2014年07月の朝日新聞から
【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html
●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html
【2014年7月】
14-07-01
6日
「お酒は少し飲みたいです」(朝刊25面)
山口裕起記者。20歳になった日本ハムの大谷選手のコメント。「~たい」は形容詞と同じ活用をするから、これは「うれしいです」の同類。新聞でこの形を目にするのはかなり珍しいかも。
14-07-02
15日
「ヨチヨチルーム」「保育園」から「大学院」まで様々なコーナーに分かれ、作品の難易度は、初心者向けから棋士でも容易に解けないものまで様々だ。(夕刊6面)
村瀬信也記者。よく目にする記者名だが、こういう文章を書かれると情けなくなる。引っかかったのは「難易度」。もうどうでもいいと思う半面、将棋の世界なら難度だろう、と思ってしまう。こんなオネオネした一文で、「様々」を2回使うようじゃ……。前者を「いくつかの」とかにすれば何も問題はない。「棋士」は「プロ棋士」にしたい、というのはわがまま?
14-04-05
10日
▲3六歩が利かない唯一のタイミングで△1四角を打った屋敷の才覚に運命の女神はほほ笑みかけた。しかし次の瞬間、女神はソッポを向いてしまった。
単に打った△4七香が敗着。女神に後ろ髪はなく、あとは行方が押し切った。(朝刊16面)
後藤元気記者。新聞で目にする情緒的な文章や技巧的な文章は、だいたいすべり気味。これは素直に読めたのだが……。まずおもしろいと思ったのは、「ほほ笑みかけた」って表現。「ほほ笑みを投げかけた」ともとれるし、「ほほ笑むことをしかけた」ともとれる。文脈で判断するのはむずかしい。おそらく、後者だろう。それなら「ほほ笑みかけかけた」が正解? そんな……。
あとはインネン気味だけど、「女神」の種類に関して、「才覚」にほほ笑むんなら、「勝利の女神」だろう。「運命の女神」の得意技は「いたずら」。
後ろ髪がないのは「チャンスの女神」「幸運の女神」じゃないだろうか。女神全員がショートヘアとは思えない(笑)。
14-04-06
13日
これで2試合15回無失点。四球もそれぞれ一つずつ。(朝刊29面)
時事。こういうコテコテの重言はやはり気になる。「四球もそれぞれ一つ」「四球も2試合とも一つ(だけ)」「2試合とも1四球」……いくらでも書き方はある。
14-06-09
24日
長く愛されている番組だが、トークの応酬の中から濃いエピソードを引き出すさんまの話術やテンポの良さは変わらず、まるで職人芸だ。(朝刊40面)
安斎耕一記者。「順接のガ、」をウカツに使うとこういう長い一文になりがち、って話はおく。このテの話芸では日本有数の明石家さんまをつかまえてこういう書き方をしますか。まず気になったのは、「テンポの良さ」は「話術」に入らないのか、ということ。それとも番組全体の「テンポの良さ」をほめているのか? さんまをほめるなら、「~を抜群のテンポで引き出すさんまの話術」だろう。それより問題なのは、「まるで職人芸」の部分。それを言うなら「まさに職人芸」だろう。もっとほめるなら「名人芸の域に達している」とか。トップクラスの技術に対して「まるで職人芸」はないだろう。一般の芸人の「話芸」はとても「職人芸」などとは呼べない、という趣旨なのだろうか。
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「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
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【2014年7月】
14-07-01
6日
「お酒は少し飲みたいです」(朝刊25面)
山口裕起記者。20歳になった日本ハムの大谷選手のコメント。「~たい」は形容詞と同じ活用をするから、これは「うれしいです」の同類。新聞でこの形を目にするのはかなり珍しいかも。
14-07-02
15日
「ヨチヨチルーム」「保育園」から「大学院」まで様々なコーナーに分かれ、作品の難易度は、初心者向けから棋士でも容易に解けないものまで様々だ。(夕刊6面)
村瀬信也記者。よく目にする記者名だが、こういう文章を書かれると情けなくなる。引っかかったのは「難易度」。もうどうでもいいと思う半面、将棋の世界なら難度だろう、と思ってしまう。こんなオネオネした一文で、「様々」を2回使うようじゃ……。前者を「いくつかの」とかにすれば何も問題はない。「棋士」は「プロ棋士」にしたい、というのはわがまま?
14-04-05
10日
▲3六歩が利かない唯一のタイミングで△1四角を打った屋敷の才覚に運命の女神はほほ笑みかけた。しかし次の瞬間、女神はソッポを向いてしまった。
単に打った△4七香が敗着。女神に後ろ髪はなく、あとは行方が押し切った。(朝刊16面)
後藤元気記者。新聞で目にする情緒的な文章や技巧的な文章は、だいたいすべり気味。これは素直に読めたのだが……。まずおもしろいと思ったのは、「ほほ笑みかけた」って表現。「ほほ笑みを投げかけた」ともとれるし、「ほほ笑むことをしかけた」ともとれる。文脈で判断するのはむずかしい。おそらく、後者だろう。それなら「ほほ笑みかけかけた」が正解? そんな……。
あとはインネン気味だけど、「女神」の種類に関して、「才覚」にほほ笑むんなら、「勝利の女神」だろう。「運命の女神」の得意技は「いたずら」。
後ろ髪がないのは「チャンスの女神」「幸運の女神」じゃないだろうか。女神全員がショートヘアとは思えない(笑)。
14-04-06
13日
これで2試合15回無失点。四球もそれぞれ一つずつ。(朝刊29面)
時事。こういうコテコテの重言はやはり気になる。「四球もそれぞれ一つ」「四球も2試合とも一つ(だけ)」「2試合とも1四球」……いくらでも書き方はある。
14-06-09
24日
長く愛されている番組だが、トークの応酬の中から濃いエピソードを引き出すさんまの話術やテンポの良さは変わらず、まるで職人芸だ。(朝刊40面)
安斎耕一記者。「順接のガ、」をウカツに使うとこういう長い一文になりがち、って話はおく。このテの話芸では日本有数の明石家さんまをつかまえてこういう書き方をしますか。まず気になったのは、「テンポの良さ」は「話術」に入らないのか、ということ。それとも番組全体の「テンポの良さ」をほめているのか? さんまをほめるなら、「~を抜群のテンポで引き出すさんまの話術」だろう。それより問題なのは、「まるで職人芸」の部分。それを言うなら「まさに職人芸」だろう。もっとほめるなら「名人芸の域に達している」とか。トップクラスの技術に対して「まるで職人芸」はないだろう。一般の芸人の「話芸」はとても「職人芸」などとは呼べない、という趣旨なのだろうか。
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