「話し言葉」と「書き言葉」──「NHK式7つのルール」をマネれば、 あなたの話し方が一変する!
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
mixi日記2014年08月08日から
こんなことを書いている場合ではないんだけど、気分転換に。
著者は〈「正統派スピーチ」指導の第一人者〉だけあって、基本的には適確なことを書いている。
ただ、細かい点が気になる。
とってもイヤなのは、こういうまともな文章でも、疑問点をあげているうちに細かいところが気になりはじめること。細かいところをネチネチ書いていくと、結果的にはヒドい書き方になってしまうことが……。
大前提として、この著者は「話し言葉」と「書き言葉」を混同している気がする。ここで話題にしているのは「話し言葉」だよね。
「話し言葉」とは言ってもニュースあたりだと原稿があるから「書き言葉」……という考え方はできなくはない。それでも「話し言葉」と「書き言葉」では大きく違う点がある。内容は似ているから、「ニュース」が「話し言葉」で、「新聞記事」が「書き言葉」ということなのかもしれない。
たとえば〈第2のルール――「13文字以内」でタイトルをつける〉。いったいどんな「話し言葉」を想定しているのだろう。一般に、「話し言葉」にタイトルはない。講演とかならタイトルは必要だろうが。さらに書くと、「13文字以内」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。
これはニュースのテロップとか、タイトル一覧のための字数制限だろう。それを(一般的な)「ルール」にされては困る。
ほかの「NHK式7つのルール」を順番に見ていこう。
●第1のルール――話す目的をハッキリさせる
そりゃそうでしょ。これは「話書」(「話し言葉」と「書き言葉」)共通。ただ、これは「ルール」以前の「常識」ではないだろうか。遅刻厳禁だとか服装規定だとかも「ルール」にします?
●第3のルール――結論は「最初の15秒」で言う
「15秒」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。「結論先行」という話なら「書き言葉」の心得にもある。いずれにしても、「内容しだい」。ビジネス文書なら、結論先行のほうが好まれることが多い。新聞記事もそうだから、ニュースもそうかもしれない。じゃあ怪談ならどうなるの? 漫談ならどうなるの?
●第4のルール――「一文50文字以内」にする
これは「話書」共通かもしれない。「50字」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。文章読本の記述だと、60字以内くらいを目安にしていことが多い。でもね。60字以内は相当厳しくて、そういうふうに主張しているセンセーの一文はもっと長い。それじゃギャグだって。この記事を見ても、60文字を超えている一文がチラホラ。やむをえない場合もあるけど、単に注意力不足ってこともある。詳細は末尾で。
さらに書くと、「話し言葉」の場合は一文の文字数制限は相当緩くてよいのでは。専門?外なのでパス。
●第5のルール――「4つの抑揚」で強調する
●第6のルール――「1分300文字」でゆっくり話す
完全に「話し言葉」限定なのでインネンをつける気はない。ただ、〈100文字目で「火事の現場は○○区の○○交差点で」とあれば、20秒後には街の外観映像を映します〉って、誰に説明してるの? アナウンサー相手のレクチャーならわかるけど。
●第7のルール――独り言から入る
個人的にはここが気になった。是非詳しいことが知りたい。「独り言」はちょっと違う気がするが、「漠然とした個人的な感想」から入るのは、エッセイとしてはおもしろそう。「話し言葉」だと、講演会ならこの手法もアリかな。ただ、一般の新聞記事では無理だろう。と言うことは、ニュースもありえない。
何より、「第3のルール」と矛盾するのでは。
■〈第4のルール――「一文50文字以内」にする〉の検証
記事の原稿の文字数を確認してみた。基準は「一文60文字」にする。基準を超えているものがどれくらいあるか。番号は当方がつけた。
1)また、NHK放送研修センター・日本語センターという放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発する機関もあります。
2)これらの機関と連携を取りながら、実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送、というサイクルで回っているのです。
3)その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表していますが、最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
4)私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしていますが、講義の後、学生から質問を受けることがあります。
5)「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし、~と思ったのですが~」という調子でダラダラと質問するのです。
(以下略)
通常は、このくらいなら問題視する必要はない。しかし、「一文60文字以内」にこだわるなら、書きかえることになる。
【修正案】
1)また、NHK放送研修センター・日本語センターという機関もあります。こちらは、放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発することを目的にしています。
2)これらの機関と連携を取りながら、以下のようなサイクルで回っています。
実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送
3)その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表しています。最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
4)私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしています。講義の後、学生から質問を受けることがあります。
5)「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし~」という調子でダラダラと質問するのです。
ちょっと補足する。
3)の原文には「が、」が2つあった。前者は要注意の「順接のガ、」。「。」に置きかえることができる。これを乱用すると文が冗長になるし、制限文字数なんてすぐに超える。このテーマの文中で無神経に使って一文が長くなったら、単なるギャグ。
4)の原文にあった「が、」も要注意の「順接のガ、」。この連発ぶりは、ホントにギャグなのかも。
5)は原文のままでもOK。ルールを守るため、引用部の最後を削除した。
参考になるのは下記あたりかな。
【第2章 3 一文の長さ――「短く書け」を徹底すると稚拙な文章になる 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-80.html
【「ガ、」の修辞学】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-915.html
【ネタ元】ダイヤモンド社書籍オンライン
http://diamond.jp/articles/-/56483
================引用開始
【第2回】
「NHK式7つのルール」をマネれば、
あなたの話し方が一変する!
NHKキャスター歴17年。NHK在職時代に大学院で心理学を学び、現在は大学の教員をしつつ、スピーチコンサルタントとして、政治家、経営者、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授している矢野香氏。このたび『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール』 を発売したばかりの矢野氏に、「NHK式7つのルール」について語ってもらった。
矢野 香(やの・かおり)
スピーチコンサルタント。信頼を勝ち取る「正統派スピーチ」指導の第一人者。 NHKキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録した実績を持つ。 大学院では、心理学の見地から「話をする人の印象形成」を研究し、修士号取得。 現在は、国立大学の教員としてスピーチ研究を続けながら、政治家、経営者、上級管理職、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授。 相手に与える印象の分析・改善力に定評があり、話し方・表情・動作を総合的に指導。全国から研修・講演依頼があとをたたない。 著書に、ベストセラーとなった『その話し方では軽すぎます!――エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)などがある。
【著者オフィシャルサイト】 http://www.authenty.co.jp
■ニュースとは、1分で伝え、
■1分で信頼される話し方の技術
一つのニュースの時間は、およそ1分です。
つまり、ニュースとは、1分で伝え、1分で信頼される話し方の技術です。
その技術は、日々の現場だけで生み出されるものではありません。
NHKには、NHK放送技術研究所という日本で唯一の放送についての研究所があります。
また、NHK放送研修センター・日本語センターという放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発する機関もあります。
これらの機関と連携を取りながら、実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送、というサイクルで回っているのです。
こうした仕組みの存在が、「NHK式」が代々受け継がれている秘訣だと私は思っています。
そして、その仕組みの中で教育を受けられたことを心から感謝しています。
本書では、私がNHKで学んだ信頼を勝ち取る話し方を「NHK式7つのルール」として具体的な方法にまとめました。
■まずは基本の「7つのルール」をここだけマネる
私がNHKで学んだ信頼を勝ち取る話し方を具体的な方法にまとめたのが、「NHK式7つのルール」です。
信頼される話し方をしてあなたの価値を上げていくための基本のルールです。
●第1のルール――話す目的をハッキリさせる
●第2のルール――「13文字以内」でタイトルをつける
●第3のルール――結論は「最初の15秒」で言う
●第4のルール――「一文50文字以内」にする
●第5のルール――「4つの抑揚」で強調する
●第6のルール――「1分300文字」でゆっくり話す
●第7のルール――独り言から入る
この7つをマネると、日本で放送が始まって以来89 年、視聴者からの信頼を勝ち取ってきた秘策があなたの手に入ります。
本書ではこれら7つのルールについて例文や穴埋めするだけのフォーマットを使いながらご紹介しています。これをやらない手はありません!
中でも取り入れていただきたいのは、第4のルールと第6のルール二つ。
今回は、特にこの二つについてお伝えいたします。
■「第4のルール」を使えば、
■伝えたいことが明確に力強く伝わる!
「NHK式7つのルール」の第4のルールは、「一文50文字以内」にすることです。
先に触れたNHK放送技術研究所は、「やさしい日本語ニュース」というわかりやすい言葉で伝える研究をしています。
その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表していますが、最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしていますが、講義の後、学生から質問を受けることがあります。
中には、熱心に質問してくれるものの、何を聞きたいのかがわかりにくく、答えに困るケースがあります。
そういう学生の言葉は一文が長いのです。
「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし、~と思ったのですが~」という調子でダラダラと質問するのです。
しかも尻切れとんぼの形です。
試しに一度数えてみたところ、一文が200文字以上ありました。
これは社会人の基本とされる「報告・連絡・相談」の場面でもありうる悪い例です。
「NHK式」では、一文は50文字以内です。
一つの文、つまりはじまりから句点「。」までが50文字を超えると長いということです。
ここで言う50文字は、漢字カナ混じり文です。
漢字とカナの使い分けは、放送現場の「表記のよりどころ」と言われる、NHK放送文化研究所編『NHK漢字表記辞典』(NHK出版)にもとづきます。
学生には独自につくった一行50文字の原稿用紙を渡し、一文50文字で書いてから質問するように指導しました。
すると、ひと言で明確にわかりやすい質問をすることができるようになりました。ゼミや学会発表のときなどにも役に立っているそうです。
一文が長い文章は、ピントがボケて何を言いたいのかわかりません。
一文が短い文章は、伝えたいことが明確で、力強い印象を与えます。
本書では、一文50文字以内に収めた、小泉純一郎元首相の素晴らしいスピーチ例を紹介しています。
また、巻末特別付録として「NHK式やってはいけない7つの話し方」も例文で紹介しています。あわせてご覧ください。
■「第6のルール」を使うと
■相手に伝わりやすく信頼性も上がる
「NHK式7つのルール」の第6のルールは、「1分300文字」でゆっくり話すということです。
1分300文字の話す速さは、「NHK式」の共通認識です。
アナウンサーがこの速さでアナウンスするだけでなく、1分300文字は番組スタッフ全員の認識です。
記者は、300文字を目安に、1分のニュース原稿をつくります(漢字とカナの使い分けは『NHK漢字表記辞典』にもとづきます)。
映像の編集をするスタッフは、その原稿をもとに映像をつなぎます。
たとえば、100文字目で「火事の現場は○○区の○○交差点で」とあれば、20秒後には街の外観映像を映します。
そして200文字目で「救急車と消防車がかけつけ」となっているなら、40 秒後に救急車が到着する映像を入れるわけです。
すると計算上は、原稿の内容と映像がピッタリ合うはずです。
ところが、アナウンサーが早口だったり、原稿を読むスピードが遅ければ、その理論はあっさり崩れ、ニュースの内容と映像はかみ合わなくなります。
アナウンサーが1分300文字ルールを守るからこそ、本番がうまくいくのです。
1分300文字は、相手に一番伝わりやすい理想の速度です。
あなたが話をするときも、ぜひこの速さを目指してみてください
本書では、1分285文字の例文を掲載しています。
実際に口に出しながら読み、1分300文字の目安にしてください。
次回は、「NHK式7つのルール」と合わせて取り入れることで最強になる「+αの心理学テクニック」についてお伝えします。
================引用終了
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
mixi日記2014年08月08日から
こんなことを書いている場合ではないんだけど、気分転換に。
著者は〈「正統派スピーチ」指導の第一人者〉だけあって、基本的には適確なことを書いている。
ただ、細かい点が気になる。
とってもイヤなのは、こういうまともな文章でも、疑問点をあげているうちに細かいところが気になりはじめること。細かいところをネチネチ書いていくと、結果的にはヒドい書き方になってしまうことが……。
大前提として、この著者は「話し言葉」と「書き言葉」を混同している気がする。ここで話題にしているのは「話し言葉」だよね。
「話し言葉」とは言ってもニュースあたりだと原稿があるから「書き言葉」……という考え方はできなくはない。それでも「話し言葉」と「書き言葉」では大きく違う点がある。内容は似ているから、「ニュース」が「話し言葉」で、「新聞記事」が「書き言葉」ということなのかもしれない。
たとえば〈第2のルール――「13文字以内」でタイトルをつける〉。いったいどんな「話し言葉」を想定しているのだろう。一般に、「話し言葉」にタイトルはない。講演とかならタイトルは必要だろうが。さらに書くと、「13文字以内」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。
これはニュースのテロップとか、タイトル一覧のための字数制限だろう。それを(一般的な)「ルール」にされては困る。
ほかの「NHK式7つのルール」を順番に見ていこう。
●第1のルール――話す目的をハッキリさせる
そりゃそうでしょ。これは「話書」(「話し言葉」と「書き言葉」)共通。ただ、これは「ルール」以前の「常識」ではないだろうか。遅刻厳禁だとか服装規定だとかも「ルール」にします?
●第3のルール――結論は「最初の15秒」で言う
「15秒」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。「結論先行」という話なら「書き言葉」の心得にもある。いずれにしても、「内容しだい」。ビジネス文書なら、結論先行のほうが好まれることが多い。新聞記事もそうだから、ニュースもそうかもしれない。じゃあ怪談ならどうなるの? 漫談ならどうなるの?
●第4のルール――「一文50文字以内」にする
これは「話書」共通かもしれない。「50字」に論理的な根拠があるなら是非教えてほしい。文章読本の記述だと、60字以内くらいを目安にしていことが多い。でもね。60字以内は相当厳しくて、そういうふうに主張しているセンセーの一文はもっと長い。それじゃギャグだって。この記事を見ても、60文字を超えている一文がチラホラ。やむをえない場合もあるけど、単に注意力不足ってこともある。詳細は末尾で。
さらに書くと、「話し言葉」の場合は一文の文字数制限は相当緩くてよいのでは。専門?外なのでパス。
●第5のルール――「4つの抑揚」で強調する
●第6のルール――「1分300文字」でゆっくり話す
完全に「話し言葉」限定なのでインネンをつける気はない。ただ、〈100文字目で「火事の現場は○○区の○○交差点で」とあれば、20秒後には街の外観映像を映します〉って、誰に説明してるの? アナウンサー相手のレクチャーならわかるけど。
●第7のルール――独り言から入る
個人的にはここが気になった。是非詳しいことが知りたい。「独り言」はちょっと違う気がするが、「漠然とした個人的な感想」から入るのは、エッセイとしてはおもしろそう。「話し言葉」だと、講演会ならこの手法もアリかな。ただ、一般の新聞記事では無理だろう。と言うことは、ニュースもありえない。
何より、「第3のルール」と矛盾するのでは。
■〈第4のルール――「一文50文字以内」にする〉の検証
記事の原稿の文字数を確認してみた。基準は「一文60文字」にする。基準を超えているものがどれくらいあるか。番号は当方がつけた。
1)また、NHK放送研修センター・日本語センターという放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発する機関もあります。
2)これらの機関と連携を取りながら、実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送、というサイクルで回っているのです。
3)その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表していますが、最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
4)私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしていますが、講義の後、学生から質問を受けることがあります。
5)「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし、~と思ったのですが~」という調子でダラダラと質問するのです。
(以下略)
通常は、このくらいなら問題視する必要はない。しかし、「一文60文字以内」にこだわるなら、書きかえることになる。
【修正案】
1)また、NHK放送研修センター・日本語センターという機関もあります。こちらは、放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発することを目的にしています。
2)これらの機関と連携を取りながら、以下のようなサイクルで回っています。
実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送
3)その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表しています。最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
4)私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしています。講義の後、学生から質問を受けることがあります。
5)「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし~」という調子でダラダラと質問するのです。
ちょっと補足する。
3)の原文には「が、」が2つあった。前者は要注意の「順接のガ、」。「。」に置きかえることができる。これを乱用すると文が冗長になるし、制限文字数なんてすぐに超える。このテーマの文中で無神経に使って一文が長くなったら、単なるギャグ。
4)の原文にあった「が、」も要注意の「順接のガ、」。この連発ぶりは、ホントにギャグなのかも。
5)は原文のままでもOK。ルールを守るため、引用部の最後を削除した。
参考になるのは下記あたりかな。
【第2章 3 一文の長さ――「短く書け」を徹底すると稚拙な文章になる 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-80.html
【「ガ、」の修辞学】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-915.html
【ネタ元】ダイヤモンド社書籍オンライン
http://diamond.jp/articles/-/56483
================引用開始
【第2回】
「NHK式7つのルール」をマネれば、
あなたの話し方が一変する!
NHKキャスター歴17年。NHK在職時代に大学院で心理学を学び、現在は大学の教員をしつつ、スピーチコンサルタントとして、政治家、経営者、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授している矢野香氏。このたび『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール』 を発売したばかりの矢野氏に、「NHK式7つのルール」について語ってもらった。
矢野 香(やの・かおり)
スピーチコンサルタント。信頼を勝ち取る「正統派スピーチ」指導の第一人者。 NHKキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録した実績を持つ。 大学院では、心理学の見地から「話をする人の印象形成」を研究し、修士号取得。 現在は、国立大学の教員としてスピーチ研究を続けながら、政治家、経営者、上級管理職、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授。 相手に与える印象の分析・改善力に定評があり、話し方・表情・動作を総合的に指導。全国から研修・講演依頼があとをたたない。 著書に、ベストセラーとなった『その話し方では軽すぎます!――エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)などがある。
【著者オフィシャルサイト】 http://www.authenty.co.jp
■ニュースとは、1分で伝え、
■1分で信頼される話し方の技術
一つのニュースの時間は、およそ1分です。
つまり、ニュースとは、1分で伝え、1分で信頼される話し方の技術です。
その技術は、日々の現場だけで生み出されるものではありません。
NHKには、NHK放送技術研究所という日本で唯一の放送についての研究所があります。
また、NHK放送研修センター・日本語センターという放送現場の調査研究をしながら、正確で豊かな「話し言葉」のノウハウを開発する機関もあります。
これらの機関と連携を取りながら、実際の放送→NHK放送技術研究所で研究→NHK放送研修センター・日本語センターで研修→実際の放送、というサイクルで回っているのです。
こうした仕組みの存在が、「NHK式」が代々受け継がれている秘訣だと私は思っています。
そして、その仕組みの中で教育を受けられたことを心から感謝しています。
本書では、私がNHKで学んだ信頼を勝ち取る話し方を「NHK式7つのルール」として具体的な方法にまとめました。
■まずは基本の「7つのルール」をここだけマネる
私がNHKで学んだ信頼を勝ち取る話し方を具体的な方法にまとめたのが、「NHK式7つのルール」です。
信頼される話し方をしてあなたの価値を上げていくための基本のルールです。
●第1のルール――話す目的をハッキリさせる
●第2のルール――「13文字以内」でタイトルをつける
●第3のルール――結論は「最初の15秒」で言う
●第4のルール――「一文50文字以内」にする
●第5のルール――「4つの抑揚」で強調する
●第6のルール――「1分300文字」でゆっくり話す
●第7のルール――独り言から入る
この7つをマネると、日本で放送が始まって以来89 年、視聴者からの信頼を勝ち取ってきた秘策があなたの手に入ります。
本書ではこれら7つのルールについて例文や穴埋めするだけのフォーマットを使いながらご紹介しています。これをやらない手はありません!
中でも取り入れていただきたいのは、第4のルールと第6のルール二つ。
今回は、特にこの二つについてお伝えいたします。
■「第4のルール」を使えば、
■伝えたいことが明確に力強く伝わる!
「NHK式7つのルール」の第4のルールは、「一文50文字以内」にすることです。
先に触れたNHK放送技術研究所は、「やさしい日本語ニュース」というわかりやすい言葉で伝える研究をしています。
その中で、わかりやすい言葉にするための7つの条件を発表していますが、最初に挙げられているのが、一文が長いという悪い例です。
私は現在、政治家からビジネスパーソンまでのスピーチコンサルティングをしながら、国立大学の教員をしていますが、講義の後、学生から質問を受けることがあります。
中には、熱心に質問してくれるものの、何を聞きたいのかがわかりにくく、答えに困るケースがあります。
そういう学生の言葉は一文が長いのです。
「今日の~についてですが、先生は~と言いましたが、~ということもありますし、~と思ったのですが~」という調子でダラダラと質問するのです。
しかも尻切れとんぼの形です。
試しに一度数えてみたところ、一文が200文字以上ありました。
これは社会人の基本とされる「報告・連絡・相談」の場面でもありうる悪い例です。
「NHK式」では、一文は50文字以内です。
一つの文、つまりはじまりから句点「。」までが50文字を超えると長いということです。
ここで言う50文字は、漢字カナ混じり文です。
漢字とカナの使い分けは、放送現場の「表記のよりどころ」と言われる、NHK放送文化研究所編『NHK漢字表記辞典』(NHK出版)にもとづきます。
学生には独自につくった一行50文字の原稿用紙を渡し、一文50文字で書いてから質問するように指導しました。
すると、ひと言で明確にわかりやすい質問をすることができるようになりました。ゼミや学会発表のときなどにも役に立っているそうです。
一文が長い文章は、ピントがボケて何を言いたいのかわかりません。
一文が短い文章は、伝えたいことが明確で、力強い印象を与えます。
本書では、一文50文字以内に収めた、小泉純一郎元首相の素晴らしいスピーチ例を紹介しています。
また、巻末特別付録として「NHK式やってはいけない7つの話し方」も例文で紹介しています。あわせてご覧ください。
■「第6のルール」を使うと
■相手に伝わりやすく信頼性も上がる
「NHK式7つのルール」の第6のルールは、「1分300文字」でゆっくり話すということです。
1分300文字の話す速さは、「NHK式」の共通認識です。
アナウンサーがこの速さでアナウンスするだけでなく、1分300文字は番組スタッフ全員の認識です。
記者は、300文字を目安に、1分のニュース原稿をつくります(漢字とカナの使い分けは『NHK漢字表記辞典』にもとづきます)。
映像の編集をするスタッフは、その原稿をもとに映像をつなぎます。
たとえば、100文字目で「火事の現場は○○区の○○交差点で」とあれば、20秒後には街の外観映像を映します。
そして200文字目で「救急車と消防車がかけつけ」となっているなら、40 秒後に救急車が到着する映像を入れるわけです。
すると計算上は、原稿の内容と映像がピッタリ合うはずです。
ところが、アナウンサーが早口だったり、原稿を読むスピードが遅ければ、その理論はあっさり崩れ、ニュースの内容と映像はかみ合わなくなります。
アナウンサーが1分300文字ルールを守るからこそ、本番がうまくいくのです。
1分300文字は、相手に一番伝わりやすい理想の速度です。
あなたが話をするときも、ぜひこの速さを目指してみてください
本書では、1分285文字の例文を掲載しています。
実際に口に出しながら読み、1分300文字の目安にしてください。
次回は、「NHK式7つのルール」と合わせて取り入れることで最強になる「+αの心理学テクニック」についてお伝えします。
================引用終了
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