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13)【句読点の打ち方/句読点の付け方 その13──『記者ハンドブック』の場合 〈2〉

 下記の仲間。
【句読点の打ち方/句読点の付け方】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3138.html

 下記の続き。
【13)【句読点の打ち方/句読点の付け方 その13──『記者ハンドブック』の場合 〈1〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3372.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1954386699&owner_id=5019671

 まず、共同通信社が出版している『記者ハンドブック』の句読点に関する記述の後半を再掲する。
==============引用開始
4 誤読、難読の恐れのない場合は、原則として読点を打たない。
(1)「一方」「なお」「また」などの後。
〔注〕「なお」「また」などの接続詞は使う必要がない場合が多い。
(2)主語となる部分の語・句や文が短いとき。
〔例〕
▽Aさんは「日本の秋は故国と比べ…」と話した。
▽実績の有無は問わないが、…
(3)所属など丸かっこ付きの氏名を列記する場合。
〔例〕サッカー日本代表にFW岡崎(レスター)本田(ACミラン)宇佐見(G大阪)、MF香川(ドルトムント)ら23人が選ばれた。
〔注〕列記が多く、読点を省くと読みにくくなる場合は付けてもよい。
(4)『「』の前の助詞や動詞の後。
〔例〕
▽○○首相は15日の閣議で「次回のサミットは…」と述べ、…
▽…ロンドンを訪問した同大統領は、米ロ首脳会議の見通しについて「会談をいつ開くかは…」と述べた。
▽山田被告は公判後、地裁内の記者クラブで会見し「怒りでいっぱいです」と語った。
(5)「①…②…」と追い込みの箇条書きに入る前。
〔例〕日本はこれまで①3カ月の参入延期②自動車保険の通信販売解禁③火災保険の自由化範囲の拡大―などの譲歩案を示したが…

中点「・」

1 単語の列記には中点を使ってよい。特に組み合わせ、取合せには中点を用いる。
〔例〕文・文章・段落の定義
水・陸稲の作況 ヤード・ポンド法 ラジオ・テレビ

(略)
==============引用終了

「4 誤読、難読の恐れのない場合は、原則として読点を打たない」
 そのとおりでしょうね、としか言いようがない。
 問題は、具体的にはどういうところなのかってこと。

(1)「一方」「なお」「また」などの後。
〔注〕「なお」「また」などの接続詞は使う必要がない場合が多い。
 要は、接続詞の後ってことだろう。「たとえば」のような副詞も含めているのかいないのか。でも、これは打っている例のほうが圧倒的に多いと思う。
 それより問題なのは、〔注〕の部分。これもそのとおりなんだけど、「などの接続詞」と書いた段階で目安とは言いにくくなる。
 個人的には、「逆接の接続詞(的なもの)」以外は、たいてい削除できると思う。でもそんなことを徹底する必要はないし、そんなことを書きはじめたら、読点の話ではなくなる。

(2)主語となる部分の語・句や文が短いとき。
 そのとおりだけど、問題は「短い」の基準。何字から「長い」ことになるのか。どこかで10字くらいという記述を見た。論理的な理由がないのは明らかだけど、そんなもんだと思う。
 ただ、「実績の有無は問わないが、… 」って例文はどうなんだろう。「いままでにどのような実績をあげてきたかは問わないが、…」だったらどうなる。「主語となる部分の語・句」は十分に長いけど、打ってはいけないと思う。それは「問わないが、」の読点のほうが重要だから。つまり、「主語となる部分の語・句」のあとの読点なんてその程度のもの。仮に「いままでにどのような実績をあげてきたかは問わない。しかし、…」なら「主語となる部分の語・句」のあとに打つか。当方は打たない。後ろが「問わない。」と短いから。だから、「主語となる部分の語・句」のあとの読点なんてその程度のものなんだって。

(3)所属など丸かっこ付きの氏名を列記する場合
 これは、「列記の読点」として打つべきだと思う。まあ省略してもよいかもしれないが、あえて省略する理由もない。
 下記の〈「イエス」(20%)、〉と同じことだろう。
【12)【句読点の打ち方/句読点の付け方 その12──「  」と「  」の間に読点は必要か】】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3322.html
==============引用開始
1)「イエス」「どちらかというとイエス」を合わせると60%を超えている。
 この場合、「  」と「  」の間には読点を打つ必要はない。打っても間違いではないが、ちょっとクドいし、見た目が美しくなくなることも多い。ただし下記の場合は、打ったほうがいいだろう。
2)「イエス」(20%)、「どちらかというとイエス」(45%)を合わせると60%を超えている。
 この場合は読点がないと相当紛らわしい。
 同一のレポートのなかに1)と2)の両方が出てきたらどうするべきか。
 1)は打たないで2)は打つ、で統一してもよいだろう。
 1)も2)も打つ、で統一してもよいだろう。
 このあたりは趣味の問題になる。個人的には、混在するのはイヤなので1)も2)打つ気がする。
==============引用終了

(4)『「』の前の助詞や動詞の後
 これもよく見る話。どちらでもよいだろう。当方はカッコなどを外して考え、必要なときには打つようにしている。↑の〈つまり、「主語となる部分の語・句」のあとの読点なんてその程度のもの〉 がその例。

(5)「①…②…」と追い込みの箇条書きに入る前
 これもどちらでもいい。個人的には、〈追い込みの箇条書き〉なんて使わない。それは箇条書きと呼んでいいのか? どうしても追い込むなら、迷わず読点を打つ。

 さて、原本の記述のうち、「これはそのとおり」と考えていいのはどれとどれ?
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