……ぼてぼての打球がですか。何やらチーム一丸となって攻略した印象だけど、単に武田の調子が悪かっただけって気もする。
「泣いても笑っても明日で決まる」と中島……そりゃ明日が第3戦だからね。明日勝ったほうが次のステージに進める可能性が高いよ。きっと多く点をとったほうが勝つんじゃないかな。



12-10-02
13日
 日馬富士も白鵬も不知火型。この型の横綱は、なぜか長続きしないという縁起(えんぎ)の悪い言い伝えがあった。でも、白鵬は、すでに貴乃花に並ぶ歴代5位の22度の優勝を果たしていて、良くない伝説を打ち破っている。(夕刊6面)
 有田憲一記者。申し訳ないが笑ってしまった。これは「ニュースのおさらい」というジュニア向けの記事。「ジンクス」って言葉を無理矢理書きかえると、こんなに不自由な書き方になるのね。子供向けの文章は本当にむずかしい。ところで、「縁起」ってルビまで振って使っているけど、子供がわかるのかな。「長続きしないという縁起(えんぎ)の悪い言い伝え」ではなく、単に「長続きしないという悪い言い伝え」のほうがよくないかな。「言い伝え」が正しいか否かは微妙。伝わるか否かも微妙。いっそ「長続きしないと言われていた」あたりのほうが素直かも。


12-10-03
17日
難易度の高い心臓手術の専門集団“チーム・バチスタ”。(朝刊26面)
 記者不明。映画の紹介記事。「難易度」はやはりおかしい。ちなみに、正確に書くと「難度の高い心臓手術“バチスタ”の専門集団“チーム・バチスタ”」になると思う。あまりにもクドい(泣)。


12-10-04
17日
 4月から3本連続のドラマ主演となる武井咲が、破天荒で空回りな19歳を演じる。(朝刊40面)
 丸山玄則記者。このテの「破天荒」はもうダメかも。「空回りな19歳」ですか……。最近、「~な」の使用例な増えているらしい。この場合は「空回りの」にしても気持ちが悪い。「空回りする」「空回りしがちな」くらいかな。ちなみに「3本」にも異和感がある。イチバン素直なのは「4月から」なんだから「3クール」「3期」かな。「4月から」がないなら、「3作」だろう。


12-10-05
20日
世論調査(よろんちょうさ)(夕刊6面)
 木村尚貴記者。ジュニア向けの「ニュースのおさらい」。いろいろ気になるので全文を引用したいほど。リードに出てくる「世論調査」に「よろんちょうさ」とふりがなをつけている。「世論」は本来は「せろん」で、「輿論」の代用字としても定着した。正確な読み方は知らない。でも、「世論調査」はどちらかと言うと「よろんちょうさ」だと思う。


12-10-06
20日
 世論調査でどんな項目(こうもく)を尋(たず)ねるかは年によって違(ちが)うけど、だいたい5~10年ごとに同じ項目を聞いて、答えの変化を比(くら)べている。(夕刊6面)
「12-10-05」の記事の冒頭。まず気になったのは「けど、」。フツーなら「が、」を使うけど、子供向けであることを意識して「けど、」にしたんだろうな。全体がデス・マス体なら、アリかもしれない。でもほかのところは「が、」になってるんですけど。デアル体で、全体の文体も考えずに書くと、こういう気持ちの悪いことになる。しかもこの書き出しは長すぎる。偶然か必然か、書き出しにありがちな「曖昧のガ、」(この場合は「けど、」)を使っている。何も考えずに書くとこういう文になる。少し考えようよ。わざわざルビをつけてまで「尋ねる」を使う神経も理解できない。おそらく同じ一文に「聞いて」があるから重複を避けたのだろう。だったら文を短くしようよ。


12-10-07
20日
 本来は「とんでもないです」「とんでもないことでございます」と言うべき表現を「とんでもございません」と言うのも、5年前に審議会が出した「敬語(けいご)の指針(ししん)」で「問題ない」とされた。(夕刊6面)
「12-10-05」の後半に出てくる。なんということを書くんだ。「とんでもないです」を本来の形にしてしまった。そりゃ〈形容詞終止形+「です」〉を文化庁が半世紀前に許容しているから「うれしいです」「悲しいです」の類いを責める気はない(個人的には×だけど)。でも「ないです」はマズいだろ。通常は「ないです」は「ありません」にするべき。しかし「とんでもない」の場合はそれができないから問題だったのに……。


12-10-08
20日
 慣用句(かんようく)の誤用(ごよう)も毎回話題になる。今回の調査では、本来「なよなよしている」という意味の「にやける」を「薄笑(うすわら)いを浮(う)かべている」と誤解(ごかい)している人が76%、「惜しいと思う者を手放す」と言う意味の「割愛(かつあい)する」を「不必要なものを切り捨てる」という意味で使う人が65%になった。(夕刊6面)
「12-10-05」の続き。相当ヒドい。調査レポートの原文と比べると呆れてしまう。
【平成23年度「国語に関する世論調査」に対する疑問】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2518.html
 原文の「なよなよとしている」のしているの「と」を抜かしたのは、まだ罪が軽い。「薄笑いを浮かべている」と答えた人の割合76.5%を76%にしたことには目をつぶる。「惜しいと思う者を手放す」はないだろう。原文は当然「もの」。「者」にすると、人を「物」扱いすることになる。その直後の「言う意味」もありえない。


12-10-09
20日
 氏原さんによると、慣用句や故事成句(こじせいく)の場合は誤用が広まると本来の意味が意識され、敬語や漢字の読み方のように80%、90%までになることはないそうで、誤用が認められた例はないという。(夕刊6面)
「12-10-08」の直後にある文で、これが結び。正気で書いているのだろうか。まずリライトする。
「敬語や漢字の読み方は誤用が広まると、誤用率が80%、90%になることもある。氏原さんによると、慣用句や故事成句(こじせいく)の場合は誤用が広まると、かえって本来の意味が注目され、敬語や漢字の読み方のように誤用率が極端に高くなることはないらしい。そのため、誤用が認められた例はないという」
 問題は、前提の「敬語や漢字の読み方は誤用が広まると、誤用率が80%、90%になる」という記述が見つからないこと。「新しい表現は、使う人の割合が半数を超えると、とくに速いスピードで広まるそうだ」とはあるけど。
 それ以上に疑問のなのは、文の内容。氏原さんとは、文化庁国語課主任調査官の氏原基余司さん。そんな人がホントにこんなと言ったのかな。「慣用句や故事成句」で誤用が認められた例って、けっこうあると思うけど。ことわざの例をあげておこう。慣用句はいろいろあってキリがない。
よくある誤用2──ことわざの迷走 情けは人のためならず 犬も歩けば棒に当たる 隗より始めよ
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114824
よくある誤用11──ことわざの迷走2 他山の石 枯れ木も山の賑わい 君子は豹変す
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119180


12-10-10
23日
 菅野が敷かれたレールに乗って、プロ生活を送りたいと考えているのとは、真逆の進み方だ。(朝刊17面)
 西村欣也編集委員。編集委員がなんの注釈もつけずに「真逆」ですか。これはかなり画期的(「末期的」?)な発見かも。読点の打ち方にも異和感がある。


12-10-11
20日
 撮影で大変だったのは、「AKB史上最高の難易度」(大島優子さん)という28枚目のシングル「UZA」の振り付けを、AKBメンバーとサラリーマン役のダンサーたちが一緒にシンクロして踊ることでした。(朝刊18面)
 記者不明。視聴者の疑問に答えるコーナー。新しいCMの裏話。大島優子が「史上最高の難易度」とコメントするのは笑って見逃すことにする。でも「振り付けを踊る」とか「一緒にシンクロして」とかってのは……。


12-10-12
26日
 ともに今季Bクラスに終わったオリックスと広島は1位抽選に2回も外れ、後手に回ったのは否めない。(朝刊26面)
 笠井正基記者。微妙。「後手に回った観は否めない」「後手に回った観があるのは否めない」くらいの気がする。


12-10-13
30日
 成人して12年。日本酒はなんとなく敷居が高くて、飲む機会がほとんどなかった。まさかこんなにも身近で、おいしいものだとは。(朝刊12面)
 投稿欄。書き手は32歳の小学校教員。素人の文章にインネンをつけるのはどうかと思うが、あまりにも典型的な誤用だったもんで、「敷居が高い」日本酒ってどういうもの? 続く文も意味不明。「おいしい」はいいとして、「身近」ってどういう意味? ご実家が造り酒屋でしょうか。「手軽」ならわかるけど。
 念のため補足。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%95%B7%E5%B1%85&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=07835600&pagenum=1
================引用開始
敷居(しきい)が高(たか)・い
不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。

◆文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「あそこは敷居が高い」を、本来の意味である「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」で使う人が42.1パーセント、間違った意味「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」で使う人が45.6パーセントという逆転した結果が出ている。
================引用終了

 もはや、「高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」の意味は許容されているのかもしれない。でも「日本酒は敷居が高い」とまで言われると、どんな玄関だよ、と言いたくなる。これでも慣用句の誤用はないんですかね、文化庁さん。


12-09-14
31日
“自作自演”のピンチを切り抜け、中継ぎの柱の自信が増した。(朝刊23面)
 山口裕紀記者。妙に技巧的な(「クサい」とも言う)文章の結びの一文がこれ。こういうのも「自作自演」って言うのかな。ちなみに、ネットの記事は見出しも「増井、自作自演のピンチ脱出」。「自ら招いたピンチ」あたりならフツーだろうな。

 全文は下記。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201210300777.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201210300777
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