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読書感想文/『毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術』(毎日新聞・校閲グループ 岩佐義樹/ポプラ社/2017/3/25第1刷発行)〈1〉〈2〉

mixi日記2017年03月09日から

 久々の読書感想文は、発売前の本について帯と目次だけで書くという暴挙(笑)。
 FBで「赤い本のパクリだったりして」とヒドいことを書いた人がいる。
 まず当方のコメントを回収する。
===========引用開始
 うーん。
 この帯の問題は当方にはわかりません。全部ダブルミーニング?ならすごいな。

「前倒すことはやむ得ない。」
 → 「やむを得ない」と言わせたいのかな。
 それとも「前倒す」ではなく「前倒し(に)する」と言いたいのかな。

「自信なさげに例を上げる。」
 自信なさそうに?
 例を挙げる?
 後者は「間違い」ではないだろう。

「高齢な人がすごい多い。」
 →「 すごく」だって主張なんだろう。
 → 「高齢の」か「高齢な」かは難問で、「高齢な」が「間違い」と言えるか否か。

 ひと昔前なら、すぐに読もうと思っただろう。最近は食傷気味で……。
 目次を見ただけで、内容は予想できるもんで。いえその。ありふれた問題を画期的におもしろく解説しているのかもしれないけど。こういうのを読むと、際限なく悪態が出てきて、自己嫌悪に陥る。どなたか読んで感想をお願いします。
 で、なんで毎日新聞社から出さないの?
 まあ、最近はポプラ社のほうが販売力あるだろうから……。予約だけでこんなに売れているの?

 でね。赤い本のパクリなんてことはないと思うよ。
 ネタがカブるのはしかたがないけど。
 下記はちょっとアレだけど。
 (以下略)
===========引用終了

 でね。目次が下記。
===========引用開始
■本書の章立て
文字を大切にしないと、文字に報復される――序に代えて
第1章 つながりの悪い文章
第2章 たまには文法的に考えよう!
第3章 細かい決まりも通じやすさのため
第4章 文化庁「国語に関する世論調査」の慣用句にみる誤解
第5章 固有名詞の誤りはこうして防ぐ

■本書の見出し(一部)
・繰り返される「たり」のミス
・分かりにくい「テン」
・丁寧な形容詞は難しいですよ
・あえて文末を不統一にすることも
・広がる「ら抜き」と広がらない「ら抜き」
・「さ入れ言葉」を「知らなさすぎる」 
===========引用終了

 すごい、すごくに関しては下記。
【すごい すごく すごい+用言〈1〉~〈4〉】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3363.html

〈第4章 文化庁「国語に関する世論調査」の慣用句にみる誤解〉に関しては下記参照。
【「国語に関する世論調査」(文化庁)関連の日記】  
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2999.html

・繰り返される「たり」のミス
伝言板【板外編1】「~たり」の使い方〈1〉~〈3〉
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-278.html

・丁寧な形容詞は難しいですよ
【「形容詞終止形」+「です」 うれしいです うれしかったです】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2417.html


〈2〉

mixi日記2017年04月04日から

Amazonのデータ。
https://www.amazon.co.jp/%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%83%BB%E6%A0%A1%E9%96%B2%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%99%E3%81%94%E3%81%84%E6%96%87%E7%AB%A0%E8%A1%93-%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%83%BB%E6%A0%A1%E9%96%B2%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97-%E5%B2%A9%E4%BD%90%E7%BE%A9%E6%A8%B9/dp/4591154394

 かなり売れているみたい。
 読んでみようかと思ったが、知り合いがFBに書き込んでいるのを読んで気持ちが萎えた。

 まず帯の答え合わせ。
 書き込んだ人の許可をもらったので、引用させてもらう。
===========引用開始

1)
やむ得ない
P58に
---------------------------
「あり得ない表記」
---------------------------
とあります。当たり前。感想はそんだけ。

2)
自信なさげに例を上げる(ここのみなさま知ってのとおり、言及すべきとこがダブル。これは「帯」のポイントかもしらん)

P105に
---------------------------
「自信なさげ」は「自信なげ」、
「所在なさげ」は「所在なげ」が適切。
---------------------------
とあります。うーん。わたしは校正として入っても、これはアカは入れないかなー。
エンピツでさっと書くときもあるけど、スルーしちゃうほうが多し。

P154に
---------------------------
「挙げる」とは「はっきりと示す」こと。それだけでは「上」との区別が曖昧ですが「列挙」という熟語を思い浮かべれば「挙」が適切と分かるでしょう。
---------------------------
そのとおり。ノーコメント。

3)
すごい多い
P107に
---------------------------
書き言葉では今後も「すごく多い」が正規の言葉とみなされるでしょう。
---------------------------
とあります。ちょっとほっとした。 
===========引用終了

 なんだよ、3つともダブルミーニングならスゴいと考えた当方が●●みたいじゃないか。
 ↑に対する当方のコメント。
===========引用開始
 ありがとうございます。
 ガッカリするの覚悟で読もうかと思っていたけど、パスかな。
 ちなみに、下記のような話をブログのネタしたいだけど、いいよね。イヤと言わせる気はないらちい。

1)「あり得ない表記」
 ということは、「やむ得ない」ではなく、「やむえない」と書けというんでしょうね。少なくとも校正の世界で「表記」と書いたら、そういう意味では。

2)「自信なさげ」は「自信なげ」、
 「所在なさげ」は「所在なげ」が適切。
 そうなのか? 仮にゲラに「自信なげ」と出てきたら、当方は「自信なさそうに」鉛筆書きします。
「挙げる」をどうするかは、キメしだいでしょう。
「列挙」だから「例を挙げる」? 「列」と「例」を混同してるのか?
 仮に記者ハンに従うと……。 
「挙手」だから手を挙げる? 記者ハンは「上げる」と「挙げる」を使い分けています。
 表記の問題は、よほどのことがないと正誤はわからないと思うよ。
 高島俊男先生に訊いてみなよ。バカって言われるから。

3)書き言葉では今後も「すごく多い」が正規の言葉とみなされるでしょう。
 そうかもしれませんね。これもとっても微妙な問題なんだけどね。 
===========引用終了

 言葉に関する本が売れることには功罪ある。いい加減な本が売れると●●が増殖するだけ。
 本書はちゃんとした書き手が書いているはずなんだけどなぁ。

 さらにコメントがあった。
===========引用開始
でもまぁ一応、もう1回本からもう少し載せておきますか。P58小見出し
------------------------------------
あり得ない表記の「やむ得ない」「せざる負えない」
------------------------------------
だそうです。なんかだんだんわかんなくなってきた。
===========引用終了

 当方の返信。
===========引用開始
 うーん。
「表記」なのか?
 しかもわざわざ「あり得ない」と書いているのは、シャレのつもりなんだろう。真面目な話にこういうのを差し込むのはやめてほしい。話がややこしくなるだけ。(←オ・マ・エ・が・言・う・な!)
「やむ得ない」は助詞の脱落だろう。
「せざる負えない」はなんて言えばいいのか。単なる●●だろう。どういう意味?
 以前下記のような話があったのを思い出しました。
【表記の話23──良く行く 良く見る よく行く よく見る】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3352.html
 前提がわかりにくなぁ。
 あるかたが日記で、「せざる終えない」「良く見る」と書いていた。
 マイミクが「それはおかしいのでは」と書いた(当方ではありません。当方はそんなムダなことはしません)ら、延々と訳のわからないことを書きはじめた。
「せざる終えない」は、「しないと終わらない」の意味なんだとか。これはこれで意味が通る気がするのがミソ。
 でも「考えざる終えない」は「考えないと終わらない」とは解釈できないからやっぱり無理。
 素人だから(玄人でも)、間違うのはしかたがない。でも、間違いを指摘されたら考えないと。
 こういう●●がドサドサ増えています。
===========引用終了
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