突然ですが問題です【日本語編66】Yahoo!知恵袋ver.──究極 至高 至極
【問題】
下記の辞書の記述を参考に、「究極」「至高」「至極」の違いを簡単に説明しなさい。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=究極&stype=0&dtype=0&dname=0na
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きゅう‐きょく〔キウ‐|キユウ‐〕【究極/窮極】
[名](スル)物事をつきつめ、きわめること。また、その最後の到達点。究竟。「―の目的」
「この機器を益々修改(しゅうかい)し、工巧を―しければ」〈中村訳・西国立志編〉
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=至高&stype=0&dtype=0
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し‐こう〔‐カウ〕【至高】
[名・形動]この上なく高く、すぐれていること。また、そのさま。最高。「―な(の)精神」「―至善」
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=至極&stype=0&dtype=0
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し‐ごく【至極】
[名・形動]
1 極限・極致に達していること。この上ないこと。また、そのさま。
「―の貧生で、…按摩をして凌いで居る者がある」〈福沢・福翁自伝〉
「女道衆道の―をあらはす要文」〈浮・禁短気・二・目録〉
2 きわめて道理にかなっていること。また、そのさま。至当。
「兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われて死ぬ。これより―な天罰はない」〈芥川・偸盗〉
「これでごきげんの直るやうにと、―なる事を申し出だせば」〈浮・親仁形気・一〉
3 他人の意見などをもっともだと思って、それに従うこと。納得。
「母が言葉をひとつも忘れなといへば、娘も是を―して」〈浮・織留・二〉
[副]その状態・程度が、これ以上はないというところまでいっているさま。きわめて。まったく。「―便利である」「―ごもっとも」
[接尾]形容動詞の語幹や状態性名詞に付いて、この上なく…である、まったく…だ、などの意を表す。千万(せんばん)。「残念―」「迷惑―だ」
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ありがちな答えを先に書いておく。
「究極のメニュー」は山岡志郎側が提案する。ムダな負け戦が多くて苦しむ。
「至高のメニュー」は海原雄山側が提案する。ムダに原価率が高くて苦しむ。
「至極のメニュー」は上級生などが強制する。ムダな鍛錬に下級生が苦しむ。
【解答例】
こんな微妙な違いはわかりません。(←オイ!)
ほとんど違いがないことは辞書を見ればわかる。(←オ~イ!)
ただし、主観で語っていいなら、かなり違うと思う。
【よくわからない解説】
「究極」は3つのなかでイチバン一般的な言葉だろう。慣用句で真っ先に浮かぶのは「究極の選択」。この場合は「この上ない」より「この下ない」のニュアンスが強いことが多い。
「至高」は、気高いイメージがある。海原雄山以前にこんな言葉はほとんど見なかった。自分では使ったことがない。気低いキャラで悪かったね。
問題は「至極」。個人的には「名詞」「形容動詞」としては使わない。「誤用」と断言するには少しだけ躊躇いを感じるけど。『大辞泉』を見てもわかるように、昔はけっこう使ったようだ。某専門雑誌で「至極の○○」が頻出していて、気になってしかたがなかった。まともな出版物でもたま~に目にする。当方の目撃例は↓にあげておく。
さらに言うと、「副詞」「接尾語」としての用法も、決して新しい感じはない。ギャグっぽくジジむささを出すとき以外はオススメできない。
【朝日新聞から総索引(2002年~)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●2003年12月~2004年6月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-235.html
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04-1-1
【1月】
1月9日
テレビ欄(朝刊40面)の番組紹介で「恋の至極は忍ぶ恋」というタイトルが目に止まる。紹介記事は、次のように結んでいる。
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こんな言葉が紹介される。「恋の至極は、忍ぶ恋と見立て候」。まさに、しかり。
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出典は不明。やっぱ『葉隠』なんかね(2003年7月の日記参照)と思いながらネットで検索してみると、そのとおりらしい。引用文なんだからインネンつけてもしょうがない(正確には「しようがない」なのかな。個人的にはやはり「しょうがない」のほうが自然に感じられる)が、ヘンなものはヘン。百歩譲って、当時はこういう用法があったかもしれないと考えてもいい。現代語ではないって点は譲りたくない。
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●2004年7~12月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-236.html
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【9月】
04-9-1
9月6日
パネリストや観客が支持した、至極の満点メニューとは何か。(朝刊40面)
テレビ番組の紹介記事。こんなところで「至極」のこんな用法にお目にかかるとは。
無理に解釈すると、「満点になるのが当然の」みたいな意味にとれなくはない。「当然の満点のメニュー」とか「必然の満点のメニュー」って意味。無理だね。やはり「極上」の意味で使っているとしか思えない。
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●2003年7月の日記
〈『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。〉の読書感想文。
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恋の至極はしのぶ恋にあり!(p.262)
伴宙太ののセリフ。「葉隠」の中にある言葉らしいが、梶原一騎のことだから、真実は不明。p.344には「おそらく独自の入手先があるんだと思われる」などと書いてある。問題は「至極」の用法。某誌以外でこの使い方を見たのは初めて。
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突然ですが問題です【日本語編】のバックナンバー
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.html
下記の辞書の記述を参考に、「究極」「至高」「至極」の違いを簡単に説明しなさい。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=究極&stype=0&dtype=0&dname=0na
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きゅう‐きょく〔キウ‐|キユウ‐〕【究極/窮極】
[名](スル)物事をつきつめ、きわめること。また、その最後の到達点。究竟。「―の目的」
「この機器を益々修改(しゅうかい)し、工巧を―しければ」〈中村訳・西国立志編〉
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=至高&stype=0&dtype=0
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し‐こう〔‐カウ〕【至高】
[名・形動]この上なく高く、すぐれていること。また、そのさま。最高。「―な(の)精神」「―至善」
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http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=至極&stype=0&dtype=0
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し‐ごく【至極】
[名・形動]
1 極限・極致に達していること。この上ないこと。また、そのさま。
「―の貧生で、…按摩をして凌いで居る者がある」〈福沢・福翁自伝〉
「女道衆道の―をあらはす要文」〈浮・禁短気・二・目録〉
2 きわめて道理にかなっていること。また、そのさま。至当。
「兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われて死ぬ。これより―な天罰はない」〈芥川・偸盗〉
「これでごきげんの直るやうにと、―なる事を申し出だせば」〈浮・親仁形気・一〉
3 他人の意見などをもっともだと思って、それに従うこと。納得。
「母が言葉をひとつも忘れなといへば、娘も是を―して」〈浮・織留・二〉
[副]その状態・程度が、これ以上はないというところまでいっているさま。きわめて。まったく。「―便利である」「―ごもっとも」
[接尾]形容動詞の語幹や状態性名詞に付いて、この上なく…である、まったく…だ、などの意を表す。千万(せんばん)。「残念―」「迷惑―だ」
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ありがちな答えを先に書いておく。
「究極のメニュー」は山岡志郎側が提案する。ムダな負け戦が多くて苦しむ。
「至高のメニュー」は海原雄山側が提案する。ムダに原価率が高くて苦しむ。
「至極のメニュー」は上級生などが強制する。ムダな鍛錬に下級生が苦しむ。
【解答例】
こんな微妙な違いはわかりません。(←オイ!)
ほとんど違いがないことは辞書を見ればわかる。(←オ~イ!)
ただし、主観で語っていいなら、かなり違うと思う。
【よくわからない解説】
「究極」は3つのなかでイチバン一般的な言葉だろう。慣用句で真っ先に浮かぶのは「究極の選択」。この場合は「この上ない」より「この下ない」のニュアンスが強いことが多い。
「至高」は、気高いイメージがある。海原雄山以前にこんな言葉はほとんど見なかった。自分では使ったことがない。気低いキャラで悪かったね。
問題は「至極」。個人的には「名詞」「形容動詞」としては使わない。「誤用」と断言するには少しだけ躊躇いを感じるけど。『大辞泉』を見てもわかるように、昔はけっこう使ったようだ。某専門雑誌で「至極の○○」が頻出していて、気になってしかたがなかった。まともな出版物でもたま~に目にする。当方の目撃例は↓にあげておく。
さらに言うと、「副詞」「接尾語」としての用法も、決して新しい感じはない。ギャグっぽくジジむささを出すとき以外はオススメできない。
【朝日新聞から総索引(2002年~)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●2003年12月~2004年6月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-235.html
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04-1-1
【1月】
1月9日
テレビ欄(朝刊40面)の番組紹介で「恋の至極は忍ぶ恋」というタイトルが目に止まる。紹介記事は、次のように結んでいる。
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こんな言葉が紹介される。「恋の至極は、忍ぶ恋と見立て候」。まさに、しかり。
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出典は不明。やっぱ『葉隠』なんかね(2003年7月の日記参照)と思いながらネットで検索してみると、そのとおりらしい。引用文なんだからインネンつけてもしょうがない(正確には「しようがない」なのかな。個人的にはやはり「しょうがない」のほうが自然に感じられる)が、ヘンなものはヘン。百歩譲って、当時はこういう用法があったかもしれないと考えてもいい。現代語ではないって点は譲りたくない。
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●2004年7~12月
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-236.html
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【9月】
04-9-1
9月6日
パネリストや観客が支持した、至極の満点メニューとは何か。(朝刊40面)
テレビ番組の紹介記事。こんなところで「至極」のこんな用法にお目にかかるとは。
無理に解釈すると、「満点になるのが当然の」みたいな意味にとれなくはない。「当然の満点のメニュー」とか「必然の満点のメニュー」って意味。無理だね。やはり「極上」の意味で使っているとしか思えない。
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●2003年7月の日記
〈『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。〉の読書感想文。
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恋の至極はしのぶ恋にあり!(p.262)
伴宙太ののセリフ。「葉隠」の中にある言葉らしいが、梶原一騎のことだから、真実は不明。p.344には「おそらく独自の入手先があるんだと思われる」などと書いてある。問題は「至極」の用法。某誌以外でこの使い方を見たのは初めて。
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突然ですが問題です【日本語編】のバックナンバー
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