差別語、差別用語、放送禁止用語、放送禁止歌

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【15】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941799128&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記。
【「手が足りない」は、使ってはいけない言葉に含まれているのでしょうか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9049689.html
==============引用開始
大田直子著の ”字幕屋に「、」は無い” を読んで、下記のような記述に出会いました。
[私も、原稿に「手が足りない]と書いたら、クレームが来そうなので、「人出が足りない」にしてくださいと懇願されたことがあります。]
「使ってはいけない言葉たち」という小見出しのなかに、有りました。
私は、(最近の)社会の動向に疎いもので、教えてください。
「手が足りない」は、使ってはいけない言葉に含まれているのでしょうか?
==============引用終了

 非常にむずかしい話なので、かいつまんで書く。
 まず「放送禁止歌」の話から。
 これは森達也(敬称略)の労作がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E9%80%81%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%AD%8C
==============引用開始
本作はフジテレビの深夜番組『NONFIX』にて1999年11月に『「放送禁止歌」〜歌っているのは誰? 規制しているのは誰?〜』というタイトルで放送され、さらに番組の制作過程がまとめられ書籍化される。2000年7月にデーブ・スペクター監修により解放出版社から刊行。2003年6月に加筆修正され、光文社文庫より文庫化される(ISBN4-334-78225-6)。
このドキュメンタリーは、1959年に日本民間放送連盟により定められた自主規制内規制度、要注意歌謡曲指定制度により放送不可となった楽曲が、なぜ放送できなくなったのか、なぜこのような制度が出来たのかを、楽曲を歌ったアーティストや放送局、民放連や部落解放同盟など、様々な関係者に多角的に取材を行い、自主規制の背景を検証している。また、番組内ではそれまで「自主規制」により放映できなかった放送禁止歌を、局内での調整を経て放映している。
==============引用終了
 当方が読んだのは原作とも言える文庫本。
 簡単に書くと「放送禁止歌」というものはない。各局が「自主規制」しているだけ。
 
 用語についても同様らしい。厳密な「放送禁止用語」はなく(当然罰則もない)、各局が「自主規制」しているだけ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E9%80%81%E7%A6%81%E6%AD%A2%E7%94%A8%E8%AA%9E
==============引用開始
放送禁止用語(ほうそうきんしようご)は、テレビやラジオといったマスメディアにおいて、何らかの理由によりその放送における使用が禁止されている言葉のことを指すが、今日の日本で法によって明文化された放送禁止用語は存在せず、単なる放送事業者の自主規制である。
==============引用終了
 まぁそうは言っても、ある程度の共通認識はあるらしい。細部は局によって違う(はず)。
 テーマサイトのNo.1のコメントで、興味深いサイトが紹介されている。
【放送禁止用語一覧】
http://monoroch.net/kinshi/
 スゴい労作だと思うが、疑問を感じるものも多い。
 たとえば冒頭にある「アイヌ系」。こんな言葉は初めて知った。
 当方が昔聞いた差別用語は「アイヌ」。これは「アイヌ民族」「アイヌの人々」と言えばOKだった。「アイヌ犬」を「北海道犬」と言いかえるのは無理を感じる。後述の『記者ハンドブック』の記述は若干違うが、「アイヌ系」は記述ナシ。
「百姓」に関して〈NHKで農業従事者が自分のことを「百姓」と言い放送事故になったとも〉とあるのも、どうなのだろう。自称に関してはかなり甘くなる。つい先日もインタビューされた農業従事者が「百姓が……」と言ったVTRがフツーに放映されていた。もちろん、政治家が「無学な百姓は黙っていろ」などと言ったら大問題になる。要は使い方しだい。
 テーマサイトで「床屋」の話が出ていたが、これを「放送禁止用語」にしたのは何かの勘違いだろう。
 これは言いかえる必要がある語のなかでは、解釈が分かれるはず。詳しくは後述。
 貴重な資料だが、ウノミにはできない。そもそも「放送禁止用語」はないのだから。

 出版界だと「差別(用)語」などと呼ばれる。
『記者ハンドブック』の12版ではP.519〜524に『差別語、不快用語』の項がある。
 床屋→理髪業・店、理容師
 の書きかえを推奨している。これは「床屋」限定ではなく「○○屋」全般に及ぶはず。
『記者ハンドブック』にも下記の注がある。
==============引用開始
「○○屋」の形で職業・肩書を示すのは避ける。「床屋さん」「魚屋さん」など愛称的な表現は使用してもよいが文脈に注意する。
==============引用終了
 これも「魚屋風情が……」などと言ったらアウト。
 当方の知る限りだと、一般的な書籍では下記のように書きかえる。
魚屋→鮮魚店/八百屋→青果店/肉屋→精肉店/花屋→生花店
 このあたりまではアリかなと思うが、「パン店」には相当異和感がある。これが文芸作品なら、「○○屋」は問題がないはず。
 テレビでも同様だろう。ニュースでは「○○屋」を避けるが、ドラマならOKのはず。
 数年前に『薔薇のない花屋』というドラマが放映された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%94%E8%96%87%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E8%8A%B1%E5%B1%8B
 もし「○○屋」が「放送禁止用語」なら、こんなことはありえない。
 途中でヨコヤリが入るのでは……とドキドキしていたけど(笑)。

 ちょっと余計なことを書くと、生放送だと「放送禁止用語」なんて考え方が成り立たない。「放送事故」扱いになる。下記あたりをご参照ください。

 下記あたりの続き。
【テレビ視聴のメモ──おにーちゃんの知恵袋8】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-227.html
【出ネ──「みなしご」は放送禁止用語なんだろうか】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-943.html
【テレ140-2/「いいとも」の「不適切な発言」のリターンズ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1608.html
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