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ますます紛糾する一方──『明日、ママがいない』【12】

『明日、ママがいない』に関して日テレが「変更を検討する」ことになったらしい。ただし、それは抗議した団体側の発表。日テレ側から正式なコメントは出たのだろうか?
 物語の制作に携わる側から、事態を懸念する声があがりはじめている(【ネタ元31】)。この騒動に関していち早く問題提起したのはナイナイの岡村隆だったはずだが、その話はおく。
 これ、話が逆じゃないかな。日テレがいつまでもまともな対応をしないからこういうことになったのでは。規制するほうも問題だけど、規制されるようなことをしたほうには責任はないの?
 ちょっと例が違うかもしれないが……。
 マンガでも小説でも写真集でもいいけど、近年はかなり際どいものが出回っている。それでも大目に見てもらっているのは、ギリギリの線を守ってるからじゃないかな。ここであからさまに公序良俗に反するものが出て、業界内では「あれはヤバい」と噂になる。フツーはそこでやめるんだけど、事態を甘く見たのか一向にあらためない。ついに検挙され、ついでと言ってはなんだが、グレーゾーンのものまで一斉に排除されたとする。
 規制するほうが悪いの? 規制されるほうが悪いの?
 
 そんなことを考えていたら、とんでもない話が出てきた。それが【ネタ元32】。
 書き手の水島宏明氏は、ずうっとこの問題を追っている。【ネタ元32】のサイトで過去の記事が読める。
 よりによって、こういう飛び蹴りが出るとは。
〈「明日ママ」の初回放送をリアルタイムで夫の安倍晋三首相と2人で見たという〉
〈「明日ママ」の問題はいずれ国会でも審議されることになりそうだ〉
 もう手遅れなのかもしれない。
 ここまで来た大きな原因は、日テレの対応のマズさだろう。
〈その隣では夫も一緒にドラマを見ているかもしれない〉
 って、ほとんど恫喝のレベルだと思う。

 これで圧力的なものがかかって事態が急変……というのもどうかと思う。またぞろヒステリックに騒ぐ方々が出てくるような。
 でもさぁ。
 多くの関係者の気持ちを害し(当方のキャラだとなかなか「傷つけ」とは書けない)……。
 ドラマ制作サイドも、大半はある意味犠牲者だろう。
 当然、出演者だって犠牲者だろう。
 視聴者は……どうなんでしょうね。ただ、こんなに話題になっているのに視聴率は伸びないのはなぜなんだろう。

 遅い時間に飛び込んできたのが【ネタ元33】。
【速報】「明日ママ」で日本テレビが慈恵病院を訪問 内容変更の方針を伝達
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140201-00032228/
〈未確認だが、すでに台詞を変えた「一部撮り直し」の撮影が始まっているらしいという情報がテレビ関係者の間で噂として広がっている〉ってホント?
 この記事を読む限りでは、日テレ側は「直さない気満々」に見えるが。

 
【1】~【11】に関しては下記参照。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2950.html




【ネタ元31】TOCANA 2014年2月1日 09時00分 (2014年2月1日 19時29分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20140201/Tocana_201402_post_3580.html?_p=1
================引用開始
「明日、ママがいない」の方向転換に懸念の声! 東野幸治も「世界観は壊さないで」
TOCANA 2014年2月1日 09時00分 (2014年2月1日 19時29分 更新)


『明日、ママがいない』(日本テレビ)が方針転換をする。
 現在、世間を賑わせている『明日、ママがいない』の是非を巡る論争。議論のきっかけとなったのは、第1話放送後、慈恵病院が「フィクションだとしても許される演出の範囲を超えている」と異を唱えたことだ。
「児童養護施設へ入所する前に家庭で虐待を受けたお子さんの、傷ついた心のケアの問題です。虐待を受けた中には、トラウマ(心的外傷)の影響から脱却できないケースがあります。友達が冗談で投げかけた『ポスト』『ロッカー』『ドンキ』などの言葉も、虐待を受けた子どもの心には刃物のように突き刺さり、フラッシュバックの引き金になりかねません」(慈恵病院 文責:産婦人科部長 蓮田健)
 現在、児童養護施設に住む子どもたちだけでなく、このドラマを見ることでフラッシュバックし、リストカットした若者もいるらしい。それは、重く受け止めなければいけない事実であり、日本テレビ側もドラマの内容の改善を約束したと発表された。
 では、今回の件を、ドラマや映画制作関係者はどう見ているのか?
「元々のテーマがナーバスなもので、それに対する意見があれば、真摯に受け止めなければいけない。言い分は充分に理解できます。ただ、内容の変更をするのではなく、時間帯を遅らせるという手もあったかなと思います。22時からのドラマということでチャレンジした部分もあるのでしょうが、今や22時のドラマも、大人のみでなく、子どもを考えて作らなければいけない。このような内容で伝えたいことがあるのならば、映画でR-15にするとか、もっと遅い深夜ドラマにするとかしかないのかな・・・と。いや、深夜でも批判は起きるかもしれないですね。これからは、より配慮したドラマを作らなければいけなくなるという認識を持っています」
 この問題を『ワイドナショー』(フジテレビ)にて振られた映画監督の木村大作は、
「そういう日本なんだよ。なんだか知らない規制をかけるんだけど、大きな規制に繋がっていくから俺は嫌だね。自由にやったらいいんだよ。それがダメなら観なきゃいいじゃないか。むかしの(1994年に放送された『家なき子』)、『(同情するなら)金をくれ!』は、流行り言葉になったのに」
 と、『家なき子』(日本テレビ)は今の時代では許されないだろうと嘆く。
「(クレームに対し)ポストっていうあだ名が徐々に変わったり、(放送を続けるのならば)世界観は壊さないで継続してほしいですね」と東野幸治は懸念していたが、それは杞憂では終わらず、おそらく『明日、ママがいない』は世界観が変わったドラマになるのだろう。
日本は民主主義国家のため、表現の自由が認められている。その一方で、視聴者の反論が噴出したり、視聴率が悪化すると、TV番組は方向転換をせざるを得ない。本来は、是々非々の議論でスタンダードを決めていくべきなのだが、なかなかスタンダードがみつからず、作る側が萎縮している。もちろん、児童養護施設側の訴えは正当であると思う。だが、ドラマで描かれていること以上に悲惨な虐待やイジメもたくさんあるのではないだろうか。
 では、このようなドラマを制作する時には、どのような配慮が必要なのか? 時間帯なのか? そもそも、過激な内容をTVという公共の電波で流すことはNGなのか? 今回の件をきっかけに、識者を中心に論じるべきだ。この件に関して、松本人志はこう述べている。「いたずら半分、面白半分でクレームしてくるものまで対応しちゃうと、どんどん面白くなくなっていく。(児童施設の)この方々はマジで止めてほしいと思っている。そうじゃなくて、乗っかって面白半分の人たちがいるじゃないですか? ここが"悪"だなと思う。これで番組が終わったら、クレームしたら番組って終わるんだってなる。作り手はやりづらくなる」
(TV Journal編集部)
================引用終了

【ネタ元32】
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140201-00032194/
================引用開始
【特報】ドラマ「明日ママ」初回を夫と一緒に視聴したアッキーこと昭恵夫人が「とても心を痛めています」 

水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
2014年2月1日 9時28分

(略)


水島宏明
法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー 『母さんが死んだ』や准看護婦制度の問題点を問う『天使の矛盾』を制作。ロン ドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレク ターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。『ネットカフェ難民』の名づけ 親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科 学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。
================引用終了
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