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微妙 ビミョー 普通 フツー 先生 センセー 改訂版 辞書

 夕方にアップした日記がいろいろバカな勘違いをしているので、書き直します。

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年10月10日から

 下記が関係するかも。
217)突然ですが問題です【日本語編8】──いろいろな書き方 【解答編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1495777134&owner_id=5019671
1256)突然ですが問題です【日本語編207】──いろいろな書き方〈2〉
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3127.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1933213288&owner_id=5019671

 テーマトピは下記。
【「微妙」と「ビミョー」には大きな差がありそう】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=19661590&comment_count=16&comm_id=125916

 古いトピを掘り起こしてみた。
 近頃妙なコメントばかりが目立つコミュだけど、これは多少まともな話になるのだろうか。
「微妙」と「ビミョー」にどんな違いがあるのか、当方にはサッパリわからない。何か定説でもあるんだろうか。
『デイリー 新語辞典』には下記のようにのっているらしい。
==============引用開始
ビミョー
〔微妙から〕
若者語で,断定を避ける時や判断がつかない時に用いる表現。
==============引用終了

「断定を避ける時や判断がつかない時」に「微妙」を使うのは「若者語」なんだろうか。当方も頻繁に使う気がするが、感覚が若いから?
 本来はおおげさな褒め言葉だけど、そんな使い方はあまりしない。褒め言葉で「微妙な雰囲気」とか「微妙な味わい」と言わなくはないけど、誤解を招きかねないので「絶妙」と言ってしまう気がする。
 しかも「ビミョー 」と「微妙」では意味が違うらしい。そんなことあるの?
 そもそも、漢字表記とカタカナ表記で言葉のニュアンスが大きくかわるなんことがあるんだろうか。もしそうなら、そういう言葉は話し言葉にはできないことになる。だって表記がわからないとどういう意味かわからないんでしょ?

 Web辞書をひく(全文は末尾の回収コメント参照)。
『大辞泉』のほうが圧倒的に詳しい。
〈4 《「ビミョー」と書くこともある》俗に、否定的な気分を婉曲にあらわす語。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」 〉
 そういうことだと思う。
「微妙な味」とか「微妙な雰囲気」というのは、「マズい」「ヘン(イヤ)な雰囲気」のことだろう。肯定的な印象なら、「ヤバい」「パねえ」とかになる(笑)。
 否定的な気分を表わすなら、本来の意味のほぼ逆になる。この場合《「ビミョー」と書くこともある》そうだ。ただし、表記を使い分けているか否かは不明。
 当方が使う微妙は『大辞泉』の「2きわどくてどちらとも言い切れないさま」の意味と「3《「微妙に」の形で》やや」の意味。どちらかと言うと「2」だと思うけど、「2」と「3」の違いは相当微妙。
「微妙に意味がズレている」「微妙にニュアンスが違う」あたりはどちらの意味かわからない。『大辞泉』の「2」の例文にある「気持ちが微妙に変化する」は「3」ともとれる。その意味では、両者を区別しない『大辞林』の態度が正しいかも。
 
 漢字表記とカタカナ表記に関して書くと、当方は「普通」の表記がどうにも重苦しいので、私的な文章では「フツー」と書く。 
 そうすると、何か特別なニュアンスがあると勘違いする●●に噛みつかれることがある。
 どうやら、「フツー」という表記に侮蔑のニュアンスが感じられてカチンと来るらしい。そんなことを言えば「普通」だって侮蔑のニュアンスを込めることが可能だよ。
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=605&community_id=125916&bbs_id=26592514
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=244&community_id=533090&bbs_id=29296591
「平凡な人間」と書こうが「ヘーボンな人間」と書こうが、同じようなものだろう。
 それにしても「違和感を沸かす」って。「違和感が湧く」でもヘンなのに何重にひねったらこうなる。白井選手並みだな。こういうときに使うのが「臍で茶を……」。

 ……と書いて強力な例外に気づく。
「先生」と「センセー」。
 これは「せんせい」という言葉自体が両方の意味合いを持っているからだろう(ちょっと強引?)。
「先生」と書けば、尊称の意味合いが前面に出る。
「センセー」と書けば、蔑称の意味合いが前面に出る。

 ちなみに、微妙な言葉の問題で辞書をひくのは基本中の基本。だけど、熟語の意味を考えるときにバラバラの意味を調べて類推するのは危険。ごくまれにだけど、勘違いすることがある。
「妙」を「たえ」ととらえると、「妙齢」の意味を間違うことになる(そういう人がかなりいる)。
突然ですが問題です【日本語編202】──人を呪わば穴二つ ネタなのか? もうからみません 妙齢【解答?編】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1931831802&owner_id=5019671

 一応、トピのコメントを回収しておく。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
https://kotobank.jp/word/%E5%BE%AE%E5%A6%99-368075#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

==============引用開始
デジタル大辞泉の解説
び‐みょう 〔‐メウ〕 【微妙】

[名・形動]
1 趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。「此―な叙景の筆の力が」〈独歩・武蔵野〉
2 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。「気持ちが―に変化する」「セーフかアウトか―な判定」「愛国主義と国粋主義の―な関係」
3 《「微妙に」の形で》少々。やや。「―に歪んで見える線」「彼の話には―に嘘が混じっている」
4 《「ビミョー」と書くこともある》俗に、否定的な気分を婉曲にあらわす語。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」
[派生]びみょうさ[名]


み‐みょう 〔‐メウ〕 【▽微妙】
(略)
==============引用終了

 当方が使うのは、「2」「3」だけ(形容矛盾?)です。「2」と「3」の境界は相当微妙でしょう。
 これも本来の意味ではないのでしょうか。



==============引用開始
大辞林 第三版の解説
びみょう【微妙】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
①なんともいえない味わいや美しさがあって,おもむき深い・こと(さま)。 「 -な色彩のバランス」 「空に美しい天女が現はれ,此世では聞かれぬ程の-な音楽を奏し出した/吾輩は猫である 漱石」
②はっきりととらえられないほど細かく,複雑で難しい・こと(さま)。 「両国の関係は-な段階にある」 「 -な意味あいの言葉」 〔自分の意見や判断をはっきり言いたくない場合や,婉曲に断ったり否定的に言ったりする場合に用いることがある。「今の判定は-ですね」「『日曜日は来られる?』『ちょっと-ですね』」〕
[派生] -さ ( 名 )

みみょう【微妙】
(略)
==============引用終了
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


【追記】
 自分で若者並みの「微妙」を使うことがあることに気づいた。
 たとえばトピのコメントのほとんが微妙に思えることがある。
 この場合の「微妙」は、本当に微妙な場合もあるけど、たいていはホニャララの意味。露骨には書けないので、「なんとも微妙なコメント」なんてごまかす。これからは「ビミョー」って書こうかな。(←オイ!)

【追記2】
 コメントをいただいた。
「病気」と「ビョーキ」。
 当方の感覚だと後者は「ゴビョーキ」。
 私的なメモのタイトルは「ご病気」になっていた。(←オイ!)
 話し言葉だと「あれももう【びょうき】だから」などと使う。この場合は「ご」はつかないか。表記によると言うより、文脈による?
 たしかにこういう用例だと「ビョーキ」と書きたくなる気持ちはわかる。

 

微妙 ビミョー 普通 フツー 先生 センセー 改訂版 辞書〈2〉

 残念なことにテーマトピは迷走気味だけど、個人的には少し前進できた気がする。
 ヒントになったのは、コメントをいただいた「病気」と「ビョーキ」の話(追記済み)。
「病気」と「ビョーキ」はかなり意味が違う。
「ビョーキ」とカタカナで書くと、病いではなく異常のニュアンス。フツーの言葉にすると「病的」が近いかな。
 ただ、これは表記の問題ではなく、文脈の問題って気がする。
 ややこしい話なんで慎重に回りくどく書く。
 フツーの「病気」は、「病気になる」などと使う。
「あの人は病気にかかっている」
「あの人は病弱だ」
「あの人は病気がちだ」 
 あたりだと、フツーの用法。これが「あの人は病気だから」になると、「病的」のニュアンスになる。この使い方だと「病気」よりも「ビョーキ」のほうが適切な気がする。つまり、「ビョーキ」と表記をかえることで意味がかわるのではなく、特定の文脈だと意味がかわり、カタカナ表記のほうがふさわしい気になるってこと。
「ビョーキで会社を休む」と書いたところで意味はかわらない。ただ、これは「病的」ではなく「病気」なので、相当奇異な感じになる。熱心なアイドルオタクで、会社をズル休みしてライブに行くなら「ビョーキで会社を休む」でOK。

 さて、「微妙」と「ビミョー」の話。
 近年取りざたされている若者言葉の「ビミョー」は、下記のような文脈で使うこと多いのでは。
1)「今度の転校生可愛くない?」「ビミョー」
2)「A子とB子だったらどっちが可愛い?」「ビミョー」
 問いに対して「ビミョー」のひとことで済ませる。「ビミョーかも」「ビミョーだな」の類いも同類。「ビミョーに○○でウンヌン」「ビミョーで○○だからウンヌン」の○○とウンヌンが欠落している。
 こういう言葉足らずの言い方が、若者言葉なんだと思う。このテの会話だと、カタカナのほうがふさわしい気がする。
 同じような言い方でも、1)と2)では意味が微妙に違う。
 1)が『大辞泉』にあった〈4 《「ビミョー」と書くこともある》俗に、否定的な気分を婉曲にあらわす語。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」 〉の用法。
 2)が『デイリー 新語辞典』にあった(らしい)〈若者語で,断定を避ける時や判断がつかない時に用いる表現〉。
 1)を2)の意味でとると、可愛いか可愛くないかの微妙なところ、とも解釈できる。でも実際は『大辞泉』の意味の場合が多く、言いかえるなら「そうでもない」。もし本当に可愛いか可愛くないか微妙な場合は「フツー」になる(笑)。

 当方はけっこう「微妙」という言葉を使う。意味としては、2)とほぼ同じ。ただし、どうして微妙か、どのように微妙か……etc.を追記する。「微妙」のひとことで済ませていてはコミュニケーションにならない。
 これは1)2)に共通する気がするが、こういう会話を頻用しているとコミュニケーション不全にならないのだろうか。トピで消し逃げされたコメント[24]に〈それについて考えるのが面倒な時に「ビミョー」の発語がされますね〉とあった。この感じはわからなくはない。掘り下げようと思ったが、消えてしまった(泣)。
「ビミョー」のひとことで済ませて言葉をにごし(これを「お茶をにごす」にするとどうかわるのかは不明)、あいまいな態度で通す。
 これが現代の若者の気質の一面……と言われたら微妙だけど、反論するのはむずかしい。

 同様に、相手との会話を間接的に拒否するときに使われる若者言葉に「○○○○」があるって話をかなり前に書いたんだけど、なんだったのか思い出せない(泣)。

40分


 

微妙 ビミョー 普通 フツー 先生 センセー 改訂版 辞書〈3〉

 下記の続き。
【微妙 ビミョー 普通 フツー 先生 センセー 改訂版 辞書〈2〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1934173007&owner_id=5019671
==============引用開始
 同様に、相手との会話を間接的に拒否するときに使われる若者言葉に「○○○○」があるって話をかなり前に書いたんだけど、なんだったのか思い出せない(泣)。
==============引用終了

 やっと思い出した。
 下記だ。
普通においしい【3】──「普通においしい」「普通に可愛い」
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1761.html
==============引用開始
【引用部】
 友達関係を表す場合などでは積極的には関与しない間柄を表す場合もあるようです。「なあ、俺のこと好きか」に対して「普通」と答えられたら、どうでしょう。ある年代以上の人は、「俺は単なる友達なんだ」とがっかりする一方で、安心もするでしょうが、そんな答えをされたら、若い人はひどく落ち込みます。あなたに関心がない、好きと嫌いのスケールにも載せられない、という積極的な不関与を宣言されたことになるからです。(p.60)

「普通に」とはあまり関係のない話だが、書き手の論理性を示す例なので、長めに引用した。これは何が書いてあるんだろう。「俺のこと好きか」に対して「普通」と答えたら、それはかなり明確な拒絶じゃないかな。それは若い世代だって同じだろう。それで安心するような相手にこんな質問したら、「単バカ」だよ。前提がおかしい。それにしても「積極的な不関与」ってどういうこと?
 食べもので考えよう。「(食べもの)は好き?」に対して「普通」と答えた場合は、2つ考えられる。
  1)とくに好きでも嫌いでもない
  2)普通に好き
 どちらかと言うと、1)だろうな。
 もうひとつ考えられる側面がある。話している相手に「積極的な不関与」を宣言している。たとえば、親が「○○はどう?」と訊いたときに反抗期のガキが「普通」と答える。これは、詳しく話すのがメンドーなときの無難な答えとして定着している気がする。
==============引用終了

「微妙(ビミョー?)」にしても「普通」にしても、ひと言で済ませるのは〈話している相手に「積極的な不関与」を宣言している〉ニュアンスが強い。
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