突然ですが問題です【日本語編98】──MAX敬語その7 20110127
【問題】
次の女性新入社員の社長に対する発言の( )内を、前後のつながりを考慮しながらMAX敬語(最上級の敬語)にかえなさい。
========================
1)(醤油)をお使いください
ヒント:「お醤油」では問題になっていません。
2)(お叱り)を賜りたく存じます
ヒント:「叱咤」でも「叱責」でもありません。
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【解答?例】
【番組内の解答?例】
1)お下地
2)ご叱正
【よくわからない解説】
1)お下地
当方はこんな言い方まったく知らなかった。「おひしお」なんて言葉が浮かんだが、これはちょっと違う。
番組では「むらさき」なんて言い方も出ていた。それは寿司屋の符牒の類いだし、敬語になりにくい。
間違いではないだろうが、「お醤油」より「お下地」のほうが敬度が高い明確な理由があるなら是非教えてほしい。番組を見ていて疑問を感じた。下記のブログに書いてあるとおり、〈「お醤油」は厳密には正しくない言葉〉みたいなことをモゴモゴ言っていた。何を根拠にしているの?
http://ameblo.jp/takatoshidyo/theme-10028329614.html
================================
「醤油」をお使いください
おしたじ
お下地
お下地・・・元々「料理のダシ」の事
使われ方が変化し醤油の事を指す意味に
ちなみに「お醤油」は厳密には正しくない言葉
「お叱り」を賜りたく存じます
ごしっせい
ご叱正
ご叱正・・・叱るだけでなく更に正しく訂正するという意味
================================
手元の資料を確認した。
●『問題な日本語』では、男性があまり使わない美化語の例として「お醤油/おソース/お箸/お大根/お財布/お洋服/おカバン」をあげている。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1456.html
●『敬語再入門』の「敬語便利帳」では、「お+漢語系の語(音読みの語)」の主な例として「お醤油」(ほか多数)をあげている。
●昔『タモリのジャポニカロゴス』で総理大臣に卓上の醤油をとってもらうというスゴい設定の会話があった。
http://trainer.livedoor.biz/archives/11749181.html
解説の金田一秀穂先生は、「総理、醤油を……」が適切としたらしい(理非はともかく、この話は秀逸だった)。正確な記憶ではないが、ほかの出演者はたしか「お醤油」と言っていた。金田一先生が「お」と言ったか言わなかったか、本題とは関係ないので覚えていない。もしつけなかったとしたら、ふだんから「醤油」に「お」をつけていないからだろう。いずれにしても、「お下地」なんて話はまったく出ていない。
それでも「醤油」のMAX敬語は「お下地」なんだろうか。
2)ご叱正
解説のとおりなら、「お叱り」よりも「ご叱咤」よりも「ご叱責」よりも、「ご叱正」のほうが敬度が高い。
辞書をひく。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=叱正&stype=0&dtype=0
================================
しっ‐せい【叱正】
他人の書いた文章の欠点などを遠慮なく指摘して訂正させること。詩文の添削や批評を願うときに用いる語。「ご―を賜わる」
================================
『大辞林』も同様。出題の映像は、女性社員がいきなり謝っていた。なんらかのミスを犯したんだろう。「詩文の添削や批評」は頼んでいない。
それでも「お叱り」のMAX敬語は「ご叱正」なんだろうか。
本題には関係ないミニ知識
「 」と「叱」は別字らしい。ついさっき叱咤(違)。
Macintoshのことえりだと「しかる」でも「しった」でも両方出てくる。
ちと調べてみたがどうもハッキリしない。
下記を見ると、正解は「 」らしい。手元の漢和辞典でもそうなってる。
http://kakijun.main.jp/page/u_shitsu05200.html
http://kakijun.main.jp/page/shitsu05200.html
「 」は「しつ」で「叱」は「か」らしいから、「 」なんだろうな。でもWeb辞書は「叱」だから、こっちにする。当方の記憶でもこっちだし(それがイチバンあやしい)。
突然ですが問題です【日本語編】のバックナンバー
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.html
次の女性新入社員の社長に対する発言の( )内を、前後のつながりを考慮しながらMAX敬語(最上級の敬語)にかえなさい。
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1)(醤油)をお使いください
ヒント:「お醤油」では問題になっていません。
2)(お叱り)を賜りたく存じます
ヒント:「叱咤」でも「叱責」でもありません。
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【解答?例】
【番組内の解答?例】
1)お下地
2)ご叱正
【よくわからない解説】
1)お下地
当方はこんな言い方まったく知らなかった。「おひしお」なんて言葉が浮かんだが、これはちょっと違う。
番組では「むらさき」なんて言い方も出ていた。それは寿司屋の符牒の類いだし、敬語になりにくい。
間違いではないだろうが、「お醤油」より「お下地」のほうが敬度が高い明確な理由があるなら是非教えてほしい。番組を見ていて疑問を感じた。下記のブログに書いてあるとおり、〈「お醤油」は厳密には正しくない言葉〉みたいなことをモゴモゴ言っていた。何を根拠にしているの?
http://ameblo.jp/takatoshidyo/theme-10028329614.html
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「醤油」をお使いください
おしたじ
お下地
お下地・・・元々「料理のダシ」の事
使われ方が変化し醤油の事を指す意味に
ちなみに「お醤油」は厳密には正しくない言葉
「お叱り」を賜りたく存じます
ごしっせい
ご叱正
ご叱正・・・叱るだけでなく更に正しく訂正するという意味
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手元の資料を確認した。
●『問題な日本語』では、男性があまり使わない美化語の例として「お醤油/おソース/お箸/お大根/お財布/お洋服/おカバン」をあげている。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1456.html
●『敬語再入門』の「敬語便利帳」では、「お+漢語系の語(音読みの語)」の主な例として「お醤油」(ほか多数)をあげている。
●昔『タモリのジャポニカロゴス』で総理大臣に卓上の醤油をとってもらうというスゴい設定の会話があった。
http://trainer.livedoor.biz/archives/11749181.html
解説の金田一秀穂先生は、「総理、醤油を……」が適切としたらしい(理非はともかく、この話は秀逸だった)。正確な記憶ではないが、ほかの出演者はたしか「お醤油」と言っていた。金田一先生が「お」と言ったか言わなかったか、本題とは関係ないので覚えていない。もしつけなかったとしたら、ふだんから「醤油」に「お」をつけていないからだろう。いずれにしても、「お下地」なんて話はまったく出ていない。
それでも「醤油」のMAX敬語は「お下地」なんだろうか。
2)ご叱正
解説のとおりなら、「お叱り」よりも「ご叱咤」よりも「ご叱責」よりも、「ご叱正」のほうが敬度が高い。
辞書をひく。
■Web辞書『大辞泉』から
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=叱正&stype=0&dtype=0
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しっ‐せい【叱正】
他人の書いた文章の欠点などを遠慮なく指摘して訂正させること。詩文の添削や批評を願うときに用いる語。「ご―を賜わる」
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『大辞林』も同様。出題の映像は、女性社員がいきなり謝っていた。なんらかのミスを犯したんだろう。「詩文の添削や批評」は頼んでいない。
それでも「お叱り」のMAX敬語は「ご叱正」なんだろうか。
本題には関係ないミニ知識
「 」と「叱」は別字らしい。ついさっき叱咤(違)。
Macintoshのことえりだと「しかる」でも「しった」でも両方出てくる。
ちと調べてみたがどうもハッキリしない。
下記を見ると、正解は「 」らしい。手元の漢和辞典でもそうなってる。
http://kakijun.main.jp/page/u_shitsu05200.html
http://kakijun.main.jp/page/shitsu05200.html
「 」は「しつ」で「叱」は「か」らしいから、「 」なんだろうな。でもWeb辞書は「叱」だから、こっちにする。当方の記憶でもこっちだし(それがイチバンあやしい)。
突然ですが問題です【日本語編】のバックナンバー
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2570.html
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