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キラキラ星見っーけ──朝日新聞から番外編

 ここ数年、朝日新聞を隅から隅までくまなく斜め読みして誤用をメモしてきたけど、一、二を争うバカな誤用を見つけてしまった。一応、天下の?「天声人語」。ここまでみっともないのは珍しいと思う。それとも日本語はここまで破壊されてしまったのだろうか。半分マジで抗議の電話をすべきか否か迷っている。

11月6日の「天声人語
http://www.asahi.com/paper/column.html

天声人語全文(朝日新聞のサイトから引用)】=========
 それは、きょうの日を予言した熱狂だったように、いまになれば思われる。無名だったオバマ氏が4年前、一躍全米に名を広めた演説のことだ。民主党全国大会での鮮やかな雄弁を、取材で会場にいて聞いた▼クリントン夫妻や、その年の大統領候補ケリー上院議員……。きら星が光る会場の空気は「オバマって誰?」だった。だが登壇し、話を始めると、大聴衆は私語をやめ、たちまち吸い込まれた。きら星もかすむ歓声と拍手が、「祖国アメリカ」を語る言葉に湧(わ)いた▼米国の民衆は政治家に言葉を求め、言葉を楽しむ。心に響く言葉によって連帯感を強め、将来を確かめ合う光景は、日本の政治風景とだいぶ違う。かの地の選挙が「民主主義の祭り」と呼ばれるゆえんでもある▼その祭りに勝ち、オバマ氏は大統領になる。4年を経た勝利演説でも聴衆を魅了していた。「民主主義を疑っている人がいるなら、今夜がその答えだ」。初の黒人大統領になる自らを、建国以来の理念に重ねた▼無名かつ無銘から登りつめた勝利の言葉は、それゆえに重い。人を勇気づけもする。ひるがえって、世襲議員の首相が続く日本とは、残念ながらだいぶ違う。選挙は将来への賭けだという。米国民は「変革」のサイを投げた。こちらは賭ける機会も見通せぬまま閉塞(へいそく)感が募るばかりだ▼「真に偉大な大統領になりたい。情けない大統領ならいくらでもいるから」と、氏はかつて語っていた。きょうの興奮がさめていけば、後には厳しい現実が控えている。言葉の真価は、これから問われる。
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 これはヒドい。何がヒドいって、文章も相当ヒドいけど、話にならないのは2カ所出てくる「きら星」。「きら星が光る会場」「きら星もかすむ歓声と拍手」って、どういう意味で使ってんだよ。
 紋切り型の表現のひとつに「きら星のごとく」というのがあり、ここから、「きら星」という言葉があるかのように誤解している人は多い。これは「綺羅、星のごとく」と書くのが本来の形(読み方は「ほし」であって「ぼし」ではないはず)。いくらなんでも、現在では「きら星」という名詞がある、って話にはなっていない。
 下記の説明あたりがわかりやすい。 
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1071180.html

【上記サイトから一部引用】===================
■立派な人が連なり並んでいることを形容する「きら星のごとく」という言い回しがあって、「きら星」という言葉が「きらきら輝く星」という意味の名詞のように扱われていますが、実は「綺羅、星のごとく」という言い方から誤ってできた言葉だそうです。「綺羅」(「綺」は綾織りの軽い絹、「羅」は透けるような薄い絹の意)は「美しい衣服」のことで、「綺羅、星のごとく居並ぶ」は、「美しい衣服で着飾った人が、星のように居並ぶ」という意味。
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 と書いてから辞書を索いてのけぞる。(←先に索けよ!)
 どうやら最近の辞書は、これを認めている傾向がある。
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ネット辞書『大辞泉』
きら‐ぼし【綺羅星/煌星】
《「綺羅、星の如し」からできた語》きらきらと光り輝く無数の星。地位の高い人や明るいものが多く並ぶようすのたとえ。「―のごとく並ぶ各国の元首」

ネット辞書『大辞林』
きらぼし2 【▼綺羅星】
〔補説〕 「綺羅(きら)、星(ほし)の如し」という言い方から、誤ってできた語
立派な人が連なり並んでいることをいう語。
有力な財界人が―のごとく並ぶ
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 決定的に目眩を覚えたのは、手元の『広辞林』(1988年刊)の記述。
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きら-ぼし【〈煌星】 きらきら輝く星。
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 20年も前からアリってことですか。当方の認識違いだったらしい。
 でもさ。この誤用が生まれた理由がバカすぎだろ。星がキラキラ光るからだよ(違うのかな)。絶対使いたくない。
 百歩譲っても「きら星のごとく」って形限定だと思う。「きら、ほしのごとく」と読まなくてもいいよ。「きらぼしのごとく」でも大目に見るよ。ちょっとかえて「きら星のように」くらいはアリかな。
「きら星が光る会場」「きら星もかすむ歓声と拍手」はさすがに異和感が強い。
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