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まともな書き手はどこに行った

 下記の仲間です。
【出版とネットを巡るあれこれ】
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mixi日記2008年01月21日から


 このところ、ライターの質の低下が著しい。理由はいくつか考えられるが、大きいのはライターという職業のハードルが下がっていることではないか。昔はライターになろうなんて物好きは少なかった。ところが、最近は猫も杓子も(死語かな?)ライターになろうとするし、その気になればなれてしまう。

1)ワープロ(ワープロ専用機&ワープロソフト)が普及した
 ワープロの普及によって、誰でも文章が書けるようになった。それまでは、文章を書くのは知的な作業という幻想があった(実際には肉体労働的な要素が多い)。ある程度の漢字や言葉を知らなければ文章を書くことはできなかったからだろう。文章を書くには、辞書が必需品だったし、頻繁に辞書を索かなければならない人は、文章を書く気なんて起こさなかった。
 ところがワープロという魔法の筆記用具が登場して事情がかわった。漢字なんか知らなくても機械が変換してくれるので、辞書を使わずに文章が書けてしまう。これは画期的なことです。ワープロを使う前にも文章を書いていた当方のような旧人類にとっても、非常に便利な機械だった。喜んで使った結果、漢字がまったく書けなくなった。当初は、「そんなことぐらいで忘れるわけが……」とタカをくくって強がっていたが、いまとなってはもう手遅れ。ほとんど●●に近い。それでも「紐解く」なんてバカげた書き方はしない。この頭の悪さ全開の書き方が普及したのは、MS-IMEのせいらしい。
 蛇足ながら。便宜上「ワープロソフト」と書いたが、あんなもので文章を書いている人の気が知れない。長い文章を書くならワープロではなくエディターを使うべき……というのは、Windowsが登場する以前から常識だった。ええーと、Windowsの登場は95年だったから、まだそれほど昔のことじゃないんだ(ちょっと驚いた)。何が嫌かって、余計な機能をテンコ盛りにしているからとにかく「重い」。最近はマシンの性能が上がったので「重さ」は以前ほど気にならないのかもしれないけど。ワープロとエディターを比較したうえでワープロを使っている人を否定する気はない(肯定する気もないけど)。比較したうえでの選択なら趣味の問題ですから。ただ、エディターを使ったことがないのに「ワープロが使いやすい」と思い込んでいる方も多い。まず、ちゃんと比べてみようね。ワープロが使いやすいと主張する御仁は、最低限、以下の3点ぐらいはクリアしてるんでしょうね。
・自動の箇条書きとオートインデントの外し方を知っている
・字詰めをきっちりかえることができる(20字詰めにしたはずが20.5字詰めになっているとか、数字と文字の間にヘンなアキがあるんでズレることがあるなんて人は帰っていいから)
・オリジナルの書式スタイルを使っている

2)バカな文章が増殖するようになった
 漢字はワープロがある程度教えてくれるようになった。単純な誤字・脱字も教えてくれる。このあたりの校正機能は、Word君の得意技のひとつらしい。でもね。言葉の正しい使い方はあんまり教えてくれないの。その結果、ネット上で訳のわからない表現が飛び交うようになった。それを目にしたバカが、同じ間違いを広めていくようになった。「概出」なんかは別の話。あれはギャグなんだから。頻繁に目にする「ご教授ください」に関しては、「誤用だ」「誤用とは言えない」と局地的な論争もあるようだ。たしかによーく考えると「誤用だ」と決めつける根拠は希薄で、「誤用とは言えない」気もする。でもさ。少なくとも当方の常識では「ご教示ください」しかない。メンドーだからどっちでもいいや。「一様」と書く人が多いけど、あれは「一応」では……そんな論争は関知したくない。
 世間には「書き続けていれば上達する」って幻想を信じている人も多いが、そんなことはない。学習意欲のある人はまだ救われるかもしれない。自分の文章を読み返して不備に気づくこともある。他者が書いた文章との比較によって上達する可能性もある。とはいっても一般論で言えば、ヘタな人がなんの工夫もせずに書き続けても、上達なんかしない。ヘタなままヤミクモに延々と書き続けるだけ。スピードだけは上がる可能性が高い。「書き続けていれば上達する」って幻想は大昔から広まっていて信者も多いみたいだから、ムキになって逆らう気はない。メンドーだから、これもどっちでもいい。

3)文章なんてなんだっていいことになってきた
 ワープロで文章を書くのが一般的なことになり、バカが文章を書くようになった結果、ライターの質は壊滅的に低下してしまった。反論が出てくることは予想できる。何を使って書こうが、誰が書こうが、質の悪い書き手は淘汰されるはず。もっともなご意見です。でもね。ちょっと考えてほしい。まともなライターAと、まともじゃないライターBがいたとする。
 Aはまともな原稿を書くために丁寧な仕事をする。パソコンの操作にあまり慣れていないせいもあって、原稿を書くのはあまり早くない。自信の持てない分野の仕事には消極的。一方、Bはとにかく書くのが早い。ネットでの調べものは得意中の得意で、パクリギリギリの原稿を書くことも気にしない。どんな分野の原稿でもとにかく早く仕上げる。早いのが取り柄だけあって、原稿はかなり粗い。AさんとBさんは、どちらがライターとして重宝されるでしょうか。間違いなくBのほうです。そりゃ、見る人が見れば原稿の質の違いは明らかだよ(そう思いたいだけかな)。でもさ。「見る人」が少なくなっているって現実がある。しかも、読者もそんな質の高い原稿なんて求めていないって現実もある。そんなことないだろう、って説も考えたいとは思うよ。でもねー。ちょっと誇張したけど、B的ライターがA的ライターを駆逐することは現実に起きている。
 話は少しかわるけど、駆逐つながりってことで。一応文学の話だから芸術の話ってことになるかもしれない。ケータイ小説があれだけ支持されている正当な理由を、誰か説明してくれ。「あんなものは文学ではない」って話は聞き飽きた。そんな「負け犬の遠吠え」的な言説ではなく、ちゃんとした論が聞きたい。この際だから、肯定でも否定でも構わない。とは言いながら、ものすごく論理的な肯定派がいたら、ちょっと怖い。
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