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【「だから」「なので」の違い【7】 「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年10月30日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1934483558&owner_id=5019671

 直接的には下記の続きだろうな。
【「だから」「なので」の違い【1】~【6】  「~から」「~ので」「~で」「で」「から」「ので」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1680.html

 どうにもしっくり来ないんで、教えて! gooで質問した。
 日本語関係で質問したのは3回目だけど、なんで当方の疑問はすんなり解決しないのだろう。そりゃすんなり解決しないような質問をしているからかもしれない「。それにしても……。
【「了解しました」「了解いたしました」が不適切な理由】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8456636.html
【「かしこまりました」は謙譲語なのでしょうか】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8499357.html
続【「ので」と「ため」の違いについて】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8773212.html

 今回はコメント30にまで達した。あまり多くは語りたくない。
 当方に理解できるのは、どうやら重要なのはNo.1とNo.30なのかもしれないってこと。どうやら当方が考えていたことはさほど的外れではないようだ。ただ、ちゃんと説明するのは相当の難物らしい。
 まず、No.1のコメントと「お礼」を転載する。
==============引用開始
No.1
回答日時:2014/09/30 17:29

 質問者の疑問は、「ので」・「から」の使い分けにあるのか、あるいは接続の方に問題を感じていらっしゃるのかが、はっきりしません。あるいは、両面にわたっているのかも知れません。
 取り敢えずは、「日本文法大辞典」の「ので」の項目にある説明を転載しておきます。(長文)

「ので」は概していえば、事態の客観的な叙述、つまり、既定の事実として、因果関係などか事柄自体に内在するものと認めたうえで、それをそのままに表現するのに用いられる傾向がある。したがって、同種の接続助詞「から」と比較した場合、話し手が主体的な立場である事柄を原因・理由に取り上げたうえで、それから順当な帰結として導かれる判断と結びつけようとする表現には「から」が用いられ、「ので」は用いられないのが普通だとされる。
 たとえば、その判断が主観に属する面の強い、意志や推量を表わす表現、いい・悪い・好き・嫌いなどの個人的な感覚・感情に支配される表現や、また、正当な理由づけをもって相手に何らかの行為を要求する、命令・禁止・勧誘・依頓その他、それに類する表現などには、「から」がもっぱら用いられ、「ので」は一般には用いられないというわけである(永野賢「『から』と『ので』とはどう違うか」『国語と国文学』(昭和二七・二)。
 しかし、上述のことは、その表現形態上の特徴をごく概括的にみていえることであって、平叙文などにおいては、個々の文脈から整然と「ので」と「から」を機能的に異質なものとしてとらえるのは困難であり、格助詞「へ」と「に」について、動詞「行く」「来る」などとの結びつきでは、その違いを明確に区別できないのと同様に、これもある面までは同義的に重なり合つているものとみるべきだろう。
 ただ、「ので」が素材間自体に見られる因果関係の客観的な表現であり、「から」に比べて、その文の陳述とはかかわりあいが薄く、従属的であることは次の点から明らかである。すなわち、「頭が痛いので委員会に欠席するから、よろしくお伝えください」のように、「から」に導がれる従属文中にさらに「原因」「埋由」などを述べる事柄がある場合には、それは「ので」によつて表わされるが、その逆はないということや、「から」のように、あとに「は」「も」「こそ」などの係助詞を伴う用法が「ので」にはないこと、あるいは、「から」には、「……からだ」のように、原因・埋由・根拠などだけをその結果と結びつけずに取り立てて述べる用法があるが、「ので」にはないことなどである。
 ところが一方、「から」は、前件を主体的に取り立てて後件に結びつけるために、表現主体の立場が強く前面に出てきて、押しつけがましい印象を聞き手に与えると感じられるためか、一般には「ので」が用いられないとされる、依頼表現などにおいても、「試合終了後は大変混雑いたしますので、お帰りの切符は今のうちにお求めになっておいてください」「工事中何かとご不便をおかけすることと思いますので、何とぞ暫くの間御辛抱願い上けます」のように、表現を丁寧にしようとする場合にはしばしば用いられる。
 また、男性に比じて、女性に好んで「ので」を多用する傾向がみられるのも、いかにもそうなる、あるいはそうするだけのやむをえない理由がそこにあるといつたニュアンスを「ので」が負っていることによるものとみられる。
 すでに一語の接続詞と化している、「それで」と「だから」の間にも、この「ので」と「から」と同様の関係がみられる。つまり、「ので」に対応するのが「それで」であり、「から」に対応するのが「だから」である。
 「いいつけを守らなかつたばかりに、こんなことになつてしまいました」に対し、「だから、あれほど注意しておいたのに」と応じるわけであつて、「それで」とは応じない。また、「電車が事故を起こしました」に続けて、「それで、三十分遅刻しました」といったほうが、「だから、……」というよりも、いかにも自分の責任の及ばない問題であるといったニュアンスを帯び、弁解がましい点が少なくなるわけである。(倉持保男)

【この回答へのお礼】
 コメントありがとうございます。毎度ややこしい話で申し訳ございません。

>「ので」・「から」の使い分けにあるのか、あるいは接続の方に問題を感じていらっしゃるのか
 おそらく両方になるかと思います。
 もしかすると、〈「ので」・「から」の使い分け〉を考えると、意味の違いはほとんど関係ないのでは……と言う気がします。
【ので】が使えない例を考えると、〈接続〉の問題でしかないような……。

『日本文法大辞典』ですか。
 やはりこういう話だと、このテのものをひく必要がありますかね。長い記述をありがとうございます。
 永野賢氏の論文に関する記述も、いままで目にしたものよりずっと詳しい気がします。
 予想どおり、辞書の類いはこの論文からもってきていますね。

>「頭が痛いので委員会に欠席するから、よろしくお伝えください」のように、「から」に導がれる従属文中にさらに「原因」「埋由」などを述べる事柄がある場合には、それは「ので」によつて表わされるが、その逆はない
 ウーン。
「頭が痛いから委員会に欠席するので、よろしくお伝えください」
 は×ですかね。「委員会ヲ」にすればさほど問題はないような。
 かなり難解なので、何度か読み返してみます。
 
 ひとつお願いがあります。
 前編(↑の【「ので」と「ため」の違いについて】をこう呼ぶことにします)のNo.14で〈「信州大学」のサイトにある山本もと子氏の考え方にはわたしは同調出来ません〉と書かれた理由をご説明いただけませんか。
 あれ? リンクが切れてますかね。
 山本もと子氏が〈丁寧さのストラテジーによって生じると言える〉としているのは極論めいていると思います。

1)話し言葉か書き言葉か
2)丁寧さの度合いか
3)主観か客観か
 いずれにしても決定打ではなく、「しいて言えば」くらいのことではないかという気がします。ほとんどの例で両方が使えるのですから。
==============引用終了

 No.30の「お礼」は下記。
==============引用開始
【この回答へのお礼】

「現代の国文法の素晴らしさを味わう」境地にはとうてい到達できそうにありません。〈徒に文法など詰まらんとノタモウ「有識者」であり続けます〉……当方はそこまでも到達していないので、「あり続け」る心配はないかと……。

>是非読んでいただいて
 時間ができたら読んでみたいとは思います。
 当方の質問が、これらを読まなければ理解できないような難問ならば、あきらめるほうがいい気がします。

 今回のやり取りで、ハッキリ理解できたと思えることは、さほど多くありません。
 多くの部分でモヤモヤした感じが残っています。
〈新しいので丈夫だ。」や「高いから買えない。」にかえると×〉になる理由はわからないままです。
 <判断の根拠>の解説は、一読するとわかった気になれます。
 しかし、下記の1)【ので】を2)【から】にかえると意味がどうかわるのか、当方には説明できません。2)は×なのでしょうか? 〈推量の「だろう」が欠かせない。〉か否かは保留します。
  1) 新しいので(おそらく)丈夫だろう。
  2) 新しいから(おそらく)丈夫だろう。
 <ことがらの理由>も同様です。「高いので(とても)買う気になれない。」は×なのでしょうか?
 これでは当方には〝限定〟できるか否かの判断はできません。


>これらの標準的な回答はいの一番の#1において既にきちんとなされています。
 No.1の回答なら多少理解できる気がします。
 以下、〈 〉内はNo.1の回答にある言葉です。当方の解釈に間違いがあればご指摘ください。
〈女性に好んで「ので」を多用する傾向がみられる〉など、微妙な違いはあるようです(「女性」と言えるか否か、「好んで」「多用」とまで言えるか否かはわかりません)。
 当方は「話し言葉的か書き言葉的か」と考えています。それは丁寧度の違いと考えることもできます。「主観・客観」と考える人もいるようです。ただしNo.30のコメントによると
>いまどき国文法での「主観・客観」論議は、具体的例文の提示内容やその度合いの識別があいまいなタームとして、ほとんど使われなくなっています。
 ということなのですね。共感できます。一概には言えないのかもしれませんが、ほかのテーマでも理解に苦しむ「主観・客観」を持ち出す人がいて、当方はウンザリしています(No.20の「お礼」参照)。
 あるいは、kさんがお書きなったように「文体」の問題と考えるほうがよい場合もある気がします。

 ただ、そういった微妙な違いはさほど大きな問題ではないでしょう。
〈違いを明確に区別できない〉〈これもある面までは同義的に重なり合つているものとみるべき〉
 ですから、ある面まで(実質的には「多くの場合」の気がします)はどちらも同じような意味で使えるはずです。
「ので」は〈「から」に比べて、その文の陳述とはかかわりあいが薄く、従属的である〉とのこと。【ので】の制約1)が生じるのはそのためでしょう。

 ただしNo.1やNo.4の「お礼」にも書いたように、現段階ではNo.1のコメントの後半部には疑問も感じています。いろいろ調べながら精読してみます。
==============引用終了

 こういうややこしい問題の場合は、やはりちゃんとした文法辞典を読むべきなのだろう。それはわかっているのだが、どうにも気が進まない。
 辞典なんだから多少とっつきにくいのはしかたがない。それも文法の話なんだから多少むずかしいのは当然だろう。それにしたってもう少し書き方があるだろうに。こういう読み手に理解してもらおうという気持ちが感じられない文章を前にすると、ホニャララして読む気が失せる。
682)【学者の言葉〈2〉──「わからない」「わかりにくい」ということ】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1816531968&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2295.html

 こんな辞典を頻繁に使っていたら、ストレスでどうにかなって、ますます文法が嫌いになりそうだ。しかも引用するためには入力しなければならない。
 ちなみにNo.4の「お礼」は下記。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■引用開始
【この回答へのお礼】

>山本氏の論文の紹介 PDF文書が見られません
 一時リンクが切れていたのに、復活しましたね。OKATさんが張ったリンク先からもたどれるようです。

>ここで重要なのは、「これまで永野(1952)以来「から」は原因・理由を主観的に説明するものであり、「ので」は因果関係を客観的に描写するものであると分類されてきたが、未だ統一的な見解に至っていない。」という部分です。
 そのとおりだと思います。
 倉持氏の解説を見ても、ほかのかたの論文を見ても同様に見えます。Web辞書の類いが、なぜ永野説にのっとったと思われる記述のままなのか疑問です。
 
 当方の現段階の考えは、No.1に「お礼」に書いたとおりです、同根か否かは別にして、現状では3つの考え方がある気がします。いずれも決定的なものではなく「しいて言えば」くらいの気がします。

>《接続の問題について》
 やはり当方は文法が×のようです。「のだ」は
1)準体助詞「の」+格助詞「で」
2)準体助詞「の」+断定の助動詞「だ」
 どちらなのでしょう。
 辞書を見る限り、〈2)準体助詞「の」+断定の助動詞「だ」〉は「これは君のだ」のような使い方が主の気がします。当方には何がなんだか。
 ちょっと気になるのは、〈2)準体助詞「の」+断定の助動詞「だ」〉と解釈すると、「なのだ」はどうなるのでしょう。

>「のでです」が使えなければ「のです」で済ますことも可能になります。
 コロンブスの卵かも。ただ、一概には言えない気もします。たとえば〈【ので】の制約1)〉の例文の場合は少し不自然な気が。
  遅刻したのは、電車が遅れたのです

 ちなみに……。
 あまり辞書に逆らうものではないし、引用していただいた記述にケチをつけるようで気が引けるのですが。 
『日本文法大辞典』の下記部分はどうなんでしょう。
==============引用開始
すでに一語の接続詞と化している、「それで」と「だから」の間にも、この「ので」と「から」と同様の関係がみられる。つまり、「ので」に対応するのが「それで」であり、「から」に対応するのが「だから」である。
==============引用終了

「それで」は「ので」と対応しますかね。
 ピッタリのものがなくて、そこに入り込んだのが「なので」の気がします(最近一部の辞書で接続詞になったようです)。「から」に対応するのが「だから」と「ですから」(これは新しい言い方?)でしょう。
 さらに言うと、「だから、あれほど注意しておいたのに」の「だから」はちょっと意味が違う気がします。
http://kotobank.jp/word/%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82 …
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
だから

( 接続 )
〔助動詞「だ」に助詞「から」が付いたもの〕
それゆえ。そんなわけで。 「なに,壊した。-,注意したのに」 「 -言わないことじゃない」
==============引用終了
『大辞泉』の記述も同様です。
「なので」と同様の意味の「だから」は「それゆえ」「そんなわけで」の意味でしょう。
 しかし、「だから、あれほど注意しておいたのに」は意味合いがかなり違います。あえて書きかえるなら「そうなる(のがイヤだ)から」くらいでしょうか。まだ「それゆえ」ならアリかもしれません。「だから言わないことじゃない」だと一種の慣用句のような……。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■引用終了
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