助詞の話11「ガ」の特殊用法── あるがまま 龍がごとく あるがゆえ 辞書
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671
mixi日記2014年11月10日から
直接的には下記の仲間だろうな。
【助詞に関する話】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3159.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1934952669&owner_id=5019671
テーマサイトは下記。
【天才である「が」故の孤独】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12138008247/a344341035
まず全文とを転載する。
==============引用開始
天才である「が」故の孤独
この「が」は何でしょうか? 僕の手持ちの辞書では見つけられませんでした。
==============引用終了
「特殊用法」というほどではないと思うが、一応通常の辞書では調べにくいもので。
回答が1つしかつかない。やはり難問なんだろう。
その回答は、【一 ④ 連体修飾格を表す。「の」と同じ。現代語では文語的表現のみに用いる。多く,所有・所属・同格などの関係を表す。 「我-校の名誉」 「梅-香」 「己(おの)-分を知りて/徒然 131」】というもの。
そうなのか?
「の」に書きかえてみる。
「天才であるの故の孤独」……しっくり来ない。
辞書を確認してみたが、ピッタリのものはない気がする。だから質問者も悩んでいるのだろう。あえて言うなら下記だろうか。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%8C-223873#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
が
一( 格助 )
体言および体言に相当するものに付く。
⑤「ごとし」「ままに」「からに」などに続いて,連用修飾語を作る。 「山は人の無力をあざわらう-ごとくそびえている」 「たけき河のみなぎり流るる-ごとし/徒然 155」
==============引用終了
やや古い用法の気がする。「ままに」などに続くのは「あるがままに」とかだろうと思ったが違うようだ。「ある」は「体言および体言に相当するもの」じゃない。
「龍がごとく」なんてのはアリだな(笑)。「龍がごとき容貌」のように「連体修飾語」をつくるのは×なのかなぁ。
「あるがまま」と「あるがゆえ」はきわめて近いにおいがする。
こりゃちゃんとした文法辞典が必要か、と諦めかけた。
ちょっと意外なところに活路があった。
https://kotobank.jp/word/%E6%95%85-213045#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
故【Hué】
(形式名詞) 体言や活用語の連体形などに付いて用いられる。
㋐理由を表す。…のため。…だから。 〔「…ゆえに」 「…がゆえに」の形でも用いられる〕 「酒の席のこと-大目にみてほしい」 「君-に無理な注文もきくのだ」 「しばらく留守にする-あとを頼む」 「貧しきが-に犯した罪」
==============引用終了
『大辞泉』にはこのテの記述が見当たらない。ホントにもう。
なんでこれが形式名詞なのかは不明だけど無視する。
例文の最後が「貧しきが故に犯した罪」(貧しさのため犯した罪)。
「天才であるが故に孤独だった」は「天才のため孤独だった」「天才だから孤独だった」という意味。
これを名詞的にしたのが「貧しきが故の犯罪」「天才であるが故の孤独」ってことだろう。
「が」の意味は何かと言えば、意味はない。(←オイ!)
「…故{に/の}」と 「…が故{に/の}」で、意味はほとんどかわらない。
その意味では「あるがまま{に/の}」の「が」もなくてもいい気がする。やはり「あるがまま{に/の}」と「あるが故{に/の}」は親戚って気がする。
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直接的には下記の仲間だろうな。
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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12138008247/a344341035
まず全文とを転載する。
==============引用開始
天才である「が」故の孤独
この「が」は何でしょうか? 僕の手持ちの辞書では見つけられませんでした。
==============引用終了
「特殊用法」というほどではないと思うが、一応通常の辞書では調べにくいもので。
回答が1つしかつかない。やはり難問なんだろう。
その回答は、【一 ④ 連体修飾格を表す。「の」と同じ。現代語では文語的表現のみに用いる。多く,所有・所属・同格などの関係を表す。 「我-校の名誉」 「梅-香」 「己(おの)-分を知りて/徒然 131」】というもの。
そうなのか?
「の」に書きかえてみる。
「天才であるの故の孤独」……しっくり来ない。
辞書を確認してみたが、ピッタリのものはない気がする。だから質問者も悩んでいるのだろう。あえて言うなら下記だろうか。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%8C-223873#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
が
一( 格助 )
体言および体言に相当するものに付く。
⑤「ごとし」「ままに」「からに」などに続いて,連用修飾語を作る。 「山は人の無力をあざわらう-ごとくそびえている」 「たけき河のみなぎり流るる-ごとし/徒然 155」
==============引用終了
やや古い用法の気がする。「ままに」などに続くのは「あるがままに」とかだろうと思ったが違うようだ。「ある」は「体言および体言に相当するもの」じゃない。
「龍がごとく」なんてのはアリだな(笑)。「龍がごとき容貌」のように「連体修飾語」をつくるのは×なのかなぁ。
「あるがまま」と「あるがゆえ」はきわめて近いにおいがする。
こりゃちゃんとした文法辞典が必要か、と諦めかけた。
ちょっと意外なところに活路があった。
https://kotobank.jp/word/%E6%95%85-213045#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
故【Hué】
(形式名詞) 体言や活用語の連体形などに付いて用いられる。
㋐理由を表す。…のため。…だから。 〔「…ゆえに」 「…がゆえに」の形でも用いられる〕 「酒の席のこと-大目にみてほしい」 「君-に無理な注文もきくのだ」 「しばらく留守にする-あとを頼む」 「貧しきが-に犯した罪」
==============引用終了
『大辞泉』にはこのテの記述が見当たらない。ホントにもう。
なんでこれが形式名詞なのかは不明だけど無視する。
例文の最後が「貧しきが故に犯した罪」(貧しさのため犯した罪)。
「天才であるが故に孤独だった」は「天才のため孤独だった」「天才だから孤独だった」という意味。
これを名詞的にしたのが「貧しきが故の犯罪」「天才であるが故の孤独」ってことだろう。
「が」の意味は何かと言えば、意味はない。(←オイ!)
「…故{に/の}」と 「…が故{に/の}」で、意味はほとんどかわらない。
その意味では「あるがまま{に/の}」の「が」もなくてもいい気がする。やはり「あるがまま{に/の}」と「あるが故{に/の}」は親戚って気がする。
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