【せっかく わざわざ わざと あえて】辞書

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年01月26日から

 以前「あえて」「わざと」「わざわざ」の違いについて書いた。このときに、「わざわざ」はちょっと異質って印象があった。
【「あえて」と「わざと」※毒抜き編☆日本語教師☆】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1098.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1435742271&owner_id=5019671
あえて わざと わざわざ【2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1425.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1545153383&owner_id=5019671

 どうやら、「わざわざ」は「せっかく」と比較するものらしい。
 
 まずWeb辞書をひく。以下『大辞泉』からの引用。
http://kotobank.jp/word/%E6%8A%98%E8%A7%92?dic=daijisen&oid=10378600
================引用開始
せっ‐かく 【折角】

【1】[副]
1 いろいろの困難を排して事をするさま。無理をして。苦労して。わざわざ。「―来てくれたんだから、ゆっくりしていきなさい」「―のみやげを汽車の中に置き忘れた」
2 (「折角の」の形で、体言に続けて)滅多に得られない、恵まれた状況を大切に思う気持ちを表す。「―の休日だから、どこにも出かけたくない」「―の好機を逃がしてしまった」
3 全力を傾けて事をするさま。つとめて。せいぜい。手紙文などで用いる。「先生のお言葉を忘れずに、―勉学に励む覚悟です」
【2】[名]
(略)

[用法]せっかく・わざわざ――「せっかく(わざわざ)おいでいただいたのに、留守をして申し訳ありません」のように相通じて用いられる。◇「せっかく」には「せっかくの好意を無駄にする」「せっかくだが断る」のような名詞的用法もある。また、ある行為が行われたのに期待した結果の得られないことを惜しむ気持ちを表して、「せっかく努力したのに不合格だった」「せっかく用意したのだから、食べていけばよいのに」などと使う。ほかに「せっかくご努力願いたい」のような、やや古い言い方がある。◇「わざわざ」は「わざわざ迎えに行く」「わざわざ持って来る」など、ついでではなく、そのことだけのために動作を行う意を表す。
================引用終了

http://kotobank.jp/word/%E6%85%8B%E6%85%8B?dic=daijisen&oid=19805700
================引用開始
わざわざ【態態】

( 副 )

何かのついでではなく,労力を惜しまないで特にそのためだけにするさま。特別に。 「 -見舞いにくる」

「 わざと① 」に同じ。故意に。 「 -人の仕事をじゃましにくる」
================引用終了

「せっかく」の項にある[用法]はけっこう詳しい。だが、「結局どういうこと」という疑問は残る。ちなみに「―のみやげを汽車の中に置き忘れた」は、「2」の用法だろう。
 goo辞書の『類語例解辞典』にもけっこう詳しくのっているが、こちらも「結局どういうこと」という疑問は残る。一応の説明になってはいても、むずかしくて何がなんだか。
 goo辞書の全文は下記参照。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2944.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1920446602&owner_id=5019671

 微妙な違いを解明するため(大きく出たもんだ)、細かく見ていく。以下、『大辞泉』の例文をベースに必要に応じて追加する。

■相手の行動について使う
・肯定的なニュアンスで
 1){せっかく/わざわざ}来てくれたんだから、ゆっくりしていきなさい
 これはどちらも使えるが、下記だとなぜか差異が出てくる。以下「*」は不自然な例を表わす。
 2){せっかく*/わざわざ}来てくれてありがとう
 おそらく、「せっかく」は単文(この場合は微妙?)には向かない。「せっかく来てくれたのだが~」「せっかく来てくれたのだから~」のような形(条件節ってヤツ?)でないと不自然になる。

・否定的なニュアンスで
 3){せっかく*/わざわざ}こんなことをしやがって、ありがた迷惑だ
 これが「{せっかく/わざわざ}○○していただいたのですが、あいにく……」なら問題がない。3)が悪態のニュアンスが強いからだろうか。

・微妙な例
 4){せっかく/わざわざ*}努力したのに不合格だった
 5){せっかく/わざわざ}用意したのだから、食べていけばよいのに 
 これは「自分の行動」ともとれるかもしれない。そうとっても事情はあまりかわらないので無視する。
『大辞泉』は4)5)は「せっかく」限定のように書いている。5)は「わざわざ」でもよいだろう(ニュアンスはちょっとかわる気がするが)。4)はたしかに「わざわざ」は不自然だが、厳密に言うと「せっかく」にも少し異和感がある。「あんなに」「あれほど」「ずいぶん」あたりなら自然。
 これが6)の「せっかく」はもう少し自然に感じる。同じようでも7)は自然。おそらく、「わざわざ」には「労力を惜しまない」の意味が含まれているので、「努力する」「頑張る」と相性が悪いのだろう。「せっかく」にも多少そのニュアンスがあるのだろう。
 6){せっかく/わざわざ*}頑張ったのにねぇ……
 7){せっかく/わざわざ}つくったのにムダになった

■自分の行動について使う
・肯定的なニュアンスで
 8){せっかく/わざわざ}お持ちしたのですから、是非お受け取りください。

・否定的なニュアンスで
 9){せっかく/わざわざ}買ってあげたのに、喜んでもらえなかった。

 8)はどちらも不自然とまでは言えないが、「わざわざ」だとヒドく押し付けがましく感じられる。わかりやすく言うと「感じワル!」。9)になると悪態の類いになるから、どちらを使っても感じが悪い(笑)。

 ここまでをまとめてみる。
「せっかく」と「わざわざ」はほぼ同じように使える。ニュアンスがどの程度異なるのかは文脈による。以下のような場合は一方しか使えない。

■「せっかく」しか使えないケース
①「せっかくの」の形で、体言に続ける場合。
 せっかくの休日だから~ せっかくの好機を逃がして
 同様に名詞的用法の「せっかくだが」「せっかくですが」「せっかくだから」なども「わざわざ」にはできない。
②「努力する」「頑張る」の類い
 6){せっかく/わざわざ*}頑張ったのにねぇ……
③自然現象など
 ↑には書いてないが、自然現象などで、人の意思が関係しない場合は「わざわざ」は使いにくい。
 この場合、善い条件限定(悪い場合は「あいにく」)になる。さらに言うと、「せっかくの」の形に書きかえられることが多い気がする。
「せっかく天気がいいのだから~」→「せっかくの好天だから~」
「せっかく休みが続くのだから~」→「せっかくの連休だから~」

■「わざわざ」しか使えないケース
①単文
 2){せっかく*/わざわざ}来てくれてありがとう
②悪態
{せっかく*/わざわざ}こんなことをしやがって、ありがた迷惑だ
「わざわざ」は押し付けがましくなることがあるので要注意。とくに自分の行動に「わざわざ」を使うと悪態に近くなることもある。できるだけ「せっかく」を優先させるほうが無難なのかもしれない。


 下記は参考になる。当方とは観点がまったく違う。たぶんこれが正統なんだろう。
【「せっかく」と「わざわざ」はどう違う?】
http://home.alc.co.jp/db/owa/jpn_npa?sn=202
================引用開始
「せっかく」と「わざわざ」はどう違う?

 「せっかく」「わざわざ」は、意図的にあえて何かをするという意味では共通していますので、次のような文においてはいずれも許容可能です。

  せっかく/わざわざ 来てもらったのに留守にしていて悪かったね。
  せっかく/わざわざ 教えてやったのに、ちっと聞いていない。

 ところが、両者は次のような違いをもちます。

  せっかく:後に続く事柄が、望ましいものとして評価されている。
  わざわざ:後に続く事柄が、困難・労力を伴うものであり、本来する必要がないと考えられている。

 したがって、次のような文では「せっかく」「わざわざ」を入れ換えることができません。

  せっかく鎌倉に来たのだから、長谷まで足を伸ばそう。
  せっかくですから、遠慮なくいただきます。
  彼がわざわざ出向くからには何か理由があるはずだ。

 この違いは、「せっかく」「わざわざ」が「せっかくの」「わざわざの」という形式で連体修飾をする場合にも見てとれます。

  せっかくの休みなんだから、どこかに出掛けよう。
  せっかくのご親切を無にして申し訳ありません。
  わざわざのおいで、たいへん恐縮です。

 「休み」「ご親切」は話し手によって望ましいと判断された事柄を表していますし、「おいで」は労を伴う相手の行為を表しています。また、「わざわざの」は「せっかくの」に比べて生産性が低く(形式化が進んでおり)、後に続く名詞が「せっかくの」ほど自由ではないようです。
================引用終了

 疑問点や勉強になった点を箇条書きにする。
・足を伸ばそう
 ガイドブックでよく見かける。ストレッチじゃないんだから、漢字で書くなら「足を延ばそう」。
・わざわざ鎌倉に来たのだから、長谷まで足をのばそうは×?
 そんなバカな。ちょっとひっかかる気もするが、「鎌倉まで来た」にするとずっと自然になるような。
・せっかくですから、遠慮なくいただきます
 これは名詞的用法だろう。「せっかく(の機会)ですから」ってことじゃないか? 「せっかく持ってきてくれたのですから~」なら「わざわざ」にできる。『大辞泉』にも〈「せっかくだが断る」のような名詞的用法もある〉とある。
・彼がわざわざ出向くからには何か理由があるはずだ
 これは理由不明。「(出不精の)彼がわざわざ出向くからにはスゴくいいことがあるはずだ」だと〈望ましいものとして評価されている〉気がする。いずれにしても、「(出不精の)彼がわざわざ出向く」が単文でいったん完結している印象があるからだろうか。わからない。「彼がせっかく出向いてくれたのだが~」「彼がせっかく出向いてくれたのだから~」なら異和感はない。
 ウーム 。せっかくの例文が全部無効になったような。
・わざわざのおいで
 そうか「わざわざの」の形もあるんだ。でもこれは古い言い方の名残りで、一種の慣用句になってないか。
・生産性が低い
「形式化が進んでいる」って意味なんだ。前にどこかで読んで、意味不明だった。


 役に立ちそうなサイトをもうひとつ。
【わざわざ せっかく わざと】(全文は末尾に)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/4ga.htm
 一方しか使えないとされている例文をあげていく。
「わざわざ成田空港まで迎えに行く。」←単文だから「わざわざ」(重文なら「せっかく」でもOKになる)
「わざわざ美容院に行ったのに、雨で髪がくしゃくしゃになってしまった。」←「せっかく」もOK
「近いのにわざわざ車で行く。」←単文だから「わざわざ」
「橋があるのにわざわざ川を泳いで渡る。」←単文だから「わざわざ」
「せっかく雪が降ったのだから雪だるまを作ろう。」←自然現象など
「せっかく来てくれたのだからお昼をごちそうします。」←「わざわざ」も可
「せっかくいい天気になったのだからピクニックに行きましょう。」←自然現象など
「せっかく彼女が電話をくれたのに仕事が忙しくて会う事ができなかった。」←「わざわざ」も可
「せっかくパソコンを買ったのにぜんぜん使い方がわからない。」←「わざわざ」も可
「わざわざ作ったのだからたくさん食べて下さいよ。」←「間違い」ではないが自分の行動に「わざわざ」は危険

 こんな強引な論理で断定調で書くと、まるで●●みたいだ(笑)。


【追記】
 書き忘れてたことがあった。
 下調べの段階で、「わざわざ来てくれてありがとう」などと言われると不快に思う人が多いというコメントがあった。Yahoo!知恵袋だったような気がするが、見当たらない。
 たしか、「さほど必要もないのに来やがった」みたい印象がある、みたいな趣旨だった。
 場合によってはそういうニュアンスになることもあるのかもしれない。でもなぁ。
 たぶん↑の「悪態」にかかわる。
 そんなことまで考えたら、「わざわざ」が使えなくなる(泣)。


【わざわざ せっかく わざと】
http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/4ga.htm
================引用開始
わざわざ せっかく わざと

学生達は時々次のような言い方をします。
1 わざわざ作ったのだからたくさん食べて下さいよ。
2 せっかく来てくれてありがとう。
これらの文は少しおかしいですね。
今月は、これらの言葉の基本的な意味と使い方を勉強しましょう。
普通、「わざわざ」や「せっかく」は、動詞を修飾します。どちらも何かを意図して
する(した)という意味があり使い方もほとんど同じですが、ニュアンスが少し違います。

「わざわざ息子のために(時間・お金ををかけて)
スーツを作ったのにぜんぜんそれを着ない。」
「せっかく息子のためにスーツを作ったのに
(喜ぶかと思ったら)ぜんぜんそれを着ない。」
「わざわざ(遠い所を)日本まで来たのだから
日本語がうまくなりたい。」
「せっかく日本まで来たのだから(その
チャンスに)日本語がうまくなりたい。」
このニュアンスの違いは、基本的な意味の違いから
来ているものです。
では、次の段落でこれらの基本的な意味を説明しましょう。
(A) わざわざ
(1)わざわざは、誰かがお金や手間や時間をかけて努力して何かをする(した)という事を
あらわします。
「わざわざ成田空港まで迎えに行く。」

「わざわざ美容院に行ったのに、雨で髪が
くしゃくしゃになってしまった。
(2)もう一つの意味は、「わざわざ」は、ある人がある意図
を持って何かをする(した)という事です。
つまり何かをする時にもっと一般的な方法があるのに
その人は困難なまたは変った方法を選んだ、または、
やる必要がないのにある事をやったという事を
あらわすのです。
「近いのにわざわざ車で行く。」
「橋があるのにわざわざ川を泳いで渡る。」(こんな人はいないでしょうが・・)
(B)せっかく
(1) 話し手が「雪が降った・・」といった時、私達は次の言葉を聞くまでそれが話し手にとって
いい事なのか悪い事なのか分かりません。なぜなら、この文は事実を述べているだけだから
です。
でも、彼/彼女が「せっかく雪が降った・・」と言ったとすると、それは彼/彼女にとって
いい事なのだと言う事が分かり、そういう意味の文が続きます。
「せっかく雪が降ったのだから雪だるまを作ろう。」

このように話し手は、「せっかく」を使って事実(客観的な状況)にそれが彼/彼女に
とって価値がある又は好ましいものである、そして、その状況を無駄にしたくない
と言う気持ちを付け加えているのです。
話し手がその状況をうまく使いたいまたは、期待している事を実現させたい
そんな場合には接続助詞詞「(だ)から)」が よく使われます。
逆に状況が 話し手の期待にそむいた時、好ましい状況が無駄になってしまった時
接続助詞「(な)のに」「(のだ)が」がよく使われます。
「せっかく来てくれたのだからお昼をごちそうします。」
「せっかくいい天気になったのだからピクニックに行きましょう。
「せっかく彼女が電話をくれたのに仕事が忙しくて会う事ができなかった。

「せっかくパソコンを買ったのにぜんぜん使い方がわからない。
(2)せっかくには名詞的用法があります。
「せっかくの・・」と言う場合「・・」には価値があるとか「・・」はすばらしいことだ等
の意味を表します。
「せっかくの休みだからゆっくりしよう。」
「せっかくのごちそうなのにさめてしまった」
「せっかくのお招きですが、残念ながらいけません。」
*わざわざにも又名詞的用法がありますが、この用法はとても限られています。
(誰かが来たとか尋ねてきたことにお礼を言う時だけです。)
(例)「わざわざのお越しありがとうございます。」
「わざわざのお見舞いありがとうございます。」
.........................................................
さあ、これでこの文章のはじめに取り上げたふたつの文がおかしいと言う事がわかったと思います。

1 わざわざ作ったのだからたくさん食べて下さいよ。
2 せっかく来てくれてありがとう。
文(1)は
「作るのはとても大変だったのだから、たくさん食べて下さい。」と言う意味になります。
お客様に手料理をお出しするのにこれでは変ですし、失礼になりますよね。

「せっかく(あなたのために)作ったのだから、たくさん食べて下さい。」
これならいいですよね。
文( 2)は
意味が成り立たない文です。
「わざわざ来てくれてありがとう。」
こうすれば相手が大変なのに来てくれたという事に感謝するわけですから礼儀正しい言い方だ
になります。
........................................................
(C)わざわざ

「わざわざ」と「わざと」を取り違える学生も多いです。
「わざと」は「わざわざ」と同じようにある人が意図的にある行動をするという時使われます。
下の文では意味は大体同じです。
「恋人と一緒だからわざわざ/わざと遠回りした。」
「バスがあるのにわざわざ/わざと歩いていった。」
でも、「わざわざ」と「わざと」の使い方はいつも同じというわけではありません。
「わざわざ」はした事の困難さや苦労を強調すると前に説明しましたね。
でも、「わざと」にはこういう働きはありません。
「わざと」が表すのは意図的にやったという事、そして多くの場合それには隠された本当の
目的があると言う事です。
人の注目や同情を引いたりごまかしたりだましたりするために意図的にある行動をするとき
「わざ」とを使います。

「彼女はわざと彼の足を踏んだ。」
足を踏む事によって彼の注意を彼女に向けようとしているのです。
「あまり痛くないのにわざとその子は大きな声でないた。」
この子は同情をひきたいために大声で泣いたのです。
..........................................................
( 問題 )
「わざわざ」「せっかく」「わざと」から適当なものを選んで(___)の中に入れなさい。
1 (___) きれいに並んでいたのにバラバラにしてしまった。
2 遠い所を (___) 来てくれてありがとう。
3 (___)覚えたのに試験が終わったすぐ忘れてしまった。
4 彼は怒って(___)大きな音を立ててドアを閉めて出ていってみんなを心配させた。
5(___)お祝いなのだからたくさん飲んで下さい。
...............................
(答): 1 せっかく 2 わざわざ 3 せっかく/わざわざ 4 わざと 5 せっかくの
================引用終了


【せっかく わざわざ わざと あえて】辞書〈2〉

 どうにもよくわからないのでmixiにトピを立ててみた。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=75665462&comment_count=10&comm_id=398881

 ウーン。
 もしかすると当方はalcのあの記事と相性が悪いのかもしれない。たいていの記事はスンナリ読めるんだけど。
 コメント[4]でいくつか例文をいただいた。
 〈1〉で考えたことを確認してみたい。ナンバーをつけ、体裁は〈1〉と合わせしまう。(←オイ!)
  10){せっかく/わざわざ}京都まで来たのだから、金閣寺を見て帰ろう。
  11){せっかく/わざわざ}京都まで来たのに、金閣寺を見ないで帰るのは残念だ。
  12){せっかく/わざわざ}のお越しなのですから、ぜひ、これをお持ち帰りください。
  13){せっかく/わざわざ}のお越しなのに、何のお構いもできなくてすみません。
  14){せっかく/わざわざ*}の留学なのだから、日本語以外のことも学んで帰りたい。
  15){せっかく/わざわざ*}の留学なのに、日本語以外のこともは何も学べなかった。
  16)行かなくてもいいのに{*せっかく/わざわざ}彼の家まで行った。
  17){せっかく/わざわざ*}の休みなのだから、どこかへ出かけたい。

 10)11)を見ても、「わざわざ鎌倉に来たのだから、長谷まで足をのばそう」を×にする理由はないと思う。
 12)13)は、alcに出てきた「わざわざのおいで」と同様で「わざわざの」が使えるレアケース。一種の慣用句かなぁ……。偶然か必然か、「わざわざのおいで」も「わざわざのお越し」も、相手が「わずわざ来てくれたこと」に感謝している。そういう使い方が多いのだろう。〈1〉の追記で書いた「わざわざ来てくれてありがとう」も、個人的にとくに問題はないと思う。
 14)15)は通常は「わざわざの」が×の例。これが接続だけの問題であることは、下記のように書きかえるとわかる。
  14)’{せっかく/わざわざ}留学したのだから、日本語以外のことも学んで帰りたい。
  15)’{せっかく/わざわざ}留学したのに、日本語以外のこともは何も学べなかった。
 16)は「行かなくてもいいのに」がついているのでわかりにくいが、「せっかくは単文には×」の一種だろう。下記のように書きかえると、「行かなくてもいいのに」でも「せっかく」が使える。ちょっとヘンかな。16)’’のように「のに、」を減らすとずっと自然になる。
  16)’行かなくてもいいのに、せっかく彼の家まで行ったのに、会えなかった。
  16)’’行かなくてもいいとは思いながら、せっかく彼の家まで行ったのに、会えなかった。
 17)は「わざわざの」が×と、自然現象などの合わせ技。ちょっと変形して18)にする。18)’のように「わざわざの」を解消しただけではまだ不自然。「休みが3日続く」が自然現象と同様に扱えることは、「好天が3日続く」と置きかえればわかる。18)’’なら自然だろう。
  18){せっかく/わざわざ*}の3連休なのだから、どこかへ出かけたい。
  18)’{せっかく/わざわざ*}休みが3日続くのだから、どこかへ出かけたい。
  18)’’{せっかく/わざわざ}3連休を取ったのだから、どこかへ出かけたい。



【せっかく わざわざ わざと あえて】辞書〈3〉



http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=75665462&comment_count=10&comm_id=398881
 トピがちょっとおもしろい展開になった。
 コメント[12]で下記のような話が出る。
 わざわざの起こしなのだから○
 わざわざの留学なのだから×
 わざわざのご留学なのだから○

 コメントを回収しておく。
 〈2〉に引用した例文に続いてこういうやり取りができると、mixiもまだ捨てたもんじゃないと思う。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

[14] 2014年01月29日 20:55

>>[12]

 いろいろヒントをいただいた気がします。ありがとうございます。
 ワザワザノに続きそうな名詞を考えてみました。いずれも尊敬語で「来る」系なのは、とても偶然とは思えません。
  お越し 
  おいで
  お運び
  ご来店
  ご訪問(微妙?)
  ご足労(微妙?)

「ご留学」にはちょっと異和感があります。漢語系だから……とも思いましたが、「ご来店」がアリならその線は疑問です。なぜなんでしょう。

 ちなみに、当方が「お越し」と同類と考えている(「~になる」の二重敬語っぽい使われ方が許容されそうな動詞。あれ? 「おいで」もか)「お見え」「お召し」は△でしょう
「お目見え」なんて言葉もアリの気がしましたが、意味的にヘンですね。

 ヒトゴトかワガコトですか。当方のムチャなアプローチも的外れでなかったのかも。
 もしかすると……ワザワザは本来、ヒトゴト限定だったのかもしれません。そんなことはないか(笑)。
 どちらかと言うとヒトゴト寄りのはずの自然現象などが、ワザワザに関してはワガコト寄りなのは、興味深く思います。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

[15] 2014年01月29日 21:14

>>[14]
 なるほど。「来る」系統に限られていますね。盲を啓かされました。ありがとうございます。
  我が国へのわざわざの御留学
ではいかがでしょうか?

 ヒトゴト・ワガコトという概念を文法に利用としたのも渡辺実です。

 ヒトゴト領域からワガコト領域への移動こそが「来る」ですよね。
 そうであれば、動作がヒトゴトからワガコトになされれば、ワザワザノが可能ではないかという予想が立ちます。
  当方へのわざわざの御挨拶
  当方へのわざわざの御伝言
  当方へのわざわざの御心付け
などはいかがでしょうか。
 ただし、
 *当方へのわざわざのプレゼント
を考えると、語彙に縛りがありそうです。

 自然現象は、ヒトゴトではないと思います。自然現象に気は遣わないでしょう。尊敬の対象にもなりません。
 また「労力」という観点からも、自然現象にワザワザがつかないことは説明できるのではないでしょうか。

 ワザワザとワザワザノは明らかに振る舞いが異なるので、区別したほうがいいと思います。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

[16] 2014年01月29日 21:46

>>[15]  ブラインドではないでしょう。

「ワザワザノ名詞」は自分では使いそうにないので、語感が働きませんが……。

  我が国へのわざわざの御留学
 ならアリかもしれません。

  当方へのわざわざの御挨拶
  当方へのわざわざの御伝言
  当方へのわざわざの御心付け

 どこまで広げられるかは……謎です。
 
>ワザワザとワザワザノは明らかに振る舞いが異なるので、区別したほうがいいと思います。
 ワザワザノは原則はナシとして、ただし例外は……と考えるのが無難ですかね。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

[17] 2014年01月31日 19:08

>>[16]

 原則なし、というのはきつすぎるのではないかと思います。副詞にはノをとって名詞修飾するものが結構あります。そして、それらについても、副詞の場合と名詞修飾の場合で色々な差が観察されます。
 ワザワザとワザワザノの2つを、関係がありつつも別のものと認め、それぞれの制限は制限として認めれば済むのではないでしょうか。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

[18] 2014年02月01日 13:28

>>[17]

「原則なし」はきつすぎますか……。
 ここに関しては、alcの説明を借りるのが妥当ですかね。
================引用開始
「わざわざの」は「せっかくの」に比べて生産性が低く(形式化が進んでおり)、後に続く名詞が「せっかくの」ほど自由ではないようです。
================引用終了

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

tobi

Author:tobi
フリーランスの編集者兼ライターです。

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード