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突然ですが問題です【日本語編233】──「重言」に関するWikipediaの記述

 下記の仲間。
【突然ですが問題です お品書き〈5〉】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1930761341&owner_id=5019671

 下記の仲間でもある。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【15】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941799128&owner_id=5019671

【問題】
 下記は「重言」に関するWikipediaの記述です。
 鬼畜なツッコミを入れなさい。引用部以外に関する鬼畜なツッコミもOKです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E8%A8%80
==============引用開始
重言(じゅうげん、じゅうごん)は、「馬から落馬する」のように、日本語での同じ意味の語を重ねる修辞技法。二重表現、重複表現ともいう。
「巨大」「重複」「表現」など類義の漢字を重ねた熟語は、重言としないことがある。ただし、同じ漢字を重ねた「悠々」などの熟語を、畳語の類義語として重言ということがある。
一般的には好ましくない語法とされるが、意識的に用いられる場合もある。
また、言葉の意味の変化とともに二重表現とされなくなってきた例もある。さらに「きつねうどん」のように、地域によって正誤の差がある場合もある。
==============引用終了



【解答?例】
〈日本語での同じ意味の語を重ねる修辞技法〉……「日本語での」の意味がわからない。「修辞技法」なら、ウッカリではなく、意識的にやっているんだよね。当方は、ほとんどがウッカリだと思う。
〈「巨大」「重複」「表現」など類義の漢字を重ねた熟語は、重言としないことがある〉……逆にこのテのものを「重言」と断じている例があるのだろうか。そんな主張をしている文献があるなら是非教えてほしい。
〈ただし、同じ漢字を重ねた「悠々」などの熟語を、畳語の類義語として重言ということがある〉……そんな主張をしている文献があるなら是非教えてほしい。「日々」も「木々」も重言なの? まさか。
〈一般的には好ましくない語法とされるが、意識的に用いられる場合もある〉……「好ましくない語法」なら、無意識でも意識的でも「好ましくない語法」なのでは。「強調のためにあえて使う」場合は別だと思うけど。冒頭で「修辞技法」と言ってるんだから「意識的」じゃないの? 無意識のうちに「修辞技法」を使っているのなら達人のレベルよ。
〈言葉の意味の変化とともに二重表現とされなくなってきた例もある〉……こういうことを書くなら、具体例をあげましょうよ。下記の「二重表現の例」には「慣例上許容されているもの」として「一番最初」「過半数を超える」「○○感を感じる」などがあげられている。フーン。許容されているんだ。根拠は何?
〈さらに「きつねうどん」のように、地域によって正誤の差がある場合もある〉……こうなると暗号に近い。
 これを解読するのはけっこうたいへんそう。おそらく……。
【きつねそば・たぬきうどん、なぜ大阪にはない? 】
http://www.nikkei.com/article/DGXNASJB21049_S3A220C1AA2P00/
==============引用開始
 一般に関東では油揚げがのったそば・うどんを「きつね」、天かすのせを「たぬき」と呼ぶ。一方、大阪で「きつね」といえば油揚げのうどんだけを指し、「たぬき」は油揚げののったそばになる。きつねそば、たぬきうどんはあまり見かけない。
==============引用終了

〈大阪で「きつね」といえば油揚げのうどんだけ〉を指すから、「きつねうどん」は重言になる、という趣旨なのだろうか。関西では「きつねうどん」と言うと「それは重言。きつねで通じる」と指摘されるのだろうか。
「動物園できつねを見た」と言ったら、「きつねうどんを見た」ってことになるのか。(←それはない)
〈正誤の差〉ってどういう意味なのだろう。ここはまったくわからない(泣)。

 このあとの「二重表現の例」もお歴々もなかなかスゴい。〈EBM(Evidence Based Medicine)に基づく〉には笑ってしまった。
 転載しておくが、いちいちコメントする気にはなれない(泣)。脚注も理解できない。

【よくわからない解説】
 詳しくは下記をご参照ください。
【Wikipediaの記述はどこまで信用できるのか?〈2〉】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12100518223.html
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ツッコミ

「鬼畜なツッコミ」ということは、「鬼畜だ」という形容動詞があると考えていらっしゃるということなのでしょうが、多分その根拠はないでしょう。

「修辞技法」であれば意識的であるというのも誤りでしょう。例えば隠喩は修辞技法ですが、我々は必ずしも隠喩を意識的に使っているとは限りませんね。修辞は言葉の本質であり、意識的であるかないかに関わらず伴うものだと思います。

そもそも、Wikipediaの記述からは「意識的に用いられれば重言は好ましくない表現ではなくなる」という結論は導かれないと思いますが、どうでしょうか。一般には好ましくないと見なされても使うということも有り得るのではないでしょうか。もともと「好ましい」とか「好ましくない」というのが一つの尺度に基づくものに過ぎないのですから、たとえその尺度が一般的に使われるものであっても、特に固執する必要性はないと思います。

さて、大辞林では、同じ漢字を重ねる用法を「重言」の一種としています。
https://kotobank.jp/word/%E9%87%8D%E8%A8%80-526620#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

辞書に書いてあることが絶対に正しいとは限らないと仰るなら、それに代わる説得力のある理論を提示してほしいものです。しかし、いくら歴史的なことも含めて多くのことを調べながら追究しても、徒労に終わると思います。結局、「重言とは、上品でない重ね言葉である」という結論しか導かれないと思います。

Re: ツッコミ

いろは  さん

 はじめまして……ですかね。
 もしはじめてのかたなら、それなりの書き方をしていただけませんか。
 
 そうか。
 当方の書き方は言葉足らずですね。
 そのうち気が向いたら、追記します。
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