突然ですが問題です【日本語編46】Yahoo!知恵袋ver.──防寒対策 節電対策 復興対策
【問題】
次の1)~6)のなかで、言葉の使い方が不自然なものをあげ、その理由を簡単に書きなさい。
1)節電対策
2)防寒対策
3)受験対策
4)税金対策
5)復興対策
6)復興対策本部
ヒントになりそうなサイトは下記あたりか。
【「節電対策」という言葉に違和感を覚えます。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1062025790
【"防寒対策"って...】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1253286552
【解答例】
1)2)
やや不自然。最近問題視されている表現だが、けっこう目にする。
3)4)
フツーに使われている言葉。さすがにこれは問題がないだろう。
5)6)
そこはかとなく異和感がある。
【よくわからない解説】
最近、誤用の指摘を目にするようになった言葉に「節電対策」というのがある。
「誤用」とまでは言えない気がするが、異和感があるのはたしか。
フツーに考えるなら、「節電(のための)策」が自然。
そもそも電力不足のための対策が「節電」だから……と考えると「節電対策」は奇異な印象になる。
少しひねって考えると、OKかもしれない。たとえば、「節電対策に保冷剤をタオルで包んで首に巻く」はアリかもしれない。
節電目的でエアコンを使わない状態を考えてほしい。これは「節電(のための)策」。暑さをしのぐために、保冷剤を活用する。これは「節電」のためのエアコン不使用への対策と言える。つまり「節電対策」(笑)。
……閑話休題(「ムダ話はやめて」とでも読んでください)。
まずムダと思いつつ辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=対策&stype=0&dtype=0
================================
たい‐さく【対策】
1 相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段。「人手不足の―を立てる」「―を練る」「税金―」
2 律令制で、官吏登用試験の一。文章(もんじょう)博士が問題を出して文章得業生(とくごうしょう)に答えさせるもの。また、その答案。
================================
ほら、ヤッパリムダだ。
……閑話休題。(←オイ!)
方針をかえて、「節電」と同様の言葉を探す。
【節○】
節電←電力不足対策
節水←水不足対策
節税←税金対策
節煙←??対策
【防○】
防寒←寒さ対策
防犯←犯罪対策
防虫←害虫対策
防災←災害対策
防水←水濡れ?対策
【除○】
除菌←菌対策
除湿←湿気対策
除雪←雪対策
除草←雑草対策
除霊←霊対策
【省○】
省エネ←エネルギー不足?対策
省力←??対策
なんとなくだけど、言葉の成り立ちがわかる気がする。なかにはなんの対策なのかわからないものもあるが、おおむね何かの対策のために「節約したり」「防いだり」「除いたり」「省いたり」している。それに改めて「対策」をつけるから、なんかヘンな感じになる。「策」とか「方法」ならおかしくない。
つまり、「節電」のような言葉は、「節電(のための)策」とは言えても、「節電対策」だと、なんかヘンな感じになる。この並びだと「節税←税金対策」がちょっと異質な気がするが、よくわからないのでスルーする。
ここで考えなければならないのは、「○○対策」の「○○」に入る言葉の性質。
どうも、「よろしくないもの」「難儀なもの」が入る傾向がありそうだ。
↑に並べたものは、ほぼそうなっているはず。
「益虫」だって「防虫」の対象だろう、とか屁理屈は言わないように。
「節電」のような形にならないものもある。
「五月病」「疫病」などの病気関係の対策は「○病」にはなりにくい気がする。「食中毒」も含めて、ちょっとイレギュラーだけど病気関係はみんな「予防」にしようか。「難儀なもの」の代表格は「受験対策」かな。
たとえば、ジャニーズ事務所だと「写真週刊誌対策」とか考えているだろう。「ストーカー対策」も考えているだろう。「ファン対策」も考えているだろうな。この場合、「ファン」をどういうものととらえているのか問いつめたい。
世間にはもっと微妙な「対策」の対象もある。
「復興対策」ってどうなんだろう。
「災害対策」(これは「防災」と考えるのは乱暴かな)ならわかる。でも「復興対策」って、「復興」をどういうものととらえているんだろう。まあ、「よろしくないもの」ではないけど、「難儀なもの」なんだろうな。
「受験(のための)策」「復興(のための)策」あたりならアリって気もする。なぜ「ファン策」だと珍妙なのかは不明。
これが「復興対策本部」になると、もっと微妙な気がする。これは言葉の構造として「復興対策」+「本部」ではなく、「復興」+「対策本部」だと思う。
刑事ドラマなんかで見るよね。「○○殺人事件対策本部」とか(『踊る大捜査線』で、こういうのを戒名とか言っていたような)。なんにでも「対策本部」をつけている気がする。こういう場合の「対策本部」ってどういうニュアンスなんだろう。だって事件への「対策」ってなんかヘンだよ。それは「捜査」でしょ。「連続殺人事件」なら、次の犯行を防ぐための「対策」ってことなら許してやってもいいけど。
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http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.html
次の1)~6)のなかで、言葉の使い方が不自然なものをあげ、その理由を簡単に書きなさい。
1)節電対策
2)防寒対策
3)受験対策
4)税金対策
5)復興対策
6)復興対策本部
ヒントになりそうなサイトは下記あたりか。
【「節電対策」という言葉に違和感を覚えます。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1062025790
【"防寒対策"って...】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1253286552
【解答例】
1)2)
やや不自然。最近問題視されている表現だが、けっこう目にする。
3)4)
フツーに使われている言葉。さすがにこれは問題がないだろう。
5)6)
そこはかとなく異和感がある。
【よくわからない解説】
最近、誤用の指摘を目にするようになった言葉に「節電対策」というのがある。
「誤用」とまでは言えない気がするが、異和感があるのはたしか。
フツーに考えるなら、「節電(のための)策」が自然。
そもそも電力不足のための対策が「節電」だから……と考えると「節電対策」は奇異な印象になる。
少しひねって考えると、OKかもしれない。たとえば、「節電対策に保冷剤をタオルで包んで首に巻く」はアリかもしれない。
節電目的でエアコンを使わない状態を考えてほしい。これは「節電(のための)策」。暑さをしのぐために、保冷剤を活用する。これは「節電」のためのエアコン不使用への対策と言える。つまり「節電対策」(笑)。
……閑話休題(「ムダ話はやめて」とでも読んでください)。
まずムダと思いつつ辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=対策&stype=0&dtype=0
================================
たい‐さく【対策】
1 相手の態度や事件の状況に対応するための方法・手段。「人手不足の―を立てる」「―を練る」「税金―」
2 律令制で、官吏登用試験の一。文章(もんじょう)博士が問題を出して文章得業生(とくごうしょう)に答えさせるもの。また、その答案。
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ほら、ヤッパリムダだ。
……閑話休題。(←オイ!)
方針をかえて、「節電」と同様の言葉を探す。
【節○】
節電←電力不足対策
節水←水不足対策
節税←税金対策
節煙←??対策
【防○】
防寒←寒さ対策
防犯←犯罪対策
防虫←害虫対策
防災←災害対策
防水←水濡れ?対策
【除○】
除菌←菌対策
除湿←湿気対策
除雪←雪対策
除草←雑草対策
除霊←霊対策
【省○】
省エネ←エネルギー不足?対策
省力←??対策
なんとなくだけど、言葉の成り立ちがわかる気がする。なかにはなんの対策なのかわからないものもあるが、おおむね何かの対策のために「節約したり」「防いだり」「除いたり」「省いたり」している。それに改めて「対策」をつけるから、なんかヘンな感じになる。「策」とか「方法」ならおかしくない。
つまり、「節電」のような言葉は、「節電(のための)策」とは言えても、「節電対策」だと、なんかヘンな感じになる。この並びだと「節税←税金対策」がちょっと異質な気がするが、よくわからないのでスルーする。
ここで考えなければならないのは、「○○対策」の「○○」に入る言葉の性質。
どうも、「よろしくないもの」「難儀なもの」が入る傾向がありそうだ。
↑に並べたものは、ほぼそうなっているはず。
「益虫」だって「防虫」の対象だろう、とか屁理屈は言わないように。
「節電」のような形にならないものもある。
「五月病」「疫病」などの病気関係の対策は「○病」にはなりにくい気がする。「食中毒」も含めて、ちょっとイレギュラーだけど病気関係はみんな「予防」にしようか。「難儀なもの」の代表格は「受験対策」かな。
たとえば、ジャニーズ事務所だと「写真週刊誌対策」とか考えているだろう。「ストーカー対策」も考えているだろう。「ファン対策」も考えているだろうな。この場合、「ファン」をどういうものととらえているのか問いつめたい。
世間にはもっと微妙な「対策」の対象もある。
「復興対策」ってどうなんだろう。
「災害対策」(これは「防災」と考えるのは乱暴かな)ならわかる。でも「復興対策」って、「復興」をどういうものととらえているんだろう。まあ、「よろしくないもの」ではないけど、「難儀なもの」なんだろうな。
「受験(のための)策」「復興(のための)策」あたりならアリって気もする。なぜ「ファン策」だと珍妙なのかは不明。
これが「復興対策本部」になると、もっと微妙な気がする。これは言葉の構造として「復興対策」+「本部」ではなく、「復興」+「対策本部」だと思う。
刑事ドラマなんかで見るよね。「○○殺人事件対策本部」とか(『踊る大捜査線』で、こういうのを戒名とか言っていたような)。なんにでも「対策本部」をつけている気がする。こういう場合の「対策本部」ってどういうニュアンスなんだろう。だって事件への「対策」ってなんかヘンだよ。それは「捜査」でしょ。「連続殺人事件」なら、次の犯行を防ぐための「対策」ってことなら許してやってもいいけど。
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