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「だから」と「なので」の違い〈4〉

〈1〉~〈3〉は下記。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html
 
 ネット上で読める論文に関しては下記参照。
 これを無断盗作改竄して切り貼りすると、下記のBAのような著作権侵害の泥棒回答になる。素人さんがやることだから著作権なんて関係ない……と開き直られたら返す言葉がないけどさ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1476608574

1)【接続助詞「から」と「ので」の違い】
http://hdl.handle.net/10091/1843
2)【日本語講師のひとりごと】
http://blog.goo.ne.jp/kaoriam/e/c846817c27b0d3526dc92242b13727ff
3)【「から」と「ので」の使い分け】
http://www2.dokkyo.ac.jp/~esemi008/kenkyu/miki.html

 ↑の1)の論文の冒頭にある「要旨」から抜粋する。
================引用開始
原因・理由の接続助詞「から」と「ので」の意味と用法の違いは、これまで永野(1952)以来「から」は原因・理由を主観的に説明するものであり、「ので」は因果関係を客観的に描写 するものであると分類されてきたが、未だ統一的な見解に至っていない。
================引用終了
 大元と言えそうなのは〈永野 賢 1952 「『から』と『ので』はどう違うか」,『國語と國文学』29:230-41〉なのだろう。ここから、「だから」は主観と「なので」は客観、という説が独り歩きしている観がある。正確なことは関連論文を読んでみないとなんとも言えないけど。いまだに「統一的な見解」に至らないのは無理があるからでは。

 ↑の2)のサイトから。
================引用開始
「ので」は客観的な判断によるもので、「から」は主観的な判断によるもの。
「ので」は冷静で合理的な判断理由、「から」は感情的で主観的な判断理由という感じ。
「から」というのは、推量・命令・勧誘などの話し手の主観に属する文末の後に用いられやすい。
たとえば、「危ないからやめなさい」という場合には、危ないという判断は話し手の主観である。「危ない」と判断する基準は、人によってまちまちなものだから。
一方、「ので」は話し手の主観的判断によらなくても、明らかに因果関係がそこにみられる場合に用いられることが多い。
 たとえば、「暴風雨警報が発令されたので、運動会は中止になった」というように。
ただ、あくまでもそうであることが多いだけで、「ので」と「から」が置き換えられる場合も多い。
「ので」のほうが「から」よりも控えめで、当たりが柔らかいような感じがするため、最近の女性で「ので」の方を使う人が増えた、とも言われている。「ので」のほうが「から」よりも控えめで、当たりが柔らかいような感じがするため、最近の女性で「ので」の方を使う人が増えた、とも言われている。
================引用終了
 これがよく見る主張。
 主張がズレていることは例文を見れば明らかだろう。「危ないからやめなさい」は「危ないのでやめなさい」にできる(ほんの少しおかしい?)。
「暴風雨警報が発令されたので、運動会は中止になった」も「暴風雨警報が発令されたから、運動会は中止になった」にできる。
〈置き換えられる場合も多い〉と言うより、ほとんどの場合は置きかえられる。置きかえられない例を探して考えないとどうにもならない。
 最後の段落はそのとおりだと思う。感覚的な話で根拠に乏しいとも言えるが、〈「~から」は主観的、「~ので」は客観的〉と決めつけるよりはよほど共感できる。あれ? これって3)に出てくる『日本文法大辞典』のマンマ? これ程度は大目に見るべきか。

 ↑の3)のサイトから。
================引用開始
3.「から」と「ので」の意味的差異
●「から」の表す意味
まず、「から」の操作子機能は<事態xを事態yの発生する出所として捉えよ>と定義した。それと同時に「から」は必ず<移行>を予期させる助詞であった。これは、後に述べる「ので」と比較すると、事態x<原因・理由>と事態y<結果>とのつながりが直接的である。このため、「から」を用いた表現も因果関係が直接的で明白となり、それゆえ、話者が因果関係を強調したいときに用いる。

「から」を用いる主な例
(15)おいしいからもうひとつ食べたい。 (話者の意志) 『日本文法大辞典』明治書院
(16)天気が良かったから楽しかったでしょうね。 (話者の推量) 『日本文法大辞典』明治書院
(17)よい子だからおとなしくしなさい (命令) 『広辞苑』岩波書店
(18)危ないからそっちへ行ってはいけないよ。 (禁止) 『日本文法大辞典』明治書院
(19)暑いから窓を開けてくれよ。 (依頼) 『日本文法大辞典』明治書院
(20)遅くなるから帰ります。 (正当性の主張) (尾方:1993)

●「ので」の表す意味
「ので」の操作子機能は<事態xを体言化し、事態yが起こる原因・理由として限定せよ>であった。そして、「ので」は事態yが起こる<依拠場所>を表すと上で述べた。「ので」は<依拠場所>を表すため、「から」における<原因>から<結果>への移行と比較すると、その因果関係ははるかに弱いものとなる。従って、「ので」は因果関係を前面に押し出したくないとき、因果関係を客観的に述べたいときに用いられる。

「ので」を用いる主な例
・表現を丁寧にするとき
(21)試合終了後は大変混雑いたしますので、お帰りの切符は今のうちにお求めになっておいてください。
『日本文法大辞典』明治書院
・事態の客観的な叙述
(22)強い風が吹いたので、あちこちの看板が倒れたりとばされたりしてしまった。
『日本文法大辞典』明治書院
・自己の正当性を強く主張したくないとき
(23)遅くなるので帰ります。 (尾方:1993)

その他では、『男性に比して、女性に好んで「ので」を多用する傾向がみられる』と『日本文法大辞典』は指摘している。これも、女性の方が自己の正当性を主張するような表現よりも、因果関係を前面に押し出さない控えめな表現を好むためであろう。
================引用終了

 やはりほとんどの「から」と「ので」は互換性があるような気がする。
 かえられないのは(17)よい子だからおとなしくしなさい (命令)くらいだろう。
 同じ命令でも「危ない{から/ので}おとなしくしなさい 」なら互換性がある。それ以前に例文がおかしくないか? 「お願いだからおとなしくして」くらいではないか? これは特殊な用法って気がする。
 (20)と(23)ってこんなふうに対比して何が言いたいのだろう。
 どちらかしか使えないのは、きわめてまれなケースでは。
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