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行きませんでした 行かないといけない ご乗車できません 芝生に入れません 自転車は置けません

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年03月19日から

 テーマサイトは下記。全文は末尾に。
【「ご乗車できません」は方言? 東京語と標準語が離れていく 】
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO42351920Y2A600C1000000/

 日経の言葉に関する記事は信頼していたのだが、これはちょっといただけない。
 順番に見ていこう。

■行きませんでした
〈標準語では「行きませんでした」になります〉……一般には「標準語」ではなく「共通語」だと思う。ただ、この場合は筆者があえて使っていると思う(意図は不明)ので、以下は標準語と呼ぶ。
「行かなかったです」は方言なんだ。国語学者の説だから尊重しようか。でも「行かんかった」「行かなんだ」に「です」をつけたら「行かんかったです」「行かなんだです」じゃないだろうか。
 原文はここでいったん別の話題になり、あとで「行きませんでした」の話に戻る。なんでそんな構成になっているのかは不明。

■行かないといけない
 これも方言なのか。
 納得できる部分から。
 当方の元々の語感だと、禁止は「~してはいけない」で、義務は「~しなければならない」。仕事で原稿を書きはじめて、類似表現を使う人がいることを知った。たしかその人は東京都(世田谷区)出身だった。

・禁止
「~してはいけない」(当方の元々の語感)
「~してはならない」

・義務
「~しないといけない」(ホントに方言なんだろうか)
「~しないとならない」(これはあまり見ない気がする。理由は不明)
「~しなければいけない」
「~しなければならない」(当方の元々の語感)

 はじめはかなり気持ちが悪かった。
 とくに「~しないといけない」は「ない」が重複してイヤ。辞書を調べたけど、とくに問題はなさそうなのでスルーした。「首都圏の方言」なのか。
 納得できない部分。
 標準語としてヘンとする根拠があるのだろうか。

■ご乗車できません
「東京周辺では近年使われるようになった新しい言い回し」なの?
「近年」の定義が不明だが、かなり古くから使われている気がする。駅のアナウンスではおなじみ〝だった〟気がする。むしろ「誤用」ということで、近年聞かなくなったのでは。
 この話に関しては、下記がわかりやすい。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始
 そもそもこの本を書棚から引っ張り出したのは、「ご利用できます」がなぜ誤用なのかを確認するため。P.146にわかりやすく書いてある。
「ご利用できます」とか「ご乗車できます」はよく目にする誤用らしい。そもそも可能形でない形の「ご利用する/ご利用します」がかなり異様。「ご~する」は謙譲語Iの基本形とも言える形だが、「ご利用する」ってフツーの文脈では使わないだろう。
 話し手側を主語にする謙譲の形で「ご用意できます」「ご案内できます」ならもちろんアリ。しかし、聞き手側を主語にする「ご利用できます」「ご乗車できます」は×。
 ほかにも気になった点を追加でメモしておく。
================引用終了 

 これが「ご乗車いただけません」だとグレーゾーンで、詳しくは下記のようになる。ああメンドーくさい。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2721.html

「ご乗車できません」は「方言」と言うより「誤用」だろう。「ご乗車になれません」なら、とくに問題はない。
 これを標準語にしたのが「乗らないでください」というのは相当乱暴なのでは。まあ、禁止(の命令)を丁寧にするのはむずかしいので、無理矢理変換したのかもしれない。
 素直?に考えるなら、「ご乗車はお控えください」かな。「ご乗車はご遠慮ください」になると、別の話が引っかかる。

■芝生に入れません/自転車は置けません
「ご乗車できません」が×で、「乗らないでください」が標準語ということなら、「芝生に入れません」「自転車は置けません」も×になるのかもしれない。
 しかし実際には「ご乗車できません」は「方言」だから×ではなく、別の理由で「誤用」。そうなると、「芝生に入れません」「自転車は置けません」を×にする理由はない。
 たしかに、「芝生に入れません」よりは「芝生に入らないでください」のほうがわかりやすいかもしれない。しかし「規則により、芝生に入れません」なら問題ないだろう。「(芝生への)立ち入り禁止」って言い方もある。
「自転車は置けません」「自転車を置かないでください」はどちらにも異和感がある。「放置」と考えるなら「置けない」かもしれないが、「駐輪」と考えるなら「とめる」じゃないないかな。何より「駐輪禁止」という便利な言い方がある。
 これだと「禁止」があまり強く感じられないのは、事務的な印象がいいほうに働いているのだろうか。

■行きませんでした2
 さて話がここに戻る。
 この「ませんでした」は課題のひとつで、どこから手をつけるべきか悩んでいる。
 ほかに言いようがないからしかたがないとは思う。
 ただ、これを「敬語連結」と考えるのには疑問が残る。
161【「~ていません」「~ませんでした」】☆日本語教師☆ テイル 「~ている」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1453802950&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1175.html
198【「~ますでしょうか」 「~ませんでしょうか」】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1483085125&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1214.html


http://www.nikkei.com/article/DGXBZO42351920Y2A600C1000000/
================引用開始
「ご乗車できません」は方言? 東京語と標準語が離れていく
(1/2ページ)2012/6/12 7:00
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 「行かなかったです」「行かないといけない」といった言い回しを普段していませんか? 東京近郊出身の筆者はこれらを標準語だと思って使っていたのですが、実は標準語ではないようです。ではどんな言い方が標準語で、なぜこうした言い方ができたのでしょうか。

■東京近郊で顕著

 「行かない」の過去形である「行かなかった」の丁寧な言い方は、標準語では「行きませんでした」になります。「行かなかった」の方言を調べると、西日本や新潟あたりでは「行かんかった」、近畿から北陸・東海地方では「行かなんだ」と言い、「それらの地域出身の人たちが『行かなかった』を丁寧に言おうとしたときに『です』をつけて、『行かなかったです』となった」と国語学者の田中章夫さん(元学習院大教授)は指摘します。こうした傾向は都心よりも埼玉や千葉、神奈川などの住宅街で顕著だそうです。


標準語形に直すと…
行かなかったです → 行きませんでした
行かないといけない → 行かなければならない
ご乗車できません → ご乗車にならないでください
芝生に入れません → 芝生に入らないでください


 田中さんの近著「日本語雑記帳」(岩波新書)によれば「行かないといけない」という言い方も首都圏近辺でこのごろよく聞かれる形だといいます。「行かないといけない」は、標準語では「行かなければならない」ですが、これは「行かんといかん」「行かんとあかん」などと言う西日本出身の人が標準語を言おうとして「行かん」を「行かない」、「いかん」「あかん」を「いけない」に“翻訳”した形だと考えられます。

 駅のホームや電車内で「ご乗車できません」というアナウンスを聞いたことがあるかもしれません。これも東京周辺では近年使われるようになった新しい言い回しです。標準語としては「乗らないでください」といった「~しないでください」の形が一般的でした。それが「~できません」という「可能の打ち消し」の形で「禁止」を表す言い回しに変わったわけです。「可能の打ち消し」で「禁止」の意味を表すのは西日本でよく見られるそうです。

 また、公園などで見られる「芝生に入れません」「自転車は置けません」といった立て札。これも東京周辺で増えた西日本風の言い回しで、標準語にすれば「入らないでください」「置かないでください」などの形になります。

■戦後、地域語と交じり変化

 上記の「行かなかったです」や「行かないといけない」などが、東京やその周辺で聞かれたり見られたりするようになったのは戦後になってからだといいます。全国各地から人が集まり、東京近辺の人口が急増した結果、「それまで使っていた各地のことばを標準語に近づけたために生まれたもの」と田中さんは見ています。

 そもそも、標準語とはなんでしょうか。「日本語学研究事典」(明治書院)によると、各地の方言を統一するために、全国どこでも通用する国家の言語として国が制定した言語です。日本では明治時代に学校の教科書をつくるため、東京で使われている語(東京語)が基になりました。学校教育や軍隊を通じて全国に広がっていきますが、昭和の初めごろまではまだまだ標準語を話す人は少なく、日本国内でも話が通じないということがありました。

 標準語の「行きませんでした」は、幕末ごろの江戸ではすでに使われていたようです。一方で、幕末から明治時代にかけては「行きませなんだ」「行きましなんだ」なども江戸・東京では使われていましたが、教科書などには採用されず、明治以降はあまり使われなくなります。明治時代には「行かないでした」という言い方も東京で一時、行われていました。

■日本語教育の現場でも

 「行かなかったです」は現在では首都圏だけでなく、日本語を話す外国人にも使われている可能性があります。「行かなかった」に「です」をつけるだけなので、初心者には容易で説明もしやすく、日本語教育の現場では積極的に取り入れている所もあります。英オックスフォード大で出版された日本語入門書の中にも「行きませんでした」と併記されています。

 東京語を基につくられた現在の標準語ですが、「行かなかったです」などは地域語を話す人が無意識のうちに言いやすいことばに変化させた結果の表れといえるでしょう。こうした一連の動きを田中さんは「標準語の東京語離れ」と呼んでいます。

 戦後、東京以外の地域からやってきた人が増えた影響で、昔ながらの東京語を話す人は少数派になりつつあります。ことばは使う人が増えるほど、使いやすい形に変化しがちです。「寝られる・来られる」に対して「寝れる・来れる」が広がってきたのも、その例です。「標準語」が変わる動きは今後も広がっていくことでしょう。

(岩崎雅子)
================引用終了
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