よくある誤用40──定番の質問。「お休みをいただいています」「お休みをいただいております」「休ませていただいています」「お休みさせていただいています」
外部から社内の人間に電話が来たとします。その人が休んでいる場合、どう言うべきでしょうか。下記の言い方に問題はありやなしや。
お休みをいただいています。
お休みをいただいております。
「〜います」よりも「〜おります」のほうが少し丁寧なのは説明不要でしょう。
問題は「いただく」と言っていいか否か。
ネット検索するとすごいことになります。詳しくは末尾に。
まず敬語の専門家の説を紹介します。
【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始
また、社外の人に同僚のことを「○○は休暇をいただいておりまして」などと言うのも、休暇は会社なり上司なりからもらうわけですから、会社/上司を高めることになってしまいます。「休暇をとっておりまして」と言うべきところです。(P.137)
================引用終了
当方は、基本的にこの書籍の記述をほぼ鵜呑みにしています。しかし、このテーマに関しては、ちょっと疑問があります。
まず、「休暇」という言葉は1日だけの休みにはなじまない気がします。著者は男性なので「(お)休み」と言いにくかった気持ちはわかりますが。ちなみに、名詞の「休み」につく「お」は美化語とも考えられるので、つけても問題はないでしょう。身内の話に「お」はつけない、という主張は的外れです。詳しくは省略します。
たとえば、取引先の偉いさんから連絡があったのに、担当者が休んでいる場合。「(お)休みをいただいております」ではダメですか。偉いさんでなくても、「せっかく連絡いただいたのに……」という気持ちがあるなら「(お)休みをいただいております」でもいいと思います。
ただ、発言者は年配の女性のイメージになるってことは、やはり過剰敬語なのかもしれません。
もっと極端なことを書くと、ものすごく多忙な人が結婚して、季節外れの夏休みをとって新婚旅行に出かけたとします。この休みをとるために、取引先には無理を言ってお願いし、やっとの思いで休んだとします。
そういう状況なら「(お)休みをいただいております」と言ってもおかしくないでしょう。 「休みが取れるのは、取引先やお客様のご理解があってのこと」という感覚で「いただいております」と言ってもさほどおかしくないと思います。
専門家の主張なので、「お休みをいただく」(「休暇をいただく」もほぼ同様)だと「会社/上司を高める」から×……ということにしましょうか。
この説にシブシブ従うとして……当方なら下記あたりを選びます。
「あいにく」は是非つけたいところです。
1)あいにく○○は、(本日)(お)休みでございます
2)あいにく○○は、(本日)休んでおります
2)’あいにく○○は、(本日)お休みしております
2)と2)’は仲間と考えられます。個人的には謙譲語の「お~する」を含んで敬度が高い2)’のほうがオススメですが、このあたりは好みの問題でしょうか。
1)と2)&2)’とどちらがオススメかと言うと、後者です。理由を書くと長くなりますが、シンプルな形にすると差がわかります。
○○は休みだ
○○は休んでいる
「○○は休みだ」も間違いではありませんが、個人的には異和感があります。この言葉足らず感は「うなぎ文」に近い気がします(違うかな~)。詳しくは「うなぎ文」で検索してください。
よく似た表現に「休ませていただいています」「お休みさせていただいています」というのもあります。これも「いただく」を使っているから×とう説も目にします。
同じように「いただく」を使っていても、「~(さ)せていただく」の場合は、話をしている相手への敬語なのでOKでしょう。過剰敬語気味という気はしますが、それはまったく別の話です。
両者をまとめて「いただく」(「いただいております」もほぼ同様)を使っているから×と考えるのはいささか乱暴なのでは。
【本日はお休みをいただいております 】で検索すると、ほとんどが「本日はお休みをいただいております」を×にしています。一般的には×なのですから当然と言えば当然です。
【本日はお休みをいただいております 】の検索結果。約 11,900,000 件。
http://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=10_6_8&q=本日はお休みをいただいております&ie=UTF-8&oe=UTF-8&redir_esc=&ei=jJR_UObFGfGNmQWY6oGYBw
ところが不思議なことに【電話の受け方 本日はお休みをいただいております】で検索すると、なぜかまったく違う感じになり、「本日はお休みをいただいております」肯定派が増えます。個人の意見ではなく、一見ちゃんとしたサイトに見えるのですが……。
ネット情報のムチャクチャぶりがよくわかります。いろいろな意見が飛び交っていて、どれを信じればよいのでしょう。
http://itp.ne.jp/contents/business/kihon/keigo_denwa.html
否定派ですが、修正案は「本日は休ませていただいております」。
================引用開始
(着信) 今日はお休みをいただいております。
⇒「お」はつけない。「休ませて」を用いる。
良→「申し訳ございません。本日は休ませていただいております」
================引用終了
http://www.town.minamiise.mie.jp/gyoukaku/pdffile/madoguti-2.pdf
================引用開始
■名指し人の休暇中に電話がかかってきた
「申し訳ございません。本日は、お休みをいただいております。明日は、出勤する予定 になっておりますので、折り返しご連絡させましょうか?」と相手の要望を聞きます。
================引用終了
http://allabout.co.jp/gm/gc/313326/2/
和文英訳の話ですが、「お休みを頂いております」を認めているようです。美月あきこさんの名前は、mixiニュースでもよく目にします。
================引用開始
今日は、お休みを頂いております。
She is off today.
================引用終了
http://www.jp-guide.net/businessmanner/tel/ukekata.html
================引用開始
[担当者が休みのとき]
あいにく本日はお休みを頂戴しております。
あいにく本日は休みを頂戴しております。
あいにく本日は休んでおります。
・他の人あてに電話がかかってきたとき、その人が休みを取っている時に使う表現。
・こんなときは左の言葉に続けて、できれば下記の対応をします。
「あいにく本日□□はお休みを頂戴しております。お急ぎのご用件でしょうか?よろしければ○○が代わりにお伺い致しますが」と、代わりの担当者につなぐ(或いは、「宜しければ~」という形で電話を受けた人が用件を聞く。但し、無理強いはしないこと。
================引用終了
http://jp.fujitsu.com/family/sibu/toukai/manar/5_2denwa.html
================引用開始
休暇中
Aはお休みをいただいておりまして、X日に出社の予定ですが
================引用開始
(以下略)
詳しくは下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2526.html
バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
お休みをいただいています。
お休みをいただいております。
「〜います」よりも「〜おります」のほうが少し丁寧なのは説明不要でしょう。
問題は「いただく」と言っていいか否か。
ネット検索するとすごいことになります。詳しくは末尾に。
まず敬語の専門家の説を紹介します。
【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2327.html
================引用開始
また、社外の人に同僚のことを「○○は休暇をいただいておりまして」などと言うのも、休暇は会社なり上司なりからもらうわけですから、会社/上司を高めることになってしまいます。「休暇をとっておりまして」と言うべきところです。(P.137)
================引用終了
当方は、基本的にこの書籍の記述をほぼ鵜呑みにしています。しかし、このテーマに関しては、ちょっと疑問があります。
まず、「休暇」という言葉は1日だけの休みにはなじまない気がします。著者は男性なので「(お)休み」と言いにくかった気持ちはわかりますが。ちなみに、名詞の「休み」につく「お」は美化語とも考えられるので、つけても問題はないでしょう。身内の話に「お」はつけない、という主張は的外れです。詳しくは省略します。
たとえば、取引先の偉いさんから連絡があったのに、担当者が休んでいる場合。「(お)休みをいただいております」ではダメですか。偉いさんでなくても、「せっかく連絡いただいたのに……」という気持ちがあるなら「(お)休みをいただいております」でもいいと思います。
ただ、発言者は年配の女性のイメージになるってことは、やはり過剰敬語なのかもしれません。
もっと極端なことを書くと、ものすごく多忙な人が結婚して、季節外れの夏休みをとって新婚旅行に出かけたとします。この休みをとるために、取引先には無理を言ってお願いし、やっとの思いで休んだとします。
そういう状況なら「(お)休みをいただいております」と言ってもおかしくないでしょう。 「休みが取れるのは、取引先やお客様のご理解があってのこと」という感覚で「いただいております」と言ってもさほどおかしくないと思います。
専門家の主張なので、「お休みをいただく」(「休暇をいただく」もほぼ同様)だと「会社/上司を高める」から×……ということにしましょうか。
この説にシブシブ従うとして……当方なら下記あたりを選びます。
「あいにく」は是非つけたいところです。
1)あいにく○○は、(本日)(お)休みでございます
2)あいにく○○は、(本日)休んでおります
2)’あいにく○○は、(本日)お休みしております
2)と2)’は仲間と考えられます。個人的には謙譲語の「お~する」を含んで敬度が高い2)’のほうがオススメですが、このあたりは好みの問題でしょうか。
1)と2)&2)’とどちらがオススメかと言うと、後者です。理由を書くと長くなりますが、シンプルな形にすると差がわかります。
○○は休みだ
○○は休んでいる
「○○は休みだ」も間違いではありませんが、個人的には異和感があります。この言葉足らず感は「うなぎ文」に近い気がします(違うかな~)。詳しくは「うなぎ文」で検索してください。
よく似た表現に「休ませていただいています」「お休みさせていただいています」というのもあります。これも「いただく」を使っているから×とう説も目にします。
同じように「いただく」を使っていても、「~(さ)せていただく」の場合は、話をしている相手への敬語なのでOKでしょう。過剰敬語気味という気はしますが、それはまったく別の話です。
両者をまとめて「いただく」(「いただいております」もほぼ同様)を使っているから×と考えるのはいささか乱暴なのでは。
【本日はお休みをいただいております 】で検索すると、ほとんどが「本日はお休みをいただいております」を×にしています。一般的には×なのですから当然と言えば当然です。
【本日はお休みをいただいております 】の検索結果。約 11,900,000 件。
http://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=10_6_8&q=本日はお休みをいただいております&ie=UTF-8&oe=UTF-8&redir_esc=&ei=jJR_UObFGfGNmQWY6oGYBw
ところが不思議なことに【電話の受け方 本日はお休みをいただいております】で検索すると、なぜかまったく違う感じになり、「本日はお休みをいただいております」肯定派が増えます。個人の意見ではなく、一見ちゃんとしたサイトに見えるのですが……。
ネット情報のムチャクチャぶりがよくわかります。いろいろな意見が飛び交っていて、どれを信じればよいのでしょう。
http://itp.ne.jp/contents/business/kihon/keigo_denwa.html
否定派ですが、修正案は「本日は休ませていただいております」。
================引用開始
(着信) 今日はお休みをいただいております。
⇒「お」はつけない。「休ませて」を用いる。
良→「申し訳ございません。本日は休ませていただいております」
================引用終了
http://www.town.minamiise.mie.jp/gyoukaku/pdffile/madoguti-2.pdf
================引用開始
■名指し人の休暇中に電話がかかってきた
「申し訳ございません。本日は、お休みをいただいております。明日は、出勤する予定 になっておりますので、折り返しご連絡させましょうか?」と相手の要望を聞きます。
================引用終了
http://allabout.co.jp/gm/gc/313326/2/
和文英訳の話ですが、「お休みを頂いております」を認めているようです。美月あきこさんの名前は、mixiニュースでもよく目にします。
================引用開始
今日は、お休みを頂いております。
She is off today.
================引用終了
http://www.jp-guide.net/businessmanner/tel/ukekata.html
================引用開始
[担当者が休みのとき]
あいにく本日はお休みを頂戴しております。
あいにく本日は休みを頂戴しております。
あいにく本日は休んでおります。
・他の人あてに電話がかかってきたとき、その人が休みを取っている時に使う表現。
・こんなときは左の言葉に続けて、できれば下記の対応をします。
「あいにく本日□□はお休みを頂戴しております。お急ぎのご用件でしょうか?よろしければ○○が代わりにお伺い致しますが」と、代わりの担当者につなぐ(或いは、「宜しければ~」という形で電話を受けた人が用件を聞く。但し、無理強いはしないこと。
================引用終了
http://jp.fujitsu.com/family/sibu/toukai/manar/5_2denwa.html
================引用開始
休暇中
Aはお休みをいただいておりまして、X日に出社の予定ですが
================引用開始
(以下略)
詳しくは下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2526.html
バックナンバーは下記。
【お品書き】よくある誤用
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118365
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