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「逆に」の正体

 少し前に気づいたが、放置しているうちに忘れてしまっていたネタ。
 もしかしたらすでに書いているかも(泣)。

 接続詞のように使われる「逆に」という言葉がある。この正体がわからない。Web辞書で見る限り、「逆に」という項はない。たぶん下記になる。
https://kotobank.jp/word/%E9%80%86-51689#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
==============引用開始
デジタル大辞泉の解説
ぎゃく 【逆】

[名・形動]
1 物事の順序・方向などが反対であること。また、そのさま。さかさま。「立場が―になる」「―コース」⇔順。
2 論理学で、ある命題の主語と述語を換位して得られる命題。「pならばqである」に対して「qならばpである」という形式の命題。最初の命題が真でも、逆命題は必ずしも真ではない。
3 柔道で、関節技のこと。逆手(ぎゃくて)。
4 道理や道徳に反すること。また、そのさま。「朝廷の御為(おんため)には…―に与(くみ)する条理なし」〈染崎延房・近世紀聞〉
==============引用終了

●疑問1) 「立場が逆になる」の「逆に」の品詞は?
「立場が逆になる」の「逆に」が、名詞「逆」+「に」なのか、形容動詞「逆」の連用形なのかは、言葉の神様に訊いてください。どちらでも大差はない。

●疑問2) 接続詞的用法の「逆に」の品詞は?
 問題は文頭で接続詞のように使う「逆に」。
1)「逆に、幸運だったとも考えられる」
2)「逆に、あちらはどう考えているのか」
 見た感じは接続詞以外の何者でもないんだけど、辞書は認めてくれない。
 しょうがないから、接続詞的用法と考える。

●疑問3) 接続詞的用法の「逆に」の役割は
 接続詞の役割の分類は、下記に従う。
【接続詞(っぽい言葉)の役割──順接/逆接/並列・追加/対比・選択/説明・補足/転換】 【20130314改定版】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2727.html

 フツーに考えると「逆接」だろう。ところがそう簡単な話ではない。
「逆に」が口癖になっている人の話をよく聞くと、「逆に」が順接のときもある……って話は別よ。
【疑問2)】であげた例文は実は深い計算に基づいている(例によって誰も言ってくれそうにないので、自分で書いておく)。
 一般的な接続詞に書きかえてみる。
3)「しかし、幸運だったとも考えられる」
4)「いっぽう、あちらはどう考えているのか」
 3)の「しかし」は「逆接」の代表格。4)の「いっぽう」は「逆接」の場合もあるが、「対比・選択」と考えたほうがいい場合が多い。
 ということは、接続詞的用法の「逆に」も「逆接」と「対比・選択」の2つの役割があるってことだろう。
 
30分
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