2013年10月の朝日新聞から
【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html
●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html
【2013年10月】
13-10-01
5日
電通の調査では、ラジオの広告費は2004年にインターネットに抜かれ、右肩下がり。(夕刊12面)
佐藤美鈴記者。「広告費」ではなく「広告(費)収入」では、って話はおく。「右肩下がり」はもはや許容か。
13-10-02
7日
ここはありきたりだが、体操男子の大車輪の活躍に拍手を送りたい。(天声人語)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914283617&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2883.html
13-10-03
8日
先発投手が手にできるパ・リーグのタイトルのうち、一つだけ手にできなそうなのがある。(夕刊7面)
鈴木健輔記者。別に間違いではない。だが、「できなそう」って使用例はめったにみない。「手にできそうにないのがある」じゃダメなんだろうか。ついでに言うと、一文に「手にでき」が2回出てくるのも無神経。「一つだけ逃しそうなのがある」くらいか。さらに言うと、「なのがある」もちょっと異和感がある。
13-10-04
10日
この一手によって深刻なせめぎ合いと読み比べに巻き込み、名人のヨセコウの誤算と、白62(11の十四)の名手の見落としを呼んだ。(朝刊25面)
春秋子記者。囲碁の観戦記。一文がかなり長いことと、文意の不鮮明さは関係がありやなしや。「せめぎ合い」はもはや許容か。
13-10-05
12日
でも競争のない「かけっこ」には疑問も感じるのだそう。(朝刊b5面)
別に間違いではない。だが、「だそう」って使用例はめったにみない。「感じる」「感じるという」「感じるとか」「感じるとも」……etc.ほかにいくらでもあるでしょうに。その点を別にすると、この文章は非常に好感がもてる。「人たらし」もめったに見ない語彙だけど、劇中にあったからなぁ。
(本文省略)
13-10-06
15日
9月4日に開幕した第1局は、序盤から積極的に仕掛けた中村が先勝。(夕刊9面)
深松真司記者。いろいろな意味で後世に語り継がれそうな将棋の第61期王座戦五番勝負の記事。正確に書くなら、「9月4日に開幕したタイトル戦。第1局は、序盤から積極的に仕掛けた中村が先勝。」。王座戦のタイトル戦は1日制なので、第1局が9月4日に「開幕」するのは珍妙。
13-10-07
15日
中村は今期王座戦の挑戦者決定トーナメントで、佐藤康光九段(44)、森内俊之名人(43)、郷田真隆九段(42)といった「羽生世代」のトップ棋士を連破して挑戦権をつかんだ。(夕刊9面)
深松真司記者。13-10-06の続き。不正確だと思うが、修正するのは相当難問。連破した棋士は下記のどちら?
1)「羽生世代」でかつトップ棋士
2)数多い「羽生世代」のなかのトップ棋士
どちらともとれるが、書き手は1)のつもりで書いていると思われる。〈……といったトップ棋士を連破して挑戦権をつかんだ。3人とも「羽生世代」の棋士である。〉と二文にするくらいかな。
ちなみに「トップ棋士」は「トップクラスの棋士」を意味する慣用句のようなもの。下記の「3」と考えればいい。「トップ」が何人もいるのか、とか言わないように。
http://dic.yahoo.co.jp/detail?p=%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97&stype=0&dtype=0
================引用開始
トップ【top】
1 順序の最初。1番目。「本日―の議題」
2 首位。1位。「前半を―で折り返す」
3 あるまとまりの中での最上層。また、そこに位置する人や物。「世界の―ランナー」
================引用終了
(本文省略)
13-10-08
19日
独自性を問われる生き残り競争の中、大辞泉が追究するのは「生きのよさ」だ。電子版は4カ月に1回、2千~3千語を増やしている。(夕刊1面)
夕刊1面の記事。重要な話なんでメモしておく。そんなに頻繁に改定しているのね。
(本文省略)
13-10-10
21日
なかなか代役が気まらず、最後は経験豊富な38歳のベテランに白羽の矢が立った。(朝刊15面)
鷹見正之記者。こういう「白羽の矢」はもはや許容か。
13-10-11
24日
強肩ぶりに定評がある。(朝刊25面)
隅部康弘記者。「強肩」と「強肩ぶり」はどう違うのだろう。まさか最近の妙な「ぶり」の用法と関係がある? 詳しくは改めて。
13-10-12
27日
「家族とはいえ別の人格者」(朝刊38面)
佐藤美鈴記者。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914822246&owner_id=5019671
13-10-13
30日
難易度は低めだが、中には意外な発見も。(朝刊40面)
竹内誠人記者。クイズ番組の紹介記事。「難易度」のなかには、許容してもよさそうな例もある。これは許容しにくい例。詳しくは改めて。
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●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
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●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
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【2013年10月】
13-10-01
5日
電通の調査では、ラジオの広告費は2004年にインターネットに抜かれ、右肩下がり。(夕刊12面)
佐藤美鈴記者。「広告費」ではなく「広告(費)収入」では、って話はおく。「右肩下がり」はもはや許容か。
13-10-02
7日
ここはありきたりだが、体操男子の大車輪の活躍に拍手を送りたい。(天声人語)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914283617&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2883.html
13-10-03
8日
先発投手が手にできるパ・リーグのタイトルのうち、一つだけ手にできなそうなのがある。(夕刊7面)
鈴木健輔記者。別に間違いではない。だが、「できなそう」って使用例はめったにみない。「手にできそうにないのがある」じゃダメなんだろうか。ついでに言うと、一文に「手にでき」が2回出てくるのも無神経。「一つだけ逃しそうなのがある」くらいか。さらに言うと、「なのがある」もちょっと異和感がある。
13-10-04
10日
この一手によって深刻なせめぎ合いと読み比べに巻き込み、名人のヨセコウの誤算と、白62(11の十四)の名手の見落としを呼んだ。(朝刊25面)
春秋子記者。囲碁の観戦記。一文がかなり長いことと、文意の不鮮明さは関係がありやなしや。「せめぎ合い」はもはや許容か。
13-10-05
12日
でも競争のない「かけっこ」には疑問も感じるのだそう。(朝刊b5面)
別に間違いではない。だが、「だそう」って使用例はめったにみない。「感じる」「感じるという」「感じるとか」「感じるとも」……etc.ほかにいくらでもあるでしょうに。その点を別にすると、この文章は非常に好感がもてる。「人たらし」もめったに見ない語彙だけど、劇中にあったからなぁ。
(本文省略)
13-10-06
15日
9月4日に開幕した第1局は、序盤から積極的に仕掛けた中村が先勝。(夕刊9面)
深松真司記者。いろいろな意味で後世に語り継がれそうな将棋の第61期王座戦五番勝負の記事。正確に書くなら、「9月4日に開幕したタイトル戦。第1局は、序盤から積極的に仕掛けた中村が先勝。」。王座戦のタイトル戦は1日制なので、第1局が9月4日に「開幕」するのは珍妙。
13-10-07
15日
中村は今期王座戦の挑戦者決定トーナメントで、佐藤康光九段(44)、森内俊之名人(43)、郷田真隆九段(42)といった「羽生世代」のトップ棋士を連破して挑戦権をつかんだ。(夕刊9面)
深松真司記者。13-10-06の続き。不正確だと思うが、修正するのは相当難問。連破した棋士は下記のどちら?
1)「羽生世代」でかつトップ棋士
2)数多い「羽生世代」のなかのトップ棋士
どちらともとれるが、書き手は1)のつもりで書いていると思われる。〈……といったトップ棋士を連破して挑戦権をつかんだ。3人とも「羽生世代」の棋士である。〉と二文にするくらいかな。
ちなみに「トップ棋士」は「トップクラスの棋士」を意味する慣用句のようなもの。下記の「3」と考えればいい。「トップ」が何人もいるのか、とか言わないように。
http://dic.yahoo.co.jp/detail?p=%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97&stype=0&dtype=0
================引用開始
トップ【top】
1 順序の最初。1番目。「本日―の議題」
2 首位。1位。「前半を―で折り返す」
3 あるまとまりの中での最上層。また、そこに位置する人や物。「世界の―ランナー」
================引用終了
(本文省略)
13-10-08
19日
独自性を問われる生き残り競争の中、大辞泉が追究するのは「生きのよさ」だ。電子版は4カ月に1回、2千~3千語を増やしている。(夕刊1面)
夕刊1面の記事。重要な話なんでメモしておく。そんなに頻繁に改定しているのね。
(本文省略)
13-10-10
21日
なかなか代役が気まらず、最後は経験豊富な38歳のベテランに白羽の矢が立った。(朝刊15面)
鷹見正之記者。こういう「白羽の矢」はもはや許容か。
13-10-11
24日
強肩ぶりに定評がある。(朝刊25面)
隅部康弘記者。「強肩」と「強肩ぶり」はどう違うのだろう。まさか最近の妙な「ぶり」の用法と関係がある? 詳しくは改めて。
13-10-12
27日
「家族とはいえ別の人格者」(朝刊38面)
佐藤美鈴記者。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914822246&owner_id=5019671
13-10-13
30日
難易度は低めだが、中には意外な発見も。(朝刊40面)
竹内誠人記者。クイズ番組の紹介記事。「難易度」のなかには、許容してもよさそうな例もある。これは許容しにくい例。詳しくは改めて。
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