朝日新聞から番外編?──tobirisuのdomisu
mixi日記2008年11月16日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=996479162&owner_id=5019671
最近、日本語関係でイヤな汗を流すことが多い。
もともと、自分の日本語力にすごい偏りがあることは自覚していた。
要は、妙なことには詳しい一方で、「こんな基本的なことを知らなかった」と唖然とすることが多い。それでも一般の人よりは唖然とすることは若干少なめだと思い込んでいた。
ところが、このところ立て続けに唖然として、失神寸前の状態が続いている。
順不同で記録を残しておく。「ほかにもこれがあるだろ」ってご指摘もお待ちしております(泣)。
1)預かるor与る
8月31日に足跡帳で○○さんから指摘を受けた。
「指名にあずかる」「おほめにあずかる」を当方は「預かる」と書いていた。正確には「与る」ではないかと。ご指摘のとおりです。いや、その、「与る」は常用漢字表外だから。だったらひらがなで「あずかる」と書きなさい。ハーイ。
ちなみに「目を見張る」「細やかな気配り」「風光明美」などの表記は、個人的には避けるようにしている。「目を瞠る」「濃やかな気配り」が許されないならひらがなにする。「風光明媚」が許されないなら言いかえる。「見張る」と「瞠る」はやっぱり違うし、「細やか」だと一瞬「ささやか」(常用漢字表外)って読んでしまう。
厳密に言うと、「細(こま)かい」は常用漢字表の範囲だけど「細(こま)やか」は常用漢字表外のはず。これは、「魅」の字に「ミ」という読みはあっても、「魅(み)せる」とは読まないのと似ている(のか?)。
2)シャッポを脱ぐ
10月31日に足跡帳で○○さんから指摘を受けた。
日記でも補足を書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=980351990&owner_id=5019671
当方は、「シャッポを脱ぐ」を「脱帽」の意味だと思っていた。
「兜を脱ぐ」=「負けを認める」ってことらしい。
シャッポを脱ぐは、帽子を脱ぐことではなく兜を脱ぐこと……まぎらわしい(泣)。
3)なし崩し
10月4日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=952983739&owner_id=5019671&org_id=953437560
×曖昧なうちになかったことにすること
○物事を少しずつ済ませてゆく様子
o( ̄― ̄;)ゞううむ。これも完全に間違って覚えていた。こういう恥ずかしいことはなし崩しにしたい(さあ誤用か正用か)。
4)感染爆発はパンデミックpandemic
10月31日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=962325597&owner_id=5019671&org_id=963638342
知らない言葉を孫引きしてはいけない、という教訓です。ただでさえ横文字は弱いんだから。シクシク。
5)一敗地
某コミュで電波に揚げ足を取られた。電波だろうが●●だろうが、ありがたいご指摘は傾聴する。
「一敗地にまみれる」は「一敗 地にまみれる」。したがって、「一敗地」という言葉はないらしい。
ただし、「一頭地を抜く」の場合は「一頭地 を抜く」らしい。この場合の「地」は副詞的助辞で意味がないとか。
ふーむ。なんとなく「一敗地」と「一頭地」を同類と記憶していた。
6)亜流
先日、日記に書くために確認して気づいた。
「亜流」って「本流」の対義語ではないらしい。なんとなく、「本流」から外れた「外道」「邪道」の類いだとばかり思っていた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=994424670&owner_id=5019671
7)押すに押されぬ
11月10日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=990061731&owner_id=5019671
いままでのは、まだ笑ってごまかせる。(←ちゃんと反省しろ!)
これはシャレにならない。本に書いてしまった(もう絶版だからどうしようもないけど)。誤用を指摘する内容で誤用をしているので、相当恥ずかしい。
簡単に言うと、当方は「押すに押されぬ」を誤用だと思っていた。これはこれでアリらしい。
なぜ当方がこのような勘違いをしたか。壮大な言い訳(?)を構築する。
一般に知られている慣用句は「押しも押されもせぬ」。ここから派生した「押しも押されもしない」も許容範囲だろう。こちらのほうがまだマシって気がする。「せぬ」なんて使うなよ、と言いたくなる。
大前提として、当方はこういう大ゲサな表現は極力使わないことにしている。自分では使ったことがない。こんな表現を使う必要を感じたことがないもん。仮に編集者として仕事をしているときにライターが使ってきたら、容赦なく書きかえる。だから、まったくなじみがない。したがって、間違ったのもしかたがないといえよう。ヨシヨシ、なんとなく大風呂敷を広げた雰囲気になってきた(これも誤用かな)。
一般によく見られる誤用は「押しも押されぬ」。このことに関して、愛用する『朝日新聞の用語の手引き』(1986年刊)には〈「押すに押されぬ」との混用か〉とある。つまり、20年以上前からこの話があったことになる。
なぜ「押すに押されぬ」を誤用と思い込んだのか。
まったく記憶がない。<( ̄- ̄)>キッパリ!
このテのことを自分で見つけたならもっと別の書き方(もっと得意気?)をすると思うので、何かで読んだんだと思う。でもなんにも覚えてない。
そりゃ「押すに押されぬ」も文法的には間違っていない。手元の『成語林』では「押しも押されもしない」と同義としている(ちなみに『成語林』は「押しも押されもしない」を見出しに立て、「押しも押されもせぬ」ともいう、としている。そうなのか? 逆じゃないのか?)。
ちょっと待ってよ。次の2つは同義か?
1)「押しも押されもせぬ」
2)「押すに押されぬ」
直訳的にうんと噛み砕くと、前者は「自分から押したりすることもなければ、他者から押されることもない」じゃないのかね。「押しも」の解釈が違うのかな。これが「他者が押しても押されない」と解釈するなら、「押しも押されぬ」とするべきって気がする(だからみんな誤用するんだろう)。
一方の「押すに押されぬ」は「越すに越されぬ」と同様の解釈でいいだろう。「押そうとしても押せない」ってこと。
ここから導き出される実際の意味はどちらも「不動の」「びくともしない」「微動だにしない」くらいの意味だから結局同じ? わかりませーん。
ここから先は負け惜しみっぽいけど、仮に1)と2)のどちらかを使わなければならないってことになったら、当方は間違いなく1)を使う。語尾はたぶん「しない」のほうを選ぶ。2)はイヤだよ。語呂がよすぎて軽く感じられる。大ゲサなのに軽く感じられるなんて奇妙な言葉をあえて使う気にはとてもなれぬ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=996479162&owner_id=5019671
最近、日本語関係でイヤな汗を流すことが多い。
もともと、自分の日本語力にすごい偏りがあることは自覚していた。
要は、妙なことには詳しい一方で、「こんな基本的なことを知らなかった」と唖然とすることが多い。それでも一般の人よりは唖然とすることは若干少なめだと思い込んでいた。
ところが、このところ立て続けに唖然として、失神寸前の状態が続いている。
順不同で記録を残しておく。「ほかにもこれがあるだろ」ってご指摘もお待ちしております(泣)。
1)預かるor与る
8月31日に足跡帳で○○さんから指摘を受けた。
「指名にあずかる」「おほめにあずかる」を当方は「預かる」と書いていた。正確には「与る」ではないかと。ご指摘のとおりです。いや、その、「与る」は常用漢字表外だから。だったらひらがなで「あずかる」と書きなさい。ハーイ。
ちなみに「目を見張る」「細やかな気配り」「風光明美」などの表記は、個人的には避けるようにしている。「目を瞠る」「濃やかな気配り」が許されないならひらがなにする。「風光明媚」が許されないなら言いかえる。「見張る」と「瞠る」はやっぱり違うし、「細やか」だと一瞬「ささやか」(常用漢字表外)って読んでしまう。
厳密に言うと、「細(こま)かい」は常用漢字表の範囲だけど「細(こま)やか」は常用漢字表外のはず。これは、「魅」の字に「ミ」という読みはあっても、「魅(み)せる」とは読まないのと似ている(のか?)。
2)シャッポを脱ぐ
10月31日に足跡帳で○○さんから指摘を受けた。
日記でも補足を書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=980351990&owner_id=5019671
当方は、「シャッポを脱ぐ」を「脱帽」の意味だと思っていた。
「兜を脱ぐ」=「負けを認める」ってことらしい。
シャッポを脱ぐは、帽子を脱ぐことではなく兜を脱ぐこと……まぎらわしい(泣)。
3)なし崩し
10月4日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=952983739&owner_id=5019671&org_id=953437560
×曖昧なうちになかったことにすること
○物事を少しずつ済ませてゆく様子
o( ̄― ̄;)ゞううむ。これも完全に間違って覚えていた。こういう恥ずかしいことはなし崩しにしたい(さあ誤用か正用か)。
4)感染爆発はパンデミックpandemic
10月31日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=962325597&owner_id=5019671&org_id=963638342
知らない言葉を孫引きしてはいけない、という教訓です。ただでさえ横文字は弱いんだから。シクシク。
5)一敗地
某コミュで電波に揚げ足を取られた。電波だろうが●●だろうが、ありがたいご指摘は傾聴する。
「一敗地にまみれる」は「一敗 地にまみれる」。したがって、「一敗地」という言葉はないらしい。
ただし、「一頭地を抜く」の場合は「一頭地 を抜く」らしい。この場合の「地」は副詞的助辞で意味がないとか。
ふーむ。なんとなく「一敗地」と「一頭地」を同類と記憶していた。
6)亜流
先日、日記に書くために確認して気づいた。
「亜流」って「本流」の対義語ではないらしい。なんとなく、「本流」から外れた「外道」「邪道」の類いだとばかり思っていた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=994424670&owner_id=5019671
7)押すに押されぬ
11月10日の日記に対するコメントで、○○さんから指摘を受けた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=990061731&owner_id=5019671
いままでのは、まだ笑ってごまかせる。(←ちゃんと反省しろ!)
これはシャレにならない。本に書いてしまった(もう絶版だからどうしようもないけど)。誤用を指摘する内容で誤用をしているので、相当恥ずかしい。
簡単に言うと、当方は「押すに押されぬ」を誤用だと思っていた。これはこれでアリらしい。
なぜ当方がこのような勘違いをしたか。壮大な言い訳(?)を構築する。
一般に知られている慣用句は「押しも押されもせぬ」。ここから派生した「押しも押されもしない」も許容範囲だろう。こちらのほうがまだマシって気がする。「せぬ」なんて使うなよ、と言いたくなる。
大前提として、当方はこういう大ゲサな表現は極力使わないことにしている。自分では使ったことがない。こんな表現を使う必要を感じたことがないもん。仮に編集者として仕事をしているときにライターが使ってきたら、容赦なく書きかえる。だから、まったくなじみがない。したがって、間違ったのもしかたがないといえよう。ヨシヨシ、なんとなく大風呂敷を広げた雰囲気になってきた(これも誤用かな)。
一般によく見られる誤用は「押しも押されぬ」。このことに関して、愛用する『朝日新聞の用語の手引き』(1986年刊)には〈「押すに押されぬ」との混用か〉とある。つまり、20年以上前からこの話があったことになる。
なぜ「押すに押されぬ」を誤用と思い込んだのか。
まったく記憶がない。<( ̄- ̄)>キッパリ!
このテのことを自分で見つけたならもっと別の書き方(もっと得意気?)をすると思うので、何かで読んだんだと思う。でもなんにも覚えてない。
そりゃ「押すに押されぬ」も文法的には間違っていない。手元の『成語林』では「押しも押されもしない」と同義としている(ちなみに『成語林』は「押しも押されもしない」を見出しに立て、「押しも押されもせぬ」ともいう、としている。そうなのか? 逆じゃないのか?)。
ちょっと待ってよ。次の2つは同義か?
1)「押しも押されもせぬ」
2)「押すに押されぬ」
直訳的にうんと噛み砕くと、前者は「自分から押したりすることもなければ、他者から押されることもない」じゃないのかね。「押しも」の解釈が違うのかな。これが「他者が押しても押されない」と解釈するなら、「押しも押されぬ」とするべきって気がする(だからみんな誤用するんだろう)。
一方の「押すに押されぬ」は「越すに越されぬ」と同様の解釈でいいだろう。「押そうとしても押せない」ってこと。
ここから導き出される実際の意味はどちらも「不動の」「びくともしない」「微動だにしない」くらいの意味だから結局同じ? わかりませーん。
ここから先は負け惜しみっぽいけど、仮に1)と2)のどちらかを使わなければならないってことになったら、当方は間違いなく1)を使う。語尾はたぶん「しない」のほうを選ぶ。2)はイヤだよ。語呂がよすぎて軽く感じられる。大ゲサなのに軽く感じられるなんて奇妙な言葉をあえて使う気にはとてもなれぬ。
スポンサーサイト