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「ただ」の接続詞的用法 辞書

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【14】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935528999&owner_id=5019671

mixi日記2015年01月28日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1938134206

 テーマサイトは下記。
【接続詞「ただ」について質問があります。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11141195066
==============引用開始
接続詞「ただ」について質問があります。

接続詞「ただ」は種類としては、「補足・理由説明」でしょうか? 他の5パターン、「順接・因果」、「逆接」、「並列・付加」、「対比・選択」、「転換」にも当てはめる事ができるように思います。

「ただ」はとても抽象的な表現と思います。


接続詞「ただ」は種類としては、「補足・理由説明」でよろしいのでしょうか?

詳しい方回答お願いします。
==============引用終了

 うーむ。Web辞書には驚かされることが多い。
 Web辞書を見る限り、「ただ」という接続詞はないらしい。
 それだけなら驚くようなことではない。品詞分類では副詞だけど、接続詞的に使われる言葉はけっこうある(はず)。「たとえば」とか。
 感覚的には、「ただ」は「ただし」と同じように接続詞的に使える。
 ところが、Web辞書を見る限りは、そういう使い方をすることさえむずかしい。
https://kotobank.jp/word/%E5%8F%AA%E3%83%BB%E5%BE%92-320241#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
ただ【只・徒】

三 (副 )
①ありきたりに。普通。 「 -有る蛇(くちなわ)なめりと人思ふ程に/今昔 13」
②何もせず。 「御忌日なれば,猶-臥し給へれ/落窪 2」 → ただならぬ
==============引用終了

『大辞泉』には「ただ」の項目さえ見つからない。ときどきこういうことがある。当方のひき方が悪いんだろうか。小学校に戻るべきか。
 手元の『広辞林』を見ると、「ただ」の3番目の意味で下記のようにある。
==============引用開始
三[唯・只](接)ただし。「人数の点は自由です。ただこどもは困ります」
==============引用終了

 つまり「ただし」と同様の意味で「接続詞」として使えるってこと。
 なんだよ。
 今度は「ただし」をひく。

https://kotobank.jp/word/但し-560736#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
大辞林 第三版の解説
ただし【但し】

( 接続 ) 〔副詞「ただ」に助詞「し」の付いた語〕

上に述べたことについて条件や例外を付け足すときに使う。しかし。だが。 「明日,運動会を行う。-,雨天の場合は中止する」 「全員集合せよ。-,病気の者は除く」

①「ただ」を強めた語。 「男女十余人皆,其の難にあひて…更にたのむ所なし。-,三宝の加護に非ずは,誰か此の難を助けんと思ひ得て/今昔 12」
②前文に対する疑問・推量などの文を導くために使う。もしかしたら。 「十月を神無月と云ひて,神事にはばかるべきよしは記したるものなし。…-,当月諸社の祭なき故に,この名あるか/徒然 202」
③ところで。さて。 「 -,この大臣(おとど)は…清和天皇のおほぢにて/大鏡 良房」
④それとも。あるいは。ただしは。 「酒が飲れぬか,せめてひとり成とも出ぬか,-かへれといふ事か/浮世草子・一代女 5」
==============引用終了

 接続詞「ただし」の働きが何かというと、これがまた微妙な話になる。当方は接続詞の働きを6つに分けている。
 詳しくは下記をご参照ください。
【接続詞の役割&一覧──順接/逆接/並列・追加/対比・選択/説明・補足/転換】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n125529
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2727.html

「ただ」と「ただし」は同じ扱い。厳密に言うと「ただ」と「ただし」にはニュアンスの違いがある。「ただ」のほうが話し言葉的で「ただし」のほうが書き言葉的。でもそのことにこだわる気はない。
 一般には「5)説明・補足 」だけど、「2)逆接」で使うこともある。これは場合によっては微妙なことが多いから。
 ↑の辞書を見てもわかるだろう。
「一」は「5)説明・補足 」だろう。例文を見る。

1)明日,運動会を行う。ただ(し),雨天の場合は中止する
2)全員集合せよ。ただ(し),病気の者は除く」

 意味に「しかし。だが。」とあるように、どちらも「逆接」の「しかし」にできなくはない。まあ、この場合は「ただ(し)」のほうが素直で、一般的には「ただ」より「ただし」を使うだろうな。
 意味としては「5)説明・補足 」。辞書にあるとおり、〈条件や例外を付け足すときに使う〉。「ただし書き」ってそういうことだろう。
 じゃあ下記だとどうか。
3)「ただ」の働きは「説明・補足 」のことが多い。ただ(し)、「逆接」のこともある。
 こうなると、「ただ(し)」を「しかし」にしてもおかしくはない。つまり、「逆接」の意味で使われている。

 このほか、二③の意味で使われるなら「ところで」だから「6)転換」になる。これは現代ではほとんど使われないのでは。

【追記】
『大辞泉』の記述を見つけた。
「ただ」ではヒットしないが、「唯」だとヒットする。理由は不明。
『広辞林』と同様。接続詞で、「ただし」と同様に使えるようだ。
https://kotobank.jp/word/%E5%94%AF-429919#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
==============引用開始
デジタル大辞泉の解説
い【唯】[漢字項目]

⇒ゆい
ただ【▽唯/×只/▽但】

《「直(ただ)」と同語源》
[副]
1 そのことだけをするさま。それよりほかにないと限定するさま。ひたすら。もっぱら。「―時間ばかりかかる」「―無事だけを祈る」
2 数量・程度などがごく少ないさま。わずかに。たった。「正解は―の三人だった」「―一度しか休まない」
3 (「ただ」+動詞の連用形+「に」+動詞の形で)そのことだけが行われるさま。ひたすら。「―泣きに泣く」
[接]前述の事柄に対して、条件をつけたりその一部を保留したりするときに用いる。ただし。「出かけていい。―、昼までには帰るように」
==============引用終了
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