センター試験の凡ミスの話

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【14】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935528999&owner_id=5019671

mixi日記2015年03月日から

 直接的には下記の続きだろうな。
【言葉はかわっていくものか】〈2〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3208.html

 2015年度センター試験でホニャララな出題があったらしい。
 テーマにしたいのは、下記の「世界史B」の話。いろいろ飛び交っているが、下記あたりがわかりやすいだろうか。
【2015年度センター試験地暦の「やらかし」について】
http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52248900.html

 この話を教えてくれたのは、下記のブログ。「暦」と「歴」の変換ミスが気になったこともあり、一応裏をとった。
 2回のエントリーの全文を引用する(「暦」に統一する)。
【センター試験世界史Bの「無理題」について】
http://ameblo.jp/muridai80/entry-12005676888.html
【每日新聞「字件ですよ!」のナンセンスな訂正文】
http://ameblo.jp/muridai80/entry-12006056823.html

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センター試験世界史Bの「無理題」について
2015-03-24 20:50:33
テーマ:ブログ

 3月9日に、パソコンが壊れて、これまで難儀しました。書きたいこともいくつかあったのですが、サボってしまって申し訳ございませんでした。改めてもう一度気合いを入れ直してこのブログを書くつもりですので、よろしく。特に、若い国語教員のみなさまの意見が聞きたくなっています。

 今年のセンター試験の世界史Bで、正解が二つ認定されました。このことについて、これはすべて、出題者の日本語の未熟さからくると私は考えました。そこで、この問題をまず分析します。

 ーここからセンター試験の問題本文ー

 世界史B

 C 中国で生まれた盤上遊戯である囲碁にまつわる伝承によれば、碁盤は、大地と天体を模倣したものとされる。江戸時代の日本で、囲碁の家元に生まれた安井算哲(渋川春海)が、宣命暦に代えて、⑧貞享暦を作成したこともうなずける。(以下略) 

 問8 傍線部⑧について、述べた次の文中の空欄[ ア ]と[ イ ]に入れる語の組み合わせとして正しいものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 貞享暦は、中国の[ ア ]の時代に、[ イ ]によって作られた授時暦を改訂して、日本の実情に合うヨウにしたものである。

 ① アー元  イー顧炎武
 ② アー元  イー郭守敬
 ③ アー清  イー顧炎武
 ④ アー清  イー郭守敬

 ーここまでセンター試験の問題ー

 この問題を解いてみて下さい。

 正解について、センターは次のように答えています。

 ーここからセンターの正解ー

 ②または④を正解とする。
 [理由] 本問題の趣旨として、選択肢②が正解である。しかし選択肢④も読み方によっては誤答と排除できないため正解とした。

 ーここまでセンターの答えー

 これは、センター試験の、二つ正解のある「無理題」です。私は、『「無理題」こそ「難題」』という小冊子で、「無理題」を二つに分けました。一つは「確信型」です。わざと「無理題」を作って受験生を悩ませようとする意地悪なものです。もう一つは「うっかり型」です。日本語がよくわからないため、うっかり文章を作って、正解がはっきりしない、二つ出るというタイプです。

 この「世界史B」の「無理題」は、典型的な「うっかり型」の「無理題」です。

 私は、『「無理題」こそ「難題」』の「おわりに」で、こういった問題について、注文をつけています。

 ぜひ、これをお読み下さい。(本の注文は、Tel 0865-××-×××× まで)

 3月18日(水)の「每日新聞」が「字件ですよ」でこの問題を採り上げました。しかし、これもまったく説得力のない文章で、呆れました。

 明日はそのことを書きます。

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每日新聞「字件ですよ!」のナンセンスな訂正文
2015-03-25 19:36:51NEW !
テーマ:ブログ
 昨日の続きです。每日新聞3月18日朝刊16面「字件ですよ」が、次のような文章を掲載いたしました。

 ーここから「每日新聞」からの引用ー

 (前略)
 これまで他欄でも取り上げられたものだが、当初の正解は[ ア ]=元、[ イ ]=郭守敬。問題は[ ア ]だ。
確かに授時暦が作られたのは元の時代だが、「[ ア ]の時代」が「改訂して」にかかるとも読める。改訂したのは清の時代。紛らわしい読点と、分かりづらい文章が混乱の原因だが、指摘したのが試験中の受験生というから恐れ入る。
 <警官は泣きながら逃げる泥棒を追った>
 この文章の欠陥は「泣きながら」の主語が分からないところだ。誤読を避けるため一番大切なのは語順を考えること。「泣きながら警官は、逃げる泥棒を追った」とすれば誤読はないだろう。センター試験も「中国の[ ア ]の時代に[ イ ]によって作られた授時暦は、日本の実情に合うように改訂され貞享暦となった」とでもすれば「二つ正解」はなかったはずだが、これを見破った受験生には、ぜひ校閲記者になってもらいたい。

 ーここまで「每日新聞」からの引用ー

 昨日のセンター世界史Bの問題のポイントだけを整理しておきます。

 [本文]
 江戸時代の日本で、囲碁の家元に生まれた安井算哲(渋川春海)が、宣命暦に代えて貞享暦を作成したこともうなづける。

 問題 下線部について述べた次の文中の空欄に入れる語の組み合わせとして正しいものを一つ選べ。

 貞享暦は、中国の[ ア ]の時代に、[ イ ]によって作られた授時暦を改訂して、日本の実情に合うようにしたものである。

[ポイント]
 ❶ 『[ イ ]によって』の係るところは、「作られた」以外にはない。したがって、[ イ ]には、郭守敬しか入らない。
 ❷ 『中国の[ ア ]の時代に』は、「作られた」にも係るし、「改訂して」にも係り得る。「作られた」に係るとすれば、ア=元であり、「改訂して」に係るとすれば、ア=清である。

 この❷が、センターをして両方正解とせざるを得なかった大切な点です。

 実は、この問題、「句読点」と、「語順」が絡んでいるのですが、この每日新聞校閲部の文章によれば、「誤読を避けるため一番大切なのは語順を考えること」とあるので、「句読点」を除いて、誤読を避けた文を書いてみます。

○ 「中国の[ ア ]の時代に郭守敬によって作られた授時暦は日本の実情に合うように改訂され貞享暦となった。」

 ね、これでは、誤読を避けた文にまったくなっていないでしょう。

 私がナンセンスな訂正文と冷やかすのは、訂正したことになっていないからです。

 では、どうすればよいか。

 日本語の「係り受け」には、大きなルールが二つあります。

 ① 「係り受け」を矢印で示すと、矢印は上を向かない。
 ② 「係り受け」の矢印は交錯しない。

 詳しく知りたい方は、私の『「無理題」こそ「難題」』102頁~104頁をぜひ参考にして下さい。

 このことから、次のように、説明文を作ればよかったのです。

○ 「貞享暦は郭守敬によって中国の[ ア ]の時代に作られた授時暦を改訂して日本の実情に合うようにしたものである」

 1 「郭守敬によって」は「作られた」以外には係りません。(「本文」から)
 2 「中国の[ ア ]の時代に」は、「作られた」にしか係りません。
 理由 「改訂した」に係るとすると、1と、係り受けの矢印が交錯するからです。

 センターの問題も、次のようになっておれば、問題がなかったはずです。

問題 下線部について述べた次の文中の空欄[ ア ]と[ イ ]に入れる語の組み合わせとして正しいものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

 貞享暦は、[ ア ]によって中国の[ イ ]の時代に作られた授時暦を改訂して、日本の実情に合うようにしたものである。

 ① アー顧炎武  イー元
 ② アー郭守敬  イー元
 ③ アー顧炎武  イー清
 ④ アー郭守敬  イー清

 正解は②です。

 以上、生意気な書き方になりましたが、よろしく、判読ください。また分からない点についてはぜひコメントをお願いします。

 なお、『「無理題」こそ「難題」』が、必要ならお送りします。電話(0865-××-××××)で知らせて下さい。

 「読点」の問題については、また書くつもりです。

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 修正文に関して結論を書くと、ブログ主のめたさんの修正文も、毎日新聞の修正文もおかしくないと思う。ただ、ちょっと気になる点もある。
 以下、本多読本の記述をベースに(したつもりで)書く。

 まず、本来の正答の一部を選択した上で【原文】と【修正文1】(毎日新聞版)と【修正文2】(めたさん版)を抜粋する。
【原文】
貞享暦は,中国の●の時代に,郭守敬によって作られた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものである。
【修正文1】
中国の●の時代に郭守敬によって作られた授時暦は、日本の実情に合うように改訂され貞享暦となった。
【修正文2】
貞享暦は(、)郭守敬によって中国の●の時代に作られた授時暦を改訂して日本の実情に合うようにしたものである。

 原文は論外。「中国の●の時代に」が、「作られた」(元時代)にかかるのか、「改訂」(清時代)にかかるのか不明。
 これを読点を使わずに語順の入れかえでわかりやすくするにはどうすればいいのか。

【修正文3】(似非本多読本風)
中国の●の時代に郭守敬によって作られた授時暦を日本の実情に合うように改訂したのが貞享暦である。

「中国の●の時代に」と「郭守敬によって」は長さはほぼ同じなのでどちらが先でもいいが、「時」を表わす句が先にあるほうが自然だろう。【修正文2】のように「中国の●の時代に」と「作られた」を近づけたほうがわかりやすいという考え方もあるだろう。
 これの主語をねじ曲げたのが【修正文1】。語順はほぼ同じだが、「主語をねじ曲げた」理由は不明。1つだけある読点は、なくてもいい。これくらい長い主語(的なもの)なら、あったほうがいいかも。
【修正文2】でもOKだが、「貞享暦は(、)」を冒頭にするなら、読点は是非欲しい。
 主語のあとだからではなく、逆順になっているから。本来は文末にあるべき「貞享暦」を文頭にもってきている。そのため逆順の読点がないとわかりにくくなる。さらに言うと、後半に「もの」という「形式名詞」が必要になる。こういう長めの一文ではできれば避けたほうがいい。【修正文3】で「改訂」を移動した理由もちょっと似ているかも。
 それを言うと、【修正文3】の「改訂したのが」の「の」も同様(正確には「準体助詞」?)だけど。【修正文1】が主語をねじ曲げたのが「準体助詞」を削除するためなら、それはそれで一理ある。
 ただ、【修正文3】の「の」は「である」と対応させるために使ったもので、下記のように文が続くなら不要になる。
【修正文1】
中国の●の時代に郭守敬によって作られた授時暦は日本の実情に合うように改訂され貞享暦となり、〜
【修正文2】
貞享暦は、郭守敬によって中国の●の時代に作られた授時暦を改訂して日本の実情に合うようにしたもので、〜
【修正文3】
中国の●の時代に郭守敬によって作られた授時暦を日本の実情に合うように改訂した貞享暦は、〜





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