「全部」と「すべて」をめぐって 独り言です43くらい──日本語教師関連編20くらい
下記の仲間。
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
mixi日記2009年10月18日から
一応下記の続き。
【「行かなそう」と「行かなさそう」をめぐって4 独り言です42くらい──日本語教師関連編19くらい※全体公開】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1305260723&owner_id=5019671
気持ち的には下記の続き。
【「あはれ」と「をかし」をめぐって 独り言です36くらい──日本語教師関連編15くらい】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1298628736&owner_id=5019671
数日前に下記のトピが立った。
【全部 VS すべて】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=47222756
なかなかおもしろそうなテーマだけど、コメントがのびない。
最近、このコミュでは主観を垂れ流すコメントが減った気がする。管理人がコメントを入れなくなったことと関係があるのかないのか。
非常に喜ばしい傾向だと思うが、こんなにおもしろいテーマにコメントがつかないのもどうなんだろう。「主観だけで気軽に書き込める」アンケートが必要なのかもしれない。
「1」のコメントで、ほとんど話が終わっている気がする。だから以降のコメントがつきにくいってことはないだろう。いままでの例で言うと、こういうコメントのあとにトンチンカンなコメントが入ることも多い。
「1」のなかに非常に興味深い一文がある。
>一般的には、同義語がある場合、口語会話では「和語」、文章語では「漢語」が使われることが多いような気がしますが、この場合は何故か逆のようです。
そのとおりだと思う。
なぜ逆なのか……この問題を考えはじめると、それだけでご飯が何杯もいただけそうだ。
とりあえず例によってネット辞書の『大辞泉』をひく。
================================
ぜん‐ぶ【全部】
1 ある物事のすべて。みな。全体。「―の人がそろう」「―が―よいとは限らない」「仕事が―終わる」⇔一部。
2 一そろいになる書物の、すべて。全冊。「叢書の―を復刻する」
================================
すべ‐て【▽凡て/▽総て/▽全て】
《動詞「す(統)ぶ」の連用形+接続助詞「て」から》
1)[名]ある物や、ある事の全部。いっさい。「―を知る」「見るもの―が珍しい」「金が―の世の中」
2)[副]
1 ことごとく。残らず。「財産を―投げ出す」「見たことを―話す」
2 おおよそ。大体。総じて。
・「―、きむぢ、いとくちをし」〈かげろふ・中〉
3 (打消しの語を伴って用いる)全然。まるっきり。
・「―音もせで五六日になりぬ」〈大和・一〇三〉
================================
素朴な疑問。「すべて」は副詞の働きもあるけど、「全部」にはないのだろうか。
ちなみに『大辞林』のほうの記述もほぼ同じ。手元の『広辞林』もそうなっている。
ということは、そもそも副詞的な用法の「全部」は誤用? そんなバカな。「全部」の例文にある「仕事が全部終わる」って副詞的用法じゃないのか。
少なくとも「すべて」の副詞の「1」は基本的に「全部」に置きかえることができるはずだ。ただ、副詞的な用法の「全部」が「話し言葉」的なニュアンスがきわめて強いことを考えると、元々は誤用って可能性は否定できない。
もうひとつ、小さな疑問。「すべて」の副詞的な用法の「2」「3」は現代では使わないのだろうか。問題が微妙すぎてわからないorz。
「2」のコメントに出てきた下記の話も、理由がわからない。
>「全部で5人います。」とは言うけれど、「すべてで5人います。」とは言わない。
さらに話を複雑にしよう。「1」のコメント中の名詞用法に近いかもしれない。
「キミのすべてが欲しい」「ボクのすべてはキミのものだ」とは言う(カ……カユイ)。これは「全部」にはしにくい。
これは奥が深いぞ。どんどん深みにはまっていく。
トピ主はホントにわかったんだろうか。
【続きは】↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1314772258&owner_id=5019671
【日本語アレコレの索引(日々増殖中)】
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【「行かなそう」と「行かなさそう」をめぐって4 独り言です42くらい──日本語教師関連編19くらい※全体公開】
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気持ち的には下記の続き。
【「あはれ」と「をかし」をめぐって 独り言です36くらい──日本語教師関連編15くらい】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1298628736&owner_id=5019671
数日前に下記のトピが立った。
【全部 VS すべて】
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なかなかおもしろそうなテーマだけど、コメントがのびない。
最近、このコミュでは主観を垂れ流すコメントが減った気がする。管理人がコメントを入れなくなったことと関係があるのかないのか。
非常に喜ばしい傾向だと思うが、こんなにおもしろいテーマにコメントがつかないのもどうなんだろう。「主観だけで気軽に書き込める」アンケートが必要なのかもしれない。
「1」のコメントで、ほとんど話が終わっている気がする。だから以降のコメントがつきにくいってことはないだろう。いままでの例で言うと、こういうコメントのあとにトンチンカンなコメントが入ることも多い。
「1」のなかに非常に興味深い一文がある。
>一般的には、同義語がある場合、口語会話では「和語」、文章語では「漢語」が使われることが多いような気がしますが、この場合は何故か逆のようです。
そのとおりだと思う。
なぜ逆なのか……この問題を考えはじめると、それだけでご飯が何杯もいただけそうだ。
とりあえず例によってネット辞書の『大辞泉』をひく。
================================
ぜん‐ぶ【全部】
1 ある物事のすべて。みな。全体。「―の人がそろう」「―が―よいとは限らない」「仕事が―終わる」⇔一部。
2 一そろいになる書物の、すべて。全冊。「叢書の―を復刻する」
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すべ‐て【▽凡て/▽総て/▽全て】
《動詞「す(統)ぶ」の連用形+接続助詞「て」から》
1)[名]ある物や、ある事の全部。いっさい。「―を知る」「見るもの―が珍しい」「金が―の世の中」
2)[副]
1 ことごとく。残らず。「財産を―投げ出す」「見たことを―話す」
2 おおよそ。大体。総じて。
・「―、きむぢ、いとくちをし」〈かげろふ・中〉
3 (打消しの語を伴って用いる)全然。まるっきり。
・「―音もせで五六日になりぬ」〈大和・一〇三〉
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素朴な疑問。「すべて」は副詞の働きもあるけど、「全部」にはないのだろうか。
ちなみに『大辞林』のほうの記述もほぼ同じ。手元の『広辞林』もそうなっている。
ということは、そもそも副詞的な用法の「全部」は誤用? そんなバカな。「全部」の例文にある「仕事が全部終わる」って副詞的用法じゃないのか。
少なくとも「すべて」の副詞の「1」は基本的に「全部」に置きかえることができるはずだ。ただ、副詞的な用法の「全部」が「話し言葉」的なニュアンスがきわめて強いことを考えると、元々は誤用って可能性は否定できない。
もうひとつ、小さな疑問。「すべて」の副詞的な用法の「2」「3」は現代では使わないのだろうか。問題が微妙すぎてわからないorz。
「2」のコメントに出てきた下記の話も、理由がわからない。
>「全部で5人います。」とは言うけれど、「すべてで5人います。」とは言わない。
さらに話を複雑にしよう。「1」のコメント中の名詞用法に近いかもしれない。
「キミのすべてが欲しい」「ボクのすべてはキミのものだ」とは言う(カ……カユイ)。これは「全部」にはしにくい。
これは奥が深いぞ。どんどん深みにはまっていく。
トピ主はホントにわかったんだろうか。
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