「~だ」と「~である」はどう違うか2──やわらかい感じがする文章を書くために

 カテゴリーがわからん。
【伝言板】の気もするし、下記の仲間って気もする。 
 下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html

 下記の続き。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-641.html

mixi日記2009年09月02日から


 デアル体の文末に来る「~だ」「~である」には意味の違いはないが、ニュアンスに微妙な違いがある。こういう微妙なニュアンスの違いの積み重ねが、文章全体の印象に与える影響ってバカにできないと思う。文末に「~である」が多用されている文章って、読んでいて異様な感じがする。

やわらかい感じがする文章」を書くためのヒントを少し書いてみたい。
 いつも書いていることだけど、「やわらかい感じがする文章」のための心得を裏返すと「かたい感じがする文章」のための心得になる。そういう文章のほうが「立派な文章」に見える可能性は否定できない。そういう文章を書きたがる人は多いけど、個人的には、一般人はやめたほうがいいと思う。学者や年寄りっぽい文章を装いたいなら話は別だけど。


●『理科系の作文技術』(木下是雄)の教え
 先日アップした読書感想文http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1266161486&owner_id=5019671から引く(古い読書感想文を持ち出した理由のひとつは、この文章を書くため)。


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【引用部】
(前略)「よい」、「ゆく」、「より」、「のみ」は、私の語感では、話しことばとしてはもう死語になっているからだ。実をいうと私は「10時より午前の部の講演をはじめます」、「これより先、空港待合室では……」などと言われるとぞっとするのである。

「よい」に関しては、ちょっと疑問が残る。デス・マス体の場合、これが実に悩ましい。「ゆく」に関しては注があり、goの場合には「行く」と書き、読み方は読み手にまかせるそうな。同じ考えにブチ当たるとうれしくなってしまう。
 それにしても、この著者の言語感覚の若々しさは異常なほど。
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 著者は、この直前には、できるだけ「~である」を使わずに「~だ」を使うとしている。この人の感覚は信頼できる。
「よい」については注釈が必要だろう。個人的には、原稿を書くときには、デス・マス体のときには「よい」を使い、デアル体のときには「いい」を使っている。 
 デス・マス体のときに「いい」を使うと、「いいでしょう」「いいかもしれません」などの形が妙に感じられる。個人的な感覚なので、強く主張する気はない。
 デアル体の場合は、文末にくるときは原則として「いい」。「よい本」などのように直接名詞にかかる形容詞として使う場合は「よい」を使う(実際には別の言葉に置き換えることが多い気がする)。

 ここまでを箇条書きにしておく。
1)「~である」を使わずに「~だ」を使う(理想を言えば「~だ」もできるだけ使わない)
2)「よい」は使わず「いい」を使う(ex.「いい方法がある」「こうすればいい」)
3)補助動詞の「ゆく」は使わず「いく」を使う(ex.生きていく私)
 ※これは現代では「ゆく」とか「ゆう」を使う人は少数だろう
4)「起点のヨリ」は使わず、「から」を使う
 ※参照日記
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-685.html

  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1068925572&owner_id=5019671
5)「のみ」を使わず「だけ」を使う(ex.問題はこの点だけ)


●ある方へのメッセージ
 以前、とあるコミュに文章の添削を依頼するトピが立った。トピ主はかなりまともな日本語を使う中国人だったが、雇用主から「大学出にふさわしい日本語を書くように」と言われたとのこと。このリクエストがよくわからない。要は「もう少し幼稚じゃない文章」を求められたのだろう。それは相当の無理難題だよ。
 いつにもまして懇切丁寧なコメントを書いて投稿しようとしたら、トピが消えていた(泣)。コンタクトをとって事情を確認すると、添削を依頼した文章が業務週報なので、公開するのは差し障りがあるのでは、と指摘を受けたとのこと。そりゃそうだな。せっかくだからメッセージの形で発信した。下記はその一部。

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 大前提として、「子供っぽい文章」でない文章とか、「大学卒業生らしい文章」が何を意図しているのかがわかりません。

・用語の問題(これは当方の個人的な感覚で、一般性はないかもしれません)
 一般に、難しい言葉を使うと文章が難解になります。
「9 ○○さん」がおっしゃるように漢字語(?)を増やす方法もありますが、それだけ文章が難しい印象になります。たとえば、「~すること」や「~するもの」の「こと」や「もの」を漢字にする書き方もありますが、あまり一般的ではありません。
 このほか、細かい点で文章を少し難しそうにする方法はあると思います。
 結果を表す「に」を「と」にする(「~することにしました」を「~することとしました」にする)
 起点などを表す「から」を「より」にする(「心から」を「心より」にする)
 など、いろいろありますが、おすすめはできません。それだけ文章が古くさい印象になります。

・文体の問題
 デアル体を使うかデス・マス体を使うかはケースバイケースですが、週報ならデアル体でいいと思います(混在するのはよくありません)。デス・マス体は、文章が子供っぽくなる傾向があります。いくつかの理由があって、デス・マス体で文章を書くのはむずかしいので、デアル体を使うほうがいいでしょう。

・一文の長さの問題
 一般に、一文が短いと稚拙な文章に見えます。しかし、ムヤミに一文を長くすると文章がわかりにくくなります。
 週報なら、一文の長さをできるだけ60字以内にするように心がけてはどうでしょうか。
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 ありゃ。「いいでしょう」って使ってる……orz。
 漢字をどこまで増やすかは微妙な問題。とりあえずhttp://mixi.jp/view_diary.pl?id=1068925572&owner_id=5019671から一部引いておく。

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「開始する」は、「開」と「始」という意味が似ている言葉をダブらせている動詞です。こういう動詞は、片方の言葉などを使って書きかえたほうが読みやすい印象になります。
  ・停止する→止める/やめる
  ・使用する→使う/用いる
  ・軽減する→軽くなる/減る
  ・提示する→示す
 ただし、書きかえることによってニュアンスが大きくかわる場合もあるので、無理をしてまで徹底する必要はありません。
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 こちらも箇条書きにしておこうか。4)は重複するので除く。

6)むやみに漢字を使わない
7)結果を表す「と」は使わず「に」を使う(ex.「~することとした」を「~することにした」にする)
 ※参照日記
【日本語アレコレ──「自然に」と「自然と」の違い1】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-305.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1127505631&owner_id=5019671

【追記】
8)「行う」はできるだけ使わない。
 とくに過去形の「行(おこな)った」は「行(い)った」とまぎらわしい場合があるので、極力避ける。
  ex.みんなで行った花火大会。

 個人的には本則ではないことを承知で「行なう」と書くことにしている。

【追記2】
 いくつも抜けている……orz。

9)重文のつなぎの「~おり」(正確にはなんと言えばいいかわからないorz)は使わず「~いて」を使う。
  ex.この件はすでに解決していて、~

10)接続詞の「また」は極力つかわない
 だいたい削除できる。助詞の「も」をうまく使う。
「それもまた一理ある」のような副詞は許容(個人的にはまず使わない)。


 あと一般的な話は下記あたりかな。
【表記の話12──「ください」と「下さい」をめぐるホニャララ合戦】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2704.html
【表記の話13──補助動詞&ほぼ補助動詞(後項動詞)の表記】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2746.html
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