【引用のご作法20 持って参る】
下記の仲間。
【引用のご作法──資料集】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1905810642&owner_id=5019671
キリがないのでやめようと思っていたら、かなり興味深い問題を含むもんで。
このホニャララを無視して書くわけにはいかない気がし、基礎資料としてあげておく。
今回にホニャララは辞書が相手。
http://kotobank.jp/word/%E5%8F%82%E3%82%8B?dic=daijisen&oid=17211400
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
まい・る〔まゐる〕【参る】
[動ラ五(四)]《上一段活用動詞「まいる」に「い(入)る」の付いた「まいいる」の音変化で、貴人のもとに参入する意が原義》
1 「行く」の謙譲語で、行く先方を敬う。
ア 神仏に詣でる。参詣する。「墓に―・る」
イ 貴人のもとや貴所に参上する。宮中に出仕する。入内する。⇔罷出(まかず)。「暁に御迎へに―・るべきよし申してなむまかで侍りぬる」〈源・夕顔〉
2 主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する丁寧語。
ア 「行く・来る」の先方が聞き手のところの場合には、その先方を敬いながら、「行く・来る」を丁重にいう。「明日、お宅へ―・ります」「御当地に―・って、はじめて知りました」
イ 単に「行く・来る」を丁重にいう場合。このときにも謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生もまいられますか」のような言い方は適切でないとされる。「私の家に弟が―・るはずです」「列車が―・ります」「雨が降って―・りました」
================引用終了
ホニャララ回答は下記。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12125124707
================引用開始
(略)
「参る」は、主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する語です。
○「行く・来る」の先方が聞き手のところの場合には、その先方を敬いながら、「行く・来る」を丁重にいう。
......例:「明日、お宅へ参ります」「御当地に参って、はじめて知りました」
○単に「行く・来る」を丁重にいう場合。このときにも謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。..現在、「先生もまいられますか」のような言い方は適切でないとされる。
......例:「私の家に弟が参りはずです」「列車が参ります」「雨が降って参りました」
(略)
================引用終了
『大辞泉』の「2」の記述をほぼ丸写ししている。注目すべきは末尾。辞書の「丁重に表現する丁寧語」が「丁重に表現する語です」になっていること。
注目すべきは、ここだけデス・マス体になっている……ことではない。
辞書にあった「丁寧語」が削除されているところ。これは前に書いたが、「丁寧語」にしている辞書が悪いと思う。
Web『大辞泉』は辞書のなかではいち早く敬語の「5分類」を意識しているという指摘を読んだことがある。しかし、記述自体は「3分類」に従っている。
http://kotobank.jp/word/%E8%AC%99%E8%AD%B2%E8%AA%9E?dic=daijisen&oid=05772400
================引用開始
◆「敬語の指針」(平成19年2月文化審議会答申)では、謙譲語を謙譲語Iと謙譲語IIに分ける。なお、謙譲語に属する各語について、本辞典ではIとIIに分けず、従来通りの3分類法によっている。
================引用終了
このホニャララ回答は『大辞泉』のあとに「5分類」の「敬語の指針」から抜粋している。つまり、なんの注釈もなく「3分類」と「5分類」を併記している。「5分類」に従うなら「丁重に表現する丁寧語」はありえない。そこで、「丁重に表現する語です」にしてボカしたのだろう。
たんなるパクリよりタチが悪い。
まあ元々出典を明かさずにホニャララしているんだからなんでもアリか(笑)。
「3分類」なら「丁重に表現する丁寧語」なのか、という点には疑問を感じる。
『大辞泉』は
「1 「行く」の謙譲語で、行く先方を敬う。」
「2 主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する丁寧語。」
と謙譲語であり、丁寧語でもあるとしている。
この点は『大辞林』もほぼ同様……ってことにしておく。細かな違い(「大きな違い」かも)を書くとたいへんなことになるのでまた今度。
1051)【参る 参ります 参りましょうか 参りましょう】辞書☆☆
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2877.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1913614078&owner_id=5019671
「参る」は5分類なら「謙譲語II」で「3分類」なら「謙譲語」(のはず)。
なぜ「丁重に表現する丁寧語」にしているのかは、編纂者に訊かないとわからない。
引用?する人間は困るよ。そのまま引用したら妙なことになる。真っ向からインネンをつける性格の悪さがないなら、「引用者注」でもつけるしかない。いずれにしても勝手に一部分を改竄するのはありえない。
結論としては、敬語の微妙な話はWeb辞書(なんか)を頼っていてはどうにもならない……ってこと?
ホントはさぁ。
「5分類」で考えるなら「敬語の指針」参照。
「3分類」で考えるなら『大辞泉』参照……で済ませたいんだけど(泣)。
【引用のご作法──資料集】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1905810642&owner_id=5019671
キリがないのでやめようと思っていたら、かなり興味深い問題を含むもんで。
このホニャララを無視して書くわけにはいかない気がし、基礎資料としてあげておく。
今回にホニャララは辞書が相手。
http://kotobank.jp/word/%E5%8F%82%E3%82%8B?dic=daijisen&oid=17211400
■Web辞書『大辞泉』から
================引用開始
まい・る〔まゐる〕【参る】
[動ラ五(四)]《上一段活用動詞「まいる」に「い(入)る」の付いた「まいいる」の音変化で、貴人のもとに参入する意が原義》
1 「行く」の謙譲語で、行く先方を敬う。
ア 神仏に詣でる。参詣する。「墓に―・る」
イ 貴人のもとや貴所に参上する。宮中に出仕する。入内する。⇔罷出(まかず)。「暁に御迎へに―・るべきよし申してなむまかで侍りぬる」〈源・夕顔〉
2 主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する丁寧語。
ア 「行く・来る」の先方が聞き手のところの場合には、その先方を敬いながら、「行く・来る」を丁重にいう。「明日、お宅へ―・ります」「御当地に―・って、はじめて知りました」
イ 単に「行く・来る」を丁重にいう場合。このときにも謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生もまいられますか」のような言い方は適切でないとされる。「私の家に弟が―・るはずです」「列車が―・ります」「雨が降って―・りました」
================引用終了
ホニャララ回答は下記。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12125124707
================引用開始
(略)
「参る」は、主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する語です。
○「行く・来る」の先方が聞き手のところの場合には、その先方を敬いながら、「行く・来る」を丁重にいう。
......例:「明日、お宅へ参ります」「御当地に参って、はじめて知りました」
○単に「行く・来る」を丁重にいう場合。このときにも謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。..現在、「先生もまいられますか」のような言い方は適切でないとされる。
......例:「私の家に弟が参りはずです」「列車が参ります」「雨が降って参りました」
(略)
================引用終了
『大辞泉』の「2」の記述をほぼ丸写ししている。注目すべきは末尾。辞書の「丁重に表現する丁寧語」が「丁重に表現する語です」になっていること。
注目すべきは、ここだけデス・マス体になっている……ことではない。
辞書にあった「丁寧語」が削除されているところ。これは前に書いたが、「丁寧語」にしている辞書が悪いと思う。
Web『大辞泉』は辞書のなかではいち早く敬語の「5分類」を意識しているという指摘を読んだことがある。しかし、記述自体は「3分類」に従っている。
http://kotobank.jp/word/%E8%AC%99%E8%AD%B2%E8%AA%9E?dic=daijisen&oid=05772400
================引用開始
◆「敬語の指針」(平成19年2月文化審議会答申)では、謙譲語を謙譲語Iと謙譲語IIに分ける。なお、謙譲語に属する各語について、本辞典ではIとIIに分けず、従来通りの3分類法によっている。
================引用終了
このホニャララ回答は『大辞泉』のあとに「5分類」の「敬語の指針」から抜粋している。つまり、なんの注釈もなく「3分類」と「5分類」を併記している。「5分類」に従うなら「丁重に表現する丁寧語」はありえない。そこで、「丁重に表現する語です」にしてボカしたのだろう。
たんなるパクリよりタチが悪い。
まあ元々出典を明かさずにホニャララしているんだからなんでもアリか(笑)。
「3分類」なら「丁重に表現する丁寧語」なのか、という点には疑問を感じる。
『大辞泉』は
「1 「行く」の謙譲語で、行く先方を敬う。」
「2 主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する丁寧語。」
と謙譲語であり、丁寧語でもあるとしている。
この点は『大辞林』もほぼ同様……ってことにしておく。細かな違い(「大きな違い」かも)を書くとたいへんなことになるのでまた今度。
1051)【参る 参ります 参りましょうか 参りましょう】辞書☆☆
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2877.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1913614078&owner_id=5019671
「参る」は5分類なら「謙譲語II」で「3分類」なら「謙譲語」(のはず)。
なぜ「丁重に表現する丁寧語」にしているのかは、編纂者に訊かないとわからない。
引用?する人間は困るよ。そのまま引用したら妙なことになる。真っ向からインネンをつける性格の悪さがないなら、「引用者注」でもつけるしかない。いずれにしても勝手に一部分を改竄するのはありえない。
結論としては、敬語の微妙な話はWeb辞書(なんか)を頼っていてはどうにもならない……ってこと?
ホントはさぁ。
「5分類」で考えるなら「敬語の指針」参照。
「3分類」で考えるなら『大辞泉』参照……で済ませたいんだけど(泣)。
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