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雪辱を晴らす 雪辱を果たす 雪辱を遂げる

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年08月26日から

 テーマトピは下記。
【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=125916&id=76241185

 大前提として、「グレーゾーン」とはどういうものかの厳密な定義は勘弁してほしい。
 当方に考えられるのは「0」に書いた程度。
・元々は誤用とされていたが、そうとも言い切れないのでは……。
・誤用だの正用だのが入り乱れた結果、何が正しい使い方なのかわからなくなってしまった言葉……etc.

 [2]で○○なコメントが入る。コメント[10]の補足によってますます○○に……。
「雪辱」「雪辱を晴らす」「雪辱を果たす」がグレーゾーンという趣旨らしい。
 まず、Web辞書を引用する。
http://kotobank.jp/word/%E9%9B%AA%E8%BE%B1?dic=daijisen&oid=10405300

================引用開始
デジタル大辞泉の解説
せつ‐じょく 【雪辱】

[名](スル)恥をすすぐこと。特に、競技などで負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すこと。「―を遂げる」「次の試合で必ず―する」「―戦」
◆文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「前に負けた相手に勝つこと」を表現するとき、本来の言い方である「雪辱を果たす」を使う人が43.3パーセント、間違った言い方「雪辱を晴らす」を使う人が43.9パーセントという結果が出ている。
================引用終了

================引用開始
大辞林 第三版の解説
せつじょく【雪辱】

( 名 ) スル
恥をそそぐこと。特に,勝負などに負けて受けた恥を,次に勝つことによってそそぐこと。 「 -戦」 「 -を果たす」 「次の試合で-を期す」
================引用終了

 大元とも言える平成22年度「国語に関する世論調査」の詳細(文化庁のホームページ)。
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/h22_yoronchosa.pdf#search='%E6%96%87%E5%8C%96%E5%BA%81%20%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB'

 この問題に関して以前書いた日記。
【文化庁もさぁ──ラ抜き言葉、姑息、雨模様……etc.】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2143.html
================引用開始
「雪辱を果たす」と「雪辱を晴らす」。当方の語感だと、両方ともヘンな気がする。「雪辱」自体が「辱(はずかし)めを雪(すす)ぐ」って意味だろう。「晴らす」は相当ヘンだけど、「果たす」も重言風になる。「雪辱する」「雪辱戦」あたりならOK。
 ただ、Web辞書に「遂げる」「果たす」って用例があるから、逆らいません。
================引用終了

 あらためて考えてみた。
 そもそも「雪辱」がらみで「グレーゾーン」になりそうな表現は何か。
「雪辱」はフツーの表現。これをグレーゾーンにされては困る。
「雪辱を果たす」もフツーの表現(個人的には「重言風」だと思う)。同様の表現に「雪辱を遂げる」がある。
 問題は「雪辱を晴らす」。約半数の人が使うのなら「グレーゾーン」と考えてもいいかもしれない。でもねぇ……。個人的には、「単なる誤用」だと思う(少なくとも現段階では)。
 これもそのうちグチャグチャになるのかもしれない。このあたりは根本的な考え方にもかかわってくる。
 たとえば「雰囲気」を「ふいんき」と読む人が半数を超えたら、「誤用」ではなくなるのか。そんなの8割超えたって誤用だよ。辞書が採用したら、考えてやってもいい。

「雪辱を晴らす」という誤用が普及したのには2つの側面があると思う。
 ひとつ目。●●が増えた……いえその、それを言ってしまうとミもフタもないから却下。
 似たような言葉をあげる。「屈辱を晴らす」「国辱を晴らす」……etc. ならおかしくない(ちょっと異和感はあるが……)。
 そこで、「○辱」と来たら「晴らす」になったのかも。
 このほか、「疑いを晴らす」(「疑いが晴れる」のほうが素直かも)「恨みを晴らす」なんてのもよく聞く。とにかく「晴らす」のほうが使用例が多そう。

 もうひとつは妄想に近い。
「雪」だから「晴れる」と勘違いした●●がいたのでは。(←オイ!)
 実際のところは、「誤用」している人を問い詰めないとわからない。

(略)
 と書きはじめたら、「完全に取り違えて」いたらしい。
 そりゃそうでしょうね。で、〈「雪辱を晴らす」=「恥を雪ぐことによって心をくもらせていたものをはらい除いて快くする」〉はどこから出たんだろう。
 そう考えると、「雪辱を晴らす」は誤用ではなくなるのだろうか。
 それとも「雪辱を晴らす」と誤用する人たちの考え方がわかるのだろうか。
 どちらともとれるってのはある意味スゴいかも。


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