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重言の話1

 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

mixi日記2008年07月30日から

 昨晩(記録の上では今朝早く)の日記にもらったコメントの返事が長くなるので、日記にします。ってことで、本日2回目の日記です。申し訳ない。≦(._.)≧

 えーと、まず質問の内容を確認させてください。
「寛容な慣用重複表現」のトピの「180」のコメントであげられた「着物を着る」「旅行へ行く」「寝言を言う」の重言を回避する言い回しはないか、ということですよね。
 なんでそんなことを考えたんですか?

【寛容な慣用重複表現】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=23663512&comment_count=183&comm_id=8873

 トピのことはトピで訊いてください……なんてことは言いません、好青年(?)ですから。さらに言うと、「お手軽な方法で申し訳ない」という言い方もちょっとひっかかりますが、スルーします(笑)。
 先にお断わりします。右手が血まみれになっているな、と思ったらかなり殴り書きになっていました。不明点がございましたら、遠慮なく訊いてください。
 ゴチャゴチャ書いてみましたが、これでまったく見当違いのことを書いてたらどうしましょう。単なるバカ? まあ、いい機会だったと考えます(泣)。

 tobirisuに重言の話を振ってはいけません。いくらでも書き続けます。だから、あえてあのトピにも近づかないようにしているんです(泣)。重言については、町内会で一、二を争うほど、いろいろ考えている気がします。
 とりあえず、tobirisuの「足跡帳NO.2」の7月3日のタッチさんあてのコメントはお目通しください。それと、明日アップ予定の「7月の朝日新聞から」で「~から始まる」(微妙な重言の例)について書いています。

【足跡帳NO.2】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=795506888&owner_id=5019671

 失礼は承知の上で、以下はデ・アル体で書きます。このテのことをデス・マス体で書くと、細かい点が気になって書きにくいもので。
 ひと口に重言といってもいくつかのレベルがあり、質問にあった3つは、ほとんど重言ではない気がする。こういう例はほかにもいろいろある。
 個人的に気になるのは、「ひと言で言う」。これは「ひとことで言う」と書くことしている。「これを重言と言う」などの場合は、単に同じ文字が近接するだけで重言とは言えないはず。そうは言っても字面の重言感がイヤなら、少し表現をかえるべきだろう。
1)着物を着る
 例としてはよくできているが、現実に使うだろうか。すっごく日常的な言葉の組み合わせのように見えて、実際にはめったにお目にかからない。「着物」の使用頻度が意外に低いせいではないか。「(成人式に)和服を着る」ならアリ。「衣服を身につける」もアリ。どうしても「着物」を使いたいなら、「装う」「身にまとう」あたりだろうか。
2)旅行へ行く
「旅行する」「旅行に出かける」(原文に合わせて「旅行へ」とするべきかもしれないが、「旅行に」のほうがシックリ来る)。なぜか「旅に出る」とは言っても「旅行に出る」とは言わない気がする。
3)寝言を言う
 これは難問。まず、「寝言」の意味合いによってかわる。「妄言」の意味なら「抜かす」「ほざく」あたりだろうか。決して品のある言葉ではないが、「妄言」の意味の「寝言」自体が品のある言葉ではないので、バランスとしてはちょうどいい。「寝言は寝てから抜かしやがれ」
 本来の意味の「寝言」だと。これは「寝言を言う」しかない気がする。
 とはいえ、実際の文章なら、力業でなんとかするだろうな。
〈寝言で「○○○」と言う〉、「寝言がヒドい」などの形が想定される。実際に例文をあげてもらえば、解決策は考えられると思う。

 1)~3)に共通することだが、無理に回避するより、素直に使っていいと思う。どうしても回避したいのなら、文脈の中で考えるほうがいい。画一的に、「こう書きかえればいい」という案を出すのはむずかしい気がする。

 厳密に言うと、類語に置き換えただけでは重言感が残ることも多い。
 実はこれに関連することで、あるトピック用に用意したコメントがあって、投入する時期をうかがっている。参考になると思うので、下記に引用しておく。
 もし「旅行へ行く」が重言なら、「旅行に出かける」も重言風になるはず。「旅行に出かける」にはまったくヘンな感じがないということは、単に字面の問題で重言ではないってことの裏付けになるのでは。


【あるトピ用のコメント】=========================
 少し話が停滞している気がするので、古くて新しい話題を投入します。
 このトピ内で何度か話題になっている〈「違和感を感じる」は重言〉ということは皆さん納得されていると思います。
 では、その修正案として出てくる「違和感を覚える」は重言ではないのでしょうか。長い間気になっています。
 もし「違和感を感じる」が重言なら、類語に置き換えただけの「違和感を覚える」も重言ではないか、という気がします。もちろん、重言の度合いはずっと軽くなるので、「重言風」とでも呼ぶべきでしょうが。個人的には、「違和感を感じる」は使わない表現で、「違和感を覚える」はできるだけ使いたくない表現と考えています。
 以前、こんな話もありました。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=17612312&comm_id=125916&page=all

 ほかに似たようなケースがないか考えてみました。

重言       重言風     正用1    正用2    
1)炎天下の下   炎天下の中   炎天下/炎天の下
2)被害を被る   被害を受ける  害を被る   被害にあう
3)違和感を感じる 違和感を覚える 違和を感じる 違和感がある/違和感が生じる
 このうち「炎天下の中」は単なる重言の気もします。おそらく、「正用1」の「炎天下/炎天の下」がフツーに使われているので、「炎天下の中」はナジミが薄いせいだと思います。
 いずれも、類語に置きかえただけでは「重言風」であり、「正用1」のように重複する要素を取り除くか、「正用2」のようにちょっと別の形にするべきなのかな、と考えます。
 重言は誤用とは言い切れないケースもありますし、「犯罪を犯す」「立場に立つ」のように重言の形を避けにくい言葉もありますが、やはりできるだけ避けるべきではないでしょうか。

●7月3日のタッチさんあてのコメント
================================
 はじめまして。

 校正のお仕事をなさってるんですか。お見知りおきのほどよろしくお願いします。

 エート、これは定型文ではありませんよね(笑)。
 申し訳ない。最近猜疑心が強くなっているもので(7月1日の日記のコメント欄参照)。
 ただ、校正校閲のトピに限ると当方は質問者側に回っていることが多いので、参考になるコメントに心当たりがあまりないのですが。
 そのかわりといってはなんですが、ほかの部分は参考になるかもしれません。

 当方のコメント集は下記にまとめてありますので、お時間のあるときにでもご覧ください。話はそれからです(笑)。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=655355978&owner_id=5019671

 日記だと、毎月恒例?の朝日新聞ネタや、下記は参考になるかもしれません。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=746503742&owner_id=5019671

 あと、マイミクの日記にこんなコメントをしたりもしています。

=====================================
 重言に関してはちとうるさいですよ。
 取り急ぎ、昔書いた原稿から。

1)よく見る重言の例
だいたい60字ぐらい/古来から/第1回目/まず第1に/1階~3階まで
2)避けにくい重言の例
犯罪をおかす/被害をこうむる/立場にたつ
3)重言か否か微妙な例
おのずから/献身的に尽くす/自然の生薬/新発売/総称で呼ぶ/常日頃/排気ガス
=====================================

 上記のなかで、ひとつだけ重言でもなんでもない正規表現があります(当方の勘違いでなければ)。当然おわかりですよね(笑)。

 もろもろに関しまして、間違いのご指摘や異説など、お待ちしております。
================================

●「7月の朝日新聞から」──「~から始まる」(微妙な重言の例)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-201.html


●重言関連の話一覧
7)【重言の話1】(2008年07月30日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-284.html

8)【重言の話2】(2008年11月24日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-58.html

9)【伝言板 板外編4──重言の話3】(2008年11月25日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-59.html

90)【重言の話4(第1稿)】(11月21日)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-863.html

【続きは】↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1003738264&owner_id=5019671
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最近、何かに書いてあったのを見掛けて初めて知ったのですが、「守る(マモる)」という言葉は「目」を意味する「マ」──「目蓋」「目の当たりにする」──と、「モる」──「子守」「防人」「灯台守」──の、二つの言葉から成っているそうですね。

ということは、元々の意味からすれば、「見守る」は重言なんでしょうかね。

きくちゃん さん

>つの言葉から成っているそうですね。
 へー、へー、へー。
 
> ということは、元々の意味からすれば、「見守る」は重言なんでしょうかね。
 そんな厳密なことを……。そこまでいくとなんと申しましょうか。

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