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【「だから」「なので」の違い〈5〉 「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】資料編

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2014年06月26日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928598083&owner_id=5019671

 過去の日記。
【「だから」「なので」の違い【1】~【4】  「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

 今年になって、「から」「ので」に関する質問を何度か目にした。

資料1【風邪をひきましたから】2014/06/11
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8632992.html

資料2【「ので」と「ため」の違いについて】2014/06/06
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8625598.html
※疲れた

 少し前にはYahoo!知恵袋で下記の質問があった。
資料3【理由を言うときに、「から」、「ので」はもちろん、最近の勉強で「のだ文」も理由を表すこと分かりました。】2014/4/3
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13127033698
※itoshii_itoshii_yanさんとhakobuluさんは同一人物。

 
 関連するいくつかの論文に目を通してみた。もう少しやさしく書いてもらえないかな。

資料4【「から」「ので」「て」 : 日本語の原因・理由を表す表現について】
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45574/1/BISC003_002.pdf
〈従来主張されてきた「主観的判断」「客観的判断」という規準を捨て、別の規準でこれらの表現を扱うべきことを主張〉(P.1)したいことはわかったが、「別の規準」がなんなのかよくわからない(泣)。
 ただ、〈日本語教育においては客観的か主観 的かという説明を加えず、「から」は直接的に理由を表すので、丁寧さを 出したい場合には「ので」を使えという指導で十分ではなかろうか〉という考え方はアリだと思う。
〈主観性が強い推量表現「ダロウ」「デショウ」「マイ」などは、「から」文の前件の文には生起できるが、「ので」文や「ため」文では、不可能であるとする〉はメモしておく。

資料5【待遇表現から見る原因・理由を表す「カラ」「ノデ」】
http://www.lc.osakafu-u.ac.jp/Lng_Clt/2009LC/09_zhou.pdf
 比較的読みやすい論文だが、決してわかりやすいとは思えない。

================引用開始
1.はじめに
 原因・理由を表す「カラ」「ノデ」については,多くの研究がなされ ているが,これまでの「カラ」「ノデ」の使い分けに関する研究では, 「ノデ」は客観的,「カラ」は主観的に原因・理由を表すと指摘されて いる。しかし,例(1)1(2)のように,主観・客観説で説明できないケ ースも少なくない。

(1) (日本語母語話者が親しい先生の誘いを断る場面)
明日テストがあるのでいけません。すみません。
(2) (日本語母語話者が親しくない後輩の誘いを断る場面)
ごめん,ちょっと用があるから行けない。

 そもそも主観・客観の区分について,何を基準にすればいいか,こ れによって,いかに説明すれば日本語学習者によく理解してもらえる のか,などは極めて難しい問題であると思われる。従って,「カラ」「ノ デ」の使い分けについて,違う観点から検討する必要があるのではな いかと思われる。
================引用終了

================引用開始
6.おわりに
 以上の調査と分析の結果を見ると,目標言語の環境にない学習者の 「カラ」「ノデ」について,待遇表現という視点からの習得は厳しい状 況にあると言える。従って,日本語教育においては,「カラ」「ノデ」 の使用について,丁寧さあるいは待遇表現からの説明が必要であると 思われる。
「カラ」と「ノデ」の丁寧さについて,蓮沼他(2001)によると,後 文が丁寧体の場合,前文には普通体と丁寧体のどちらも使うことがで きる。そして,丁寧度を示すために,次の例を出している。
(11) かけこみ乗車は a. 危険だから やめましょう。 (低)
          b.危険なので       (中)
          c.危険ですから      (中)
          d.危険ですので      (高)
 また,永野(1952)は,「あとに来る文が依頼や意向の場合に限らず,一般に丁寧体の時には,「カラ」よりも「ノデ」の方が多く使われるよ うになってくるのである。」と述べている。
 日本語教育においては,「目上」に対して,あるいは場面において丁 寧さを表したい時「ノデ」を使い,それ以外の時「カラ」を使うよう, 学習者に説明し,練習させれば無難であろう。
================引用終了

資料6【接続助詞「から」と「ので」の違い -「丁寧さ」による 分析-】
https://soar-ir.shinshu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10091/1843/1/InternationalStudent02-02.pdf
================引用開始
要旨
 原因・理由の接続助詞「から」と「ので」の意味と用法の違いは、これまで永野(1952)以 来「から」は原因・理由を主観的に説明するものであり、「ので」は因果関係を客観的に描写 するものであると分類されてきたが、未だ統一的な見解に至っていない。本論では、これらの 意味と用法の違いはBrown and Levinson (1978,1987)が論じる「丁寧さ」のストラテジーによって生じるのではないかという仮説を立て、シナリオや漫画などにおける日常的な会話で は「から」と「ので」がどのように使い分けられているかを検証する。その分析をもとに、こ れらの違いは話し手が聞き手や話している場面や発話内容に応じて、無意識に表現の使い分け をしていると結論付ける。
================引用終了
 結論部もほぼ同じ(当然か)。
「丁寧さ」によって使い分けているか否かは不明。「から」と「ので」を使う例文を見ると、「どちらかと言うとそういう傾向がある」程度のこととしか思えない。


資料7【「から」と「ので」の使い分け】
http://www2.dokkyo.ac.jp/~esemi008/kenkyu/miki.html
================引用開始
5.おわりに
 この研究はすでに多くの研究者によってなされていたが、それでもまだ多くの見解があり、統一された答えは出されていない。それだけ、この二つの助詞に関する表現は多く、端的に用例、意味などを説明するのは難しい。しかし、今回のレポートを通してこれらの二つの助詞の基本的な使い分けの仕組みが理解できた。はじめにあげた「この先、道路の幅が狭くなっていますので、徐行してください。」という表現がなぜ「から」に置き換えられないかというのも、これが看板を使った公共の表現であり、それゆえ丁寧な表現を必要としているからであるということがわかった。
================引用終了
 なぜこういう結論に至ったのかは当方には理解できない。
 論理展開は理解できないが、結論に関しては同感。
 ただし、この先、道路の幅が狭くなっていますから、徐行してください。」に置きかえられないことはないと思う。


 Web辞書の記述だと、ちょっと事情がかわる。
http://kotobank.jp/word/%E3%81%AE%E3%81%A7?dic=daijisen&oid=14449700
================引用開始
デジタル大辞泉の解説
ので 【ので】
[接助]《準体助詞「の」+格助詞「で」から》活用語の連体形に付く。あとの叙述の原因・理由・根拠・動機などを表す。「辛い物を食べた―、のどが渇いた」「朝が早かった―、ついうとうとする」「盆地な―、夏は暑い」
◆近世中ごろから用いられ、明治に入って一般化した。また、前件が理由となって後件のような結果の生じることが、だれの目から見ても当然と思われるような場合に用いられるとされる。「から」に比べるとあらたまった感じを伴うが、くだけた表現の場合、「あまり暑いんで閉口した」のように「んで」となることもある。
================引用終了

================引用開始
大辞林 第三版の解説
ので
( 接助 )
〔準体助詞「の」に格助詞「で」が付いてできたもの。一説に,「で」は断定の助動詞「だ」の連用形の「で」からとも。近世末期以降の語。話し言葉でのくだけた言い方では「んで」の形でも用いられる〕
活用語の連体形に接続して,既定の順接条件を表す。すなわち,因果関係で結ばれる二つの事柄が,一般的に言って明らかな事実であるような場合に,その原因・理由・根拠などを表すのに用いる。「家族が多い―,出費もたいへんだ」「遅くなりました―,失礼いたします」。また,「…というので」「あまり…ので」の形で慣用的に用いられることもあり(「君が来いという―,ついて来たのだ」「あまりおかしい―,笑ってしまった」),倒置して「ので」で文を結ぶこともある(「まいったな。どうしてもと言いはる―」)。 〔理由・原因を表す接続助詞「から」との相違について。「ので」は因果関係が客観的事実に基づいているような場合に用いられるのに対し,「から」は,推量・禁止・命令・質問など,話し手の主観に基づくような場合に用いられる。一般に,「ので」は,「から」に比べて,条件としての独立性が弱い場合に用いられる〕
================引用終了

『大辞泉』は「ので」を〈だれの目から見ても当然と思われるような場合に用いられるとされる。「から」に比べるとあらたまった感じを伴う〉としている。
『大辞林』は「ので=客観」「から=主観」としている。

〈1〉でひいた『類語辞典』には、以下のようにある。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17210/m0u/%E3%81%AE%E3%81%A7/
〈「ので」は、前件と後件との間に客観的な因果関係が認められる場合に用いられやすい〉


 総集編は下記。
「だから」「なので」の違い【1】〜【6】
── 「〜から」「〜ので」「〜で」「で」「から」「ので」

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html
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