助詞の話 「ニ」か「ガ」か

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
 下記の仲間でもある。
【助詞に関する話】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3159.html

 テーマサイトは下記。
この文章の【に】の使い方
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8939886.html
==============引用開始
皆さん、こんにちは、
初めまして、日本語を勉強しているスペイン人です。
この文章の「に」の使い方はよく分かりません。
「子供【に】分かるように、優しい言葉で話してください」。
なぜ【に】ですか?【に】の代わりに【が】を使ったら、 
「子供【が】分かるように、優しい言葉で話してください」。意味は同じじゃないのですか?
違いがあるはずですが、私には分かりません。
よろしくお願いします。
==============引用終了

 大前提として、助詞の話はむずかしい(泣)。
 日本語学習者に説明するなら、「意味は同じ」でいいと思う。

 これを厳密に考えると、かなりむずかしい話になる。
 別の言葉なんだから、厳密に考えれば違うのかもしれない。
 でも、当方はそんな微妙な違いを突き詰める気はない。とくに日本語学習者や日本語初心者に説明するときには。

 まず、「ニ」の働き(辞書の全文は末尾に)。
〈6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。「人―よくかみつく犬」「友人―伝える」〉と考えるのが無難だろうか。
「分かるように」(「優しい言葉」でも同様)に重点を置くと、ガやデモに近づく気がする。「話してください」に重点を置くと、ニでないと不自然に感じる気がする。このあたりはさほど大きな問題ではないので、こだわる気はない。

 先行コメントのNo.5が興味深い。
〈「子供が分かる」というと、「子供のことが分かる」〉(「分かる」の対象が「子供」)という意味になる……そうかもしれない。そう考えるなら、1)の「ガ」は×になる。

 少し例文を加える。
1)子供{ニ/ガ}分かるように(優しい)言葉で話してください(先生や大人に対して?)
2)先生{ニ/ガ}分かるように事情を話してください(子供に対して)
3)子供{ニ/ガ}遊べる公園をつくる
4)子供{ニ/ガ}読めるひらがなで書いてください
5)子供{ニ/ガ}優しい先生
6)後ろの人{ニ/ガ}聞こえる大きな声で話してください
7)後ろの人{ニ/ガ}読める大きな字で書いてください

 当方の語感だと、1)〜7)のなかで×なのは下記の2つだけ。
×3)子供ニ遊べる公園をつくる
×5)子供ガ優しい先生

 2)をガにしたとき、「先生のことが分かる」より「先生が(事情を)が分かる」(「分かる」の対象が「事情」)と考えるほうが素直では。
 もし1)が自動詞だからガは×だとすると、3)のガが○になる理由がわからなくなる。
 3)はニは×だが、下記だとさほどおかしくない理由はパスしておく。
3)’子供ニ遊べる公園をプレゼントする
4)’’遊べる公園を子供ニつくる

 1)をニにするとNo.2のコメントにあるように「子供という理解能力の低い相手」に対して……というニュアンスなるのだろうか。違いが微妙すぎて当方には判断できない。
 2)の場合は「事情をよく知らない先生」に対して……くらいだろうか。
 3)4)を加味すると、「〜しにくい○○にも可能なように」という意味合いだろう。それは〈ニ+可能形〉でも〈ガ+可能形〉でも、ほぼ同じことでは。
 ガとは違う意味合いをハッキリさせたいなら、「ニモ」や「デモ」(文脈によっては「ニデモ」「(ニ)ダッテ」などもアリ)あたりのほうがふさわしい。これならガと違いが感じられる(単なる主観かもしれないが。詳細はパス)。
 おそらく、「デモ」のほうが意味が強く、一般的に使われる。「子供でもわかることです」の類い。


 と……ここまで書いて気がついた。
 本題とは少し離れるが、今回の{ニ/ガ}はノにできるものがある。 
 これはかの有名な「ガノ交替」の話になる。ノにすることによってニュアンスがどうかわるのか、なんて微妙な話には関知したくない。
 詳しくは下記をご参照ください。
【NHKの天気予報の国語について質問です】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/8830248.html

 1)〜7)の例文をノにしてみる。
1)子供ノ分かるように(優しい)言葉で話してください(先生や大人に対して?)
2)先生ノ分かるように事情を話してください(子供に対して)
3)子供ノ遊べる公園をつくる
4)子供ノ読めるひらがなで書いてください
5)子供ノ優しい先生
6)後ろの人ノ聞こえる大きな声で話してください
7)後ろの人ノ読める大きな字で書いてください
 
 2)〜4)はさほど異和感がない。
 5)はガが×なので、ノも×。
 1)6)7)はちょっと不自然。おそらく〈「間に入る語句が多い場合」は「ガ」が自然〉(コメントNo.4から)に関係がある。


https://kotobank.jp/word/に-590835#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88
==============引用開始
デジタル大辞泉の解説
に[五十音]

[格助]名詞、名詞に準じる語、動詞の連用形・連体形などに付く。
1 動作・作用の行われる時・場所を表す。「三時―間に合わせる」「紙上―発表する」
2 人・事物の存在や出現する場所を表す。「庭―池がある」「右―見えるのが国会議事堂です」
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
4 動作・作用・変化の結果を表す。「危篤―陥る」「水泡―帰する」
5 動作・作用の目的を表す。「見舞い―行く」「迎え―行く」
6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。「人―よくかみつく犬」「友人―伝える」
7 動作・作用の原因・理由・きっかけとなるものを示す。…のために。…によって。「あまりのうれしさ―泣き出す」「退職金をもとで―商売を始める」
8 動作・作用の行われ方、その状態のあり方を表す。「直角―交わる」「会わず―帰る」
9 資格を表す。…として。「委員―君を推す」
10 受け身・使役の相手・対象を表す。「犬―かまれた」「巣箱を子供たち―作らせる」
11 比較・割合の基準や、比較の対象を表す。「君―似ている」「一日―三回服用する」
12 (場所を示す用法から転じて、多く「には」の形で)敬意の対象を表す。「博士―は古稀(こき)の祝いを迎えられた」「先生―はいかがお過ごしですか」
13 (動詞・形容詞を重ねて)強意を表す。「騒ぎ―騒ぐ」
14 「思う」「聞く」「見る」「知る」などの動詞に付いて状態・内容を表す。
15 比喩(ひゆ)の意を表す。
==============引用終了
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