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【(外)句読点の打ち方/句読点の付け方──某月某日某所にて】

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【19】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1959556460&owner_id=5019671

mixi日記2017年月日から

 しかし先週の土曜日(5月27日)私は句読点の打ち方についての話をした。
 ↑は、その際の例題を少しだけ加工したもの(笑)。

 用意した資料が、A4(40字×40行)で24枚。それって400字で100枚近くないか?
 いやまあ、いままで書き散らしたものの要点をかいつまんだら、こういう量になってしまった(笑)。
 資料をつくる段階でいろいろ新しい発見があり、当日も新しい発見があった。勉強の機会をいただけたことを感謝する。

 準備段階で気づいたこと。
 本多読本の「逆順」にはけっこう穴があるのでは。チクチクほじくっているうちに大決壊したらどうしよう(泣)。2大原則に小さな欠点があることはずいぶん前に気づいていたけど。とにかくあれに従ったら、テン欠乏症で息苦しくてしかたがない。
 それとは別に……資料から抜粋する。
===========引用開始
■ここでちょっと補足──「逆順」も例外が多いらしい
 今回の資料をまとめるにあたっていろいろ読み直して、妙なことに気づいた。
 日経読本には〈2〉-2 主語の後(ただし、短い文には打たなくてもよい)と書いてある。『記者ハンドブック』には〈(2)主語となる部分の語・句や文が短いとき(は読点を打たない) 〉と書いてある。同様のことを書いているものは多い。
 これは当然、本多読本を踏まえていると思い込んでいた。よく読むと違うようだ。
 本多読本は、「主語のあとに」ウンヌンとは書いていない(はず)。
 p.88で〈これはもうそこら一面にドカドカ見られる型の文章である。とくに短い題目語「○○ハ」を冒頭におく文章は軒なみこれだと思ってよい〉と書いているだけなのでは。要するに、「○○ハ」が前のほうにあるのは、ほとんどが「逆順」らしい。
 さらに、長くなった題目語(≒主語)は前にくるのは正順なので、テンを打つか否かは書き手の自由ってことになる。
 これは、一般の心得とは違っている。なぜこんなことになっているのかはわからない。どこかに誤解がある気がする(当方に誤解があるのかも)。

        本多読本     一般の心得
  短い主語  逆順なら打つ   打たない
  長い主語  思想のテン    打つ 
  
 個人的には、どちらの場合も「打ってもいい」と思う。ただ、繰り返しになるが、優先順位はきわめて低い。ほかに打つべきテンがあるなら、そちらを優先するべき。
 ついでに書くと、本多読本の「逆順」は非常に便利な説明だと思っていた。「時を表わす言葉」も「主語のあと」も、「逆順」なら打つ、と考えればいいと。
 ちょっと違う気がしてきた。「時を表わす言葉」は、「逆順」を解消して文中にもってくるとヘンになることが多い。むしろ、助詞の省略と考えるほうが簡明な気がする。このことはすでに書いた。
「主語のあと」も、「逆順」を解消しにくい例がある。
1)ゴマは、安価なうえに健康にいい食材として知られ、世界中で食べられている。
2)ゴマは、世界中で食べられている安価な健康食材として知られている。
3)ゴマは、世界中で食べられている安価な健康食材である。
 1)の逆順を解消するのは簡単。「ゴマは、」を「知られ、」のあとにもってくればいい。そうなると、「ゴマは、」のテンは不要になる。
 2)は「健康食材として」のあとにもってくるのだろうか。テンはどう打つのだろう。かなりぎこちない感じがあるので、2)のままのほうがよい気がする。
 3)になると、かなり困る。「ゴマは、」を「食べられている」のあとにもってくると、相当ニュアンスがかわるのでは。これも3)のままがよいだろう。
4)彼は、たいへん優秀で真面目な学生だ。
 これはお手上げ。もしかすると、「○○はXXだ」みたいな構文だと、「逆順」は解消しにくいのでないだろうか。
 一般の心得だと、この場合は「ゴマは、」も「彼は、」も主語が短いからテンは打たないはず。個人的には、2)4)のようにほかに優先するテンがないなら打つ。それだけのこと。
 それでも、これは「逆順」と考えるべきなのだろうか。本多センセー、教えてください。
===========引用終了

 資料作成段階・当日の雑感メモ。

【1】句読点の打ち方について、いままでどんな心得を聞いたことがあるか質問してみた。

  ①主語(正確には「主題」のことが多いはずだが、メンドーなので「主語」と呼ぶ)のあと
  ②文頭の「時(など)を表わす言葉のあと」
  ③(文頭の)接続詞のあと
  ④息継ぎをする箇所
  ⑤読むときに「ネ」をつけられる箇所

 以上の心得に関して、聞いたことがある人に挙手してもらった。
 それぞれをざっと数えた。「日本野烏の会」での特訓がいきたようで、さっぱりわからない。やはりノガラスじゃダメか……そういう話はいいから。
 非常に大雑把なカウントで申し訳ないが……。

  ①主語(正確には「主題」のことが多いはずだが、メンドーなので「主語」と呼ぶ)のあと 
  ……8割
  ②文頭の「時(など)を表わす言葉のあと」 
  ……3割
  ③(文頭の)接続詞のあと
  ……6割
  ④息継ぎをする箇所
  ……1割
  ⑤読むときに「ネ」をつけられる箇所
  ……1割

 ④⑤はもう少しいてもいいと思うが。当方は小学校でどう習ったかなぁ。もう10年以上前(一片の偽りもない)のことだから覚えてないや(泣)。
 予想してはいたが、「主語のあと」派は多い。困ったもんだ。
 ただ、参加者のほとんどが本多読本を読んでいたようなので、そういう方々は、主語のあとになんて打たないはず(だよね)。

【2】↑の長い主語と短い主語について、K氏から質問と言うより補足説明があった。
 本多読本は、「主語」(的なもの)も「修飾語(正確には「修飾語・句」)」のひとつとして扱っている。
 したがって、長い主語は、2大原則の「長い修飾語」になるんで「打つ」。
 よく考えてみると、これがまた微妙で。
 たとえば……。

 1)私は、句読点の打ち方について妙なことに気づいた。
 2)句読点の打ち方をとくに意識したことはいままでなかった私は、句読点の打ち方について考えを巡らせるうちに妙なことに気づいた。
 3)句読点の打ち方をとくに意識したことはいままでなかった私は、妙なことに気づいた。
 1)は「短い主語」なので、「一般の心得」では打たない。本多読本なら「逆順」。当方なら「この程度の長さならどう打ってもいい」。
 2)は「長い主語」なので、「一般の心得」では打つ。本多読本なら……これは「句読点の打ち方をとくに意識したことはいままでなかった私は」と「句読点の打ち方について考えを巡らせるうちに」がどちらも長いから「長い修飾語」のテンなのかもしれない。当方なら、ほかにテンがないから「主語のあと」でいいんじゃない、と考える。
 3)は「長い主語」なので、「一般の心得」では打つ。本多読本なら、後ろの修飾語が明らかに短いから、「長い修飾語」のテンではなくなる。必要ないけど、思想のテンとして打ちたければどうぞ。当方なら、ほかにテンがないから「主語のあと」でいいんじゃない、と考える。

【3】「○○はXXだ」みたいな構文の名称
 まだやり取りしている最中だが、どうやら「名詞文(名詞述語文)」が一般的らしいorz。

【4】「中止法・省略のテン」の守備範囲の広さ。
 大切なことを忘れていた。資料作成の段階で「中止法・省略のテン」についていろいろ考えた。
 再び資料から引用する。あまりほめられた行為ではないだろうが、大目に見てね。
===========引用開始
「中止法・省略のテン」に関して少し補足しておく。
僕、頑張ったよ。
 こういうのは助詞の「ハ」などを省略したと考えられる場合で、これはテンを打つほうがいいだろう。
 この「中止法・省略のテン」は守備範囲が広い。
この場合、テンを打つほうがいい。
太郎はテンを打ち、次郎はテンを打たなかった。
 1つ目は「時を表わす言葉」と考えるのが素直だろうが、「ハ」が省略されていると考えることもできる。同じように、文頭にある「2017年、~」などは、助詞の「ニ」が省略されていると考えることもできるいうこと。〈逆順〉と考えてもいいが、〈逆順〉と解釈しにくいときはこの考え方が有効になる。あるいは、テンが多いと感じても〈逆順〉を解消しにくいときには、助詞を補ってやればテンを削除することができる。実例はあとで示す。
 2つ目は重文の境い目のテン。これも「打って」(「打ちて」の音便)の「て」を省略しているからテンが必要、と考えるほうが簡明なことがある。たいていの場合、どちらの考え方をしても結果はかわらない。 
===========引用終了

 メモしていて、当日話した例。下記あたりもすべて、「中止法・省略のテン」と考えることができなくはない。
  晴れた夜、空を仰ぐと……
  事故のため、
  ちょっと考えがあり、
  悪戦苦闘の末、

 事前に思いついていたが、話し忘れたもの。
  日頃、
  普段、

 これに関しては、赤い本に書いた。「日頃、」「普段、」で通じるのに「日頃から」「普段から」にするのは、重言の一種と考えていた(「常日頃」なら三重言?)。これも「から」を省略して「、」をつけていると考えればいいのでは。

下記の仲間。
【句読点の打ち方/句読点の付け方】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3138.html
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