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突然ですが問題です【日本語編143】── 「あわや」の使い方

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【9】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1854387407&owner_id=5019671

mixi日記2012年11月10日から

【問題】

【問1】
 下記の「あわや」の使い方の是非について述べなさい。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/headlines/20121107-00000033-dal-base.html
================引用開始
巨人・阿部 あわや場外弾!韓国でも強打見せた~

 アジアシリーズに出場する巨人が7日、韓国・釜山のサジク野球場で公式練習に臨んだ。
 右膝裏を痛めている阿部はシートノックには不参加だったが、打撃練習ではあわや場外弾となる打球を放つなど、存在感を発揮。原監督は「日本シリーズで大変、大きな怪我をして(アジアシリーズの参加が)難しいんじゃないかと思ったが、(本人が)できる範囲でプレーしたいと加わった」とし、本番ではDHや代打で起用する方針を明かした。
================引用終了

【問2】
「あわや」に似た印象のある言葉をあげなさい。

【参考サイト】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1196875286



【解答?例】
 出題文にコメント欄もご確認ください。

【問1】
 記者が日本語を知らなかったのだろう。(←オイ!)

【問2】
〈weblio類語辞典〉
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E3%81%82%E3%82%8F%E3%82%84
危機一髪で(回避)/すんでのところで/すんでの所で/一歩間違えれば
 あたりだろうか。

 もう少しで/ギリギリ
 あたりは「もう少しで受かったのに」「ギリギリで受かった」のような使い方があるので、少し違うと思う。

【よくわからない解説】

■Web辞書『大辞泉』から(以下辞書の引用は同様)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%82%E3%82%8F%E3%82%84&stype=0&dtype=0
================引用開始
あわ‐や〔あは‐〕
【1】[副]危険などがその身に及ぶ寸前であるさま。あやうく。「―人にぶつかるところだった」「―、と思ったときに夢から覚めた」
【2】[感]事の起ころうとするとき、驚いたときなどに発する語。
  「―、法皇の流されさせましますぞや」〈平家・三〉
◆【1】は、幸運な出来事については使わない。「あわや宝くじの一等に当選するところだった」などとするのは誤り。
================引用終了

 簡潔にして明瞭。
「幸運な出来事については使わない」。
 慣用句とも言えるのが「あわや大惨事」。「(悪い事態)になりそうだったけど免れた」ってこと。
 ただ、こういう言葉はいつ「制限」がはずれるかわかったものではない。
 有名なところでは本来は悪いこと限定だった「ジンクス」が、「好事」に使われるようになった。
突然ですが問題です【日本語編140】──「ジンクス」の使い方
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2500.html


 似たような印象の言葉として真っ先に浮かぶのが「万が一」。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%A1&stype=0&dtype=0
================引用開始
まん‐いち【万一】
[名]万の中に一つ。めったにないが、ごくまれにあること。まんがいち。「―に備える」
[副]めったにないことが起こるのを予測するさま。もしも。まんがいち。「―火事になったら、これを持って逃げろ」
================引用終了

「万が一」起こる事態は、ほぼ悪いこと限定だろう。
 これが不思議なことに「万にひとつ」だと「好事」にも使えそうな気がする。
「宝くじに当たるなんて万にひとつの可能性しかない」


 辞書をひいて疑問を感じたのは「よもや」。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%82%88%E3%82%82%E3%82%84&stype=0&dtype=0
================引用開始
よも‐や
[副]《副詞「よも」に係助詞「や」を付けて意味を強めたもの》
1 万が一にも。いくらなんでも。「―負けることはあるまい」
2 (あとに推量の表現を伴って)きっと。たぶん。
  「―張替ぐらゐはわかるだらう」〈滑・虚誕計・後〉
→まさか[用法]
================引用終了

「予想外」ではあっても、「よもや」は「万が一」とは違って、「悪いこと」でも「好事」でも使える。「否定形」を伴うことが多いが、伴わないこともある。
「よもや助かるとは思わなかった」(望外の喜び)
「よもや助からないとは思わなかった」(望外の悲しみ)
 このへんは辞書の限界かな。


 下記の言葉も、疑問を感じる使用例を見聞する。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E7%99%BA%E8%A6%9A&stype=0&dtype=0
================引用開始
はっ‐かく【発覚】
[名](スル)隠していた悪事・陰謀などが明るみに出ること。「不正が―する」
================引用終了

「発覚する」のは悪事限定だろう。
「熱愛発覚」とか「妊娠発覚」って悪事なのか?
 中立の言葉だと「判明」くらいだろうか。後者は「発覚」するものでも「判明」するものでもなく、「公表/発表」するものだと思うけど。
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