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朝日新聞から(2007年7月)

7-1
2日
 「ここで足元をすくわれたら一気に落ちるからね」(朝刊16面)
 プロ野球のロッテの清水投手のコメント。「足元をすくう」はこのところよく目にする。前にあるサイトに質問してみたところ、昔の文献にあることはあるそうな。何十年の間に何例かが見える、なんてのは使用例というより誤用と言うべきでは。一方で「誤用」としている意見も目にする。とはいえ、このところ確実に目にする機会が増えている。個人的には、「使いたくない」表現。あと何年かで「もう誤用とはいえない」表現になるんだろうな。

7-2
9日
先場所不覚を取った安美錦にまたも足元をすくわれた。(朝刊15面)
 今度は相撲の記事。スポーツの解説なんかで使いやすいからタチだ悪い。ただね。フツーに「足をすくわれた」ってしておけばいいと思うんだけど。

7-3
12日
一票では変わらないと斜に構える御仁がいるが、棄権の零票ではなお変わらない。(朝刊1面)
 天下の(?)「天声人語」もこういう表現を使うようになったのね。「斜に構える」も使いやすいがために誤用として定着しつつある。「斜に構える」「さわり」「役不足」を、定着しつつある誤用の御三家と勝手に考えている。先に書いた「足元をすくう」や「射程距離」あたりもかなり危ういところにいる。ただ、「射程距離」はうるさく言う人が増えたせいか、「射程圏」とかにしている例も増えてきた気がする。辞書的には正しい「射程」は、さすがに言葉足らずの印象があるせいか、あんまり見ない。

7-4
14日
特に20代は斜に構え、頑張るなんてかっこ悪いと思っていた。(23面)
 「俳優」の濱田マリのコメント。ちょっと意外だったけど、最近の新聞は女性でも「俳優」って書くのかね。「女優」は性差別用語なんだろうか。なんか違うよな。

7-5
25日
 早川が左手中指のけがで登録を抹消され、2軍で打率2位と結果を残していた角中に白羽の矢が立った。(21面)
 これは「もう誤用とはいえない」例なんだろうな。少し前に朝日新聞の投書欄で、「本来は人身御供の意味で使う白羽の矢を……」みたいな意見を読んだ気がする。メモしとくんだった。そりゃごもっともなんだけど、もう無理でしょ。本来の意味で使ってる例なんて、記憶にない。まあ選挙惨敗後に起用される新首相なんてのは、本来の意味の「白羽の矢が立つ」なんだろうけど。そういうふうに「誤用」と決めつける意見を、なんの注釈もなく掲載する見識ってどうなんでしょ。あくまでも「誤用」とするのが社の方針なら、ほかの記事中でこういう使い方はしないでほしい。いくらでもほかに書き方はあるでしょ。「抜擢」とか。「お鉢が回る」ってはたぶん意味が違うんだろうな(それ以前に死語かな)。
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