各位殿 各位様 お客様各位 お取引先様各位

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年01月23日から

「誤用」の例としてあげられる言葉のひとつに「各位殿」「各位様」ってのがある。ネット検索するととんでもないことになる。
 個人的には「重言」だとは思うが、「誤用」とは思わない。
「二重敬語」ではない。
「二重敬称」って説は正しい気もするが、微妙。そもそも「二重敬称」の定義って何?
「過剰敬語」と言えるか否かは微妙。

 まず典拠になりそうなものをあげる。
http://kotobank.jp/word/%E5%90%84%E4%BD%8D?dic=daijisen&oid=03022800
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
かく‐い 〔‐ヰ〕 【各位】

大ぜいの人を対象にして、その一人一人を敬って言う語。皆様。皆様方。多く、改まった席上や書面で用いる。「会員―にお知らせします」
◆「各位殿」という表現は、敬意が重複することになるので、好ましくない。
================引用終了

■Web辞書『大辞林』から
================引用開始
かくい【各位】

二人以上の人を対象にして,それぞれの人に敬意を表す語。みなさまがた。 「関係-」 〔「各位」はすでに敬意を含んでいる言葉であり,「各位殿」などとする必要はない〕
================引用終了

 辞書の解説を見る限り「各位殿」はよくないらしい。理由は『大辞泉』によると〈敬意が重複する〉から。『大辞林』によると、〈「各位」はすでに敬意を含んでいる〉から。
 いくつか気になることがある。「殿」って「様」と同様に使えるのか。なんで「各位様」って言わないのか。前者に関してはWeb辞書『大辞林』の説明がわかりやすい。
http://kotobank.jp/word/%E6%AE%BF?dic=daijisen&oid=00524300
================引用開始
どの【殿】

( 接尾 )
〔名詞「との(殿)」から〕
人名や官職名などに付けて,敬意を添える。 「山田太郎-」 「部隊長-」 〔古くは,「関白-」「清盛入道-」など,かなり身分の高い人に付けても用いた。現在では,目下に対してや事務的・公式的なものに用いることが多く,少なくとも,目上に対しての私信にはほとんど用いない〕
================引用終了

 バイブルにしている『敬語再入門』には記述が見当たらない。『敬語』のほうに下記があった。
【読書感想文/『敬語』(菊地康人/講談社学術文庫/1997年2月10日第1刷発行)──予想していたことではあるが……。】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2415.html

================引用開始
【引用部】
 「……各位」(たとえば「読者各位」)は、一人ずつを高める趣の表現。「位」がすでに(元
来は中国語)人を高めて指す言い方なので、「各位様」と使うのはおかしい。(P.246)
■Web辞書『大辞泉』から
(略)
 ということは「お客様各位」も重言なんだろうか。でも「顧客各位」「利用者各位」はマズいんじゃなかろうか。
================引用終了

 Web辞書とほぼ同様の記述だが、悪い例としてあげられているのは「各位様」。こういう言い方もあるのだろう。いずれにしても悪い例なんだから、あまりこだわるのはやめよう。

 これで終わりなら話はラクなんだけど、もう少し掘り下げてみる。
 Web辞書と『敬語』の記述から、「各位殿」「各位様」はよろしくないことがわかった。

【疑問1】「各位殿」「各位様」の類いをなんと呼ぶべきか。
「二重敬語」と呼ぶのはおかしい。文化庁の定義に従うなら、「二重敬語」は動詞がらみ限定だろう。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2550.html
 
「過剰敬語」ってのも実は正確な定義はない。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2551.html
「お嬢様はお手紙をお書きになっていらっしゃる」でも問題がないと言われると何も言えない。
 まあ、「重言」の一種と考えるのが妥当かもしれない。ただ、敬称とか美化語に関する「重言」は一筋縄にはいかない。

【疑問2】敬語がダブるとダメなのか。
 もし、敬語がダブるから「各位殿」「各位様」はダメ、だとすると、「お客様」「お父様」も二重敬語になる。「ご尊父様 」は三重敬語になる。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2457.html

【疑問3】「お客様各位」「お取引先様各位」もダメ?
「各位殿」「各位様」がダメなら「各位」にすればいい。「関係者各位」と「関係各位」のどちらが正しいのかは知らない。
 じゃあ「お客様各位」「お取引先様各位」はどうするの?
 辞書も専門家も、「各位様」のことにふれても「○○様各位」にはふれていない。論理的には同じことだと思うが、感覚的には「○○様各位」のほうがずっと異和感がない。
 この「様」をとるのは相当抵抗があるよ。
「お客各位」はおそらく×。
「お客様(へ)」くらいかな。
「お取引先各位」は間違いではないかもしれない。でも当方なら迷わず「様」を入れる。
 敬語の問題に関しては、「無知ゆえのバカ丁寧」のほうが「物知りゆえの無礼風」よりマシな気がするから。



【各位殿 各位様 お客様各位 お取引先様各位】〈2〉

〈1〉の最後の数行は少し乱暴なので、改めます。
================引用開始
 じゃあ「お客様各位」「お取引先様各位」はどうするの?
 辞書も専門家も、「各位様」のことにふれても「○○様各位」にはふれていない。論理的には同じことだと思うが、感覚的には「○○様各位」のほうがずっと異和感がない。
 この「様」をとるのは相当抵抗があるよ。
「お客各位」はおそらく×。
「お客様(へ)」くらいかな。
「お取引先各位」は間違いではないかもしれない。でも当方なら迷わず「様」を入れる。
 敬語の問題に関しては、「無知ゆえのバカ丁寧」のほうが「物知りゆえの無礼風」よりマシな気がするから。
================引用終了 
  ↓
 じゃあ「お客様各位」「お取引先様各位」はどうするの?
 辞書も専門家も、「各位様」のことにふれても「○○様各位」にはふれていない。論理的には同じことだと思うが、感覚的には「○○様各位」のほうがずっと異和感がない。
「様」をとればいいと一概には言えない。
「お客各位」はおそらく×。
「お客様(へ)」くらいかな。
「お取引先各位」なら×ではないかもしれない。
 これも「お取引先様(へ)」くらいだろうな。ほかにも書き方はありそうだ。
 どうしても「お取引先各位」か「お取引先様各位」のどちらかを選べということなら、個人的には「様」を入れる。
 敬語の問題に関しては、「無知ゆえのバカ丁寧」のほうが「物知りゆえの無礼風」よりマシな気がするから。


 下記も一応辞書だよな。
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E5%AE%A2%E6%A7%98%E5%90%84%E4%BD%8D
================引用開始
お客様各位
読み方:おきゃくさまかくい

複数の顧客に対して敬意を表する場合に用いることば。
================引用終了
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