「〜していきます」「~していきたいです」「~していきたいと思います」

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html
 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【12】
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1920318468

mixi日記2014年07月08日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5019671&id=1929188749

 下記が関係あるかも。
1020)【「~なのかな」「~とは思います」「~と思います」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2842.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1908860625&owner_id=5019671

 テーマサイトは下記。
【「~して行きたい」「~して行きたいと思う」など。】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12131579487

 まず質問の全文を引く。
================引用開始
「~して行きたい」「~して行きたいと思う」など。
例えば不祥事を謝罪するときに「今後このようなことの無いように気を引き締めて行きたい」と気を引き締めるのではなく 引き締めて行きたい。
「ただいまから成績を発表して行きたいと思います」発表するのではなく発表して行きたいなど。
何故ぼかすような表現なんでしょうか。
================引用終了

 発言者の立場によって、事情が微妙にかわってくる。話の内容を考慮して、例文は基本的にデス・マス体で考える。
 断定的な言い方から曖昧な言い方まで、いくつか段階がある。

●謝罪の言葉
1)今後このようなことのないように気を引き締めます
  ↓
2)今後このようなことのないように気を引き締めていきたいです
  ↓
3)今後このようなことのないように気を引き締めていきたいと思います

 大前提として、謝罪の場合は「いきたいと思います」ではなく「いく所存でございます」くらいのほうが自然だろう。
 1)が一番スッキリしている。「引き締める」か否かは個人の心がけの問題だから「たい」をつけるのはおかしい、というのはごもっとも。「たい」は希望や願望を表わす(辞書の引用は末尾)。
 このように断言すると、同じような事態が再発したときに責任を追及されそう。
 だから少しボカすのだろう。政治家などの常套手段(笑)。そこで2)のように「たい」をつける。「いく」とは断言できないが、「いきたい」。「いく」努力はするけど、「いけなかった」ら許してね。
 デアル体で「いきたい」と言えば何も問題がないが、これに「です」をつけて「いきたいです」にすると、ちょっと問題がある。むずかしい話は別として、「たい」の活用を見ると形容詞とほぼ同じことがわかる。
 つまり、「たいです」(「たかったです」も同様)に覚える異和感は「うれしいです」に覚える異和感とほぼ同じもの。「間違い」ではないが、『大辞林』が〈現在かなり広がっているが,多少ぎこちなさも感じられる〉としているのだから、避けるべきだろう。
【この文章〈「形容詞終止形」+「です」〉は文法的に正しいですか】教えて!goo
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2891.html

 避ける方法はいろいろ考えられるが、一番安直なのは「〜と思います」をつけること。こうして3)のような形が広まることになる。
 2)の形を避けるのが「たいです」に対する異和感のせいか否か正確なところは、本人に確認しないとわからない。
「希望」にさらに「〜と思う」をつけるんだから、クドい印象になるのは当たり前。

●所信表明の言葉
「所信表明」というといかめしいが、プロ野球の新人の入団挨拶と考える。
1)一生懸命頑張ります
  ↓
2)一生懸命頑張りたいです
  ↓
3)一生懸命頑張りたいと思います
 1)がスッキリしているが、ちょっと控えめに言うなら2)、「たいです」に異和感があれば3)になるのだろう。
 これが「一生懸命頑張って新人王をとります」だとビッグマウスになる。3)のパターンが自然だろう。

 これが子供の将来の夢で「野球選手になります」だと2)が自然な気がする。もちろん3)でも構わない。「海賊王に、おれはなる」のほうが威勢はいいけど(笑)。



http://kotobank.jp/word/%E3%81%9F%E3%81%84?dic=daijisen&oid=11083400
================引用開始
デジタル大辞泉の解説
たい 【たい】

[助動][たかろ|たく・たかつ|たい|たい|たけれ|○]《希望の助動詞「たし」の連体形「たき」の音変化》動詞、および助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」の連用形に付く。
1 話し手の希望を表す。「御飯を食べたい」「日比(ひごろ)月日がおがみたいと思うたに」〈虎明狂・腰祈〉
2 話し手以外の人の希望を表す。「読みたいなら貸すよ」「やめたい人はやめればいい」
3 「ある」「である」「なさる」「くださる」や尊敬の助動詞「れる」「られる」に付いて、他に対する希望・要求を表す。…てほしい。「正直者がばかを見ない世の中でありたい」「別表を参照されたい」
◆「たい」が他動性の動詞に付く場合、希望の対象を表すのに、「水を飲みたい」「水が飲みたい」のように「…ヲ…タイ」「…ガ…タイ」の両形を、室町時代以来用いてきている。連用形「たく」の音便形「とう(たう)」は中世から行われているが、現代語では、「ございます」「存じます」を伴うときにかぎって行われる。また、接続助詞「て」を伴う場合、「たくって」となることもある。3は多く文章語に用いる。
================引用終了

 ちょっとメモ。
バイト敬語/若者言葉──「~とか」の話
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2310.html
================引用開始
 こうなると、近年の若者言葉に特有の曖昧表現、というククリ方もできそうな気がする。ただ、それは少し違うのでは、って気もする(「曖昧表現」の一方で「氏ね」などの直截な表現も目立つ。二極化と言うほうが正確だろう。)。
================引用終了

~されてください ~なさってください

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【11】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1906376407&owner_id=5019671

mixi日記2013年12月03日から


「○○は遠慮されてください」はなぜおかしいか。
 突然ですが問題です【日本語編173】を出題してからかなりたつ。
 出題の少し前からとんでもない状況になって、11月いっぱいで一段落した(はず!)のに、どこから手をつけていいかわからない。
 この設問には2つの問題がからむ。
 1つは相手の行動を「遠慮しろ」と言えるか否か。これはさほどむずかしくない。個人的には異論もあるが、とりあえず「控えろ」にするほうが無難。
 問題は「~されてください」。「される」の部分を受身と考えるなら、やや特殊な形ではあってもアリだろう。
「噓とわかっても騙されて(やって)ください」
「あえて殴られて(やって)ください」
 ここで考えたいのは、受身ではなく、敬意を表わす「される」と「ください」の組み合わせ。
 感覚的には「~されてください」には強い異和感がある。しかし、これがなぜダメかを論理的に説明するのはけっこうむずかしい。

『敬語再入門』のP.44に「16 主な尊敬語四つの整理」という項目がある。
 あげられているのは以下の4つ。
1)お/ご~~になる
2)お/ご~~なさる
3)──なさる
4)……(ら)れる

 それぞれの特徴は、原本を確認してほしい。
 以下は当方の考えを交えるので、相当信頼度が下がる。
 敬度の麺で考えると、1)から4)のなかでもっとも敬度が低いのは4)。湯(タン)で考えるとどうなるかはしらない。もっとも敬度が高いのは2)。1)と3)はちょっと方向性が違う気もして微妙なので、同ランクにしておく。
 同書では4)のことを「レル敬語」と読んでいる。
 世間ではこれが評判が悪い。最大の理由は、受身に解釈できることがあること。
「先生が食べられた」では先生が誰かに補食されたみたい……いう論理らしい。そんなものは文脈でわかるだろ、という話はおく。「お食べになった」ではなく「召し上がった」と言いなさい……となると別の話になる。
 敬度が低い上にまぎらわしいこともあり、「レル敬語」は初心者の敬語という印象があるらしい。その半面「レル敬語」には制約が少ないという利点がある。この「制約」に関しては『敬語再入門』が詳しい。
 簡単に言うと、3)は〈非「──する」型〉の動詞には使えない。×読みなさる
 1)2)は一部の〈「──する」型〉の動詞では使えない。×ご運転になる/×ご運転なさる
「レル敬語」の愛用者が多いのは、こういった理由もあるのだろう。

 さて本題。すでに書いたように「レル敬語」は制約が少ない。しかし、「……(ら)れてください」の形には強い異和感がある。この理由が……。
「遠慮しろ」「控えろ」を1)~4)の形にしてみる。

1)ご遠慮になる
2)ご遠慮なさる
 ※「遠慮」の場合は1)2)とも問題がない気がする。
3)遠慮なさる
4)遠慮される

1)お控えになる
2)お控えなさる
3)×控えなさる×
4)控えられる

 これに「ください」をつける。
1)ご遠慮(になって)ください
2)ご遠慮(なさって)ください
3)遠慮なさってください
4)遠慮されてください△

1)お控え(になって)ください
2)お控え(なさって)ください
3)×
4)控えられてください△

 ともに1)2)は(になって)(なさって)を省略した縮約形(『敬語再入門』の用語)のほうが一般的だろう。もちろん、省略しない形が間違いというわけではない。
 ともに4)はヘン。「~ください」と並んでよく使う「~いただく」の場合も、4)は△。
 正確な理由はわからない。こういうのは「言わないから言わねえんだよ。使いたきゃ勝手にどうぞ」と開き直るしかない。
 以下は憶測。
 1)の場合、「(になって)ください」がクドい印象なので「ください」が一般的。2)も同様。
 4)の場合、「(さ)れてください」がクドくても避けようがない。もちろん「遠慮してください」「控えてください」にはできるけど、やや無礼な印象になりそうな……。1)~3)のほが無難だろうな。

【20171024追記】
 うーん。これを書いたことをスッカリ忘れていた。下記を書いてから別件で調べものをしていてこのエントリーを見つけた。
【「参加されてください」の是非】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12321043639.html

 で、読み返してみると大きなミスはなさそだが、言葉足らずのところがいくつかあるので補足しておく。

●〈もっとも敬度が高いのは2)。1)と3)はちょっと方向性が違う気もして微妙なので、同ランクにしておく〉
 これでもよいと思うが、たしか菊地氏がどこかで、2)と1)の敬度は同程度と書いていた気がするので、そちらを優先する。この話は、どちらでもたいした違いはない。

●〈簡単に言うと、3)は〈非「──する」型〉の動詞には使えない。×読みなさる〉
 これはちょっと問題かも。
『敬語再入門』によると、「レル敬語」以外の一般形には、それぞれ制約がある。 
2)お/ご~~なさる
〈非「──する」型〉(和語の動詞と考えてほぼ間違いないだろう)だと古臭い印象になる。
「お読みなさる」……たしかに古いな(笑)。
3)──なさる
〈非「──する」型〉は△扱い。このあたりになると語感が全く働かない。
 自分では使わないという意味では「お読みなさる」も「読みなさる」も同じようなもの。これが動詞がかわるとちょっと印象がかわる気がする。
「お走りなさる」はナシ。「走りなさる」ならアリでは。
「お話しなさる」はアリだろう。「話しなさる」はXの気がする。近寄らないのが正解だろうな(泣)。

~されてください ~なさってください〈2〉 ご遠慮ください お控えください

mixi日記2014年12月11日から

【ご遠慮 お控え】のキーワードで検索してもよくわからない。
 下記のサイトは信頼できるはずだが、この問題に関してはどうにも煮え切らない。全文は末尾に。
【「御遠慮ください」】
http://www.ninjal.ac.jp/QandA/vocabulary/post-48/
 結論は下記の部分だろうか。ほとんどヤケになっているような……。
==============引用開始
「御遠慮ください」が不適切な表現だ,と判断されるのには,おそらく,いくつかのことが同時に複合していて,全体の表現として「心地よくない」から不適切だ,と解釈できるのかもしれません。「間違いかどうか」の範囲を,用語本来の厳密な意味・用法に限定せずに,表現やその効果にまで拡大するとしたら,「やめておくに越したことはない」という話です。
==============引用終了

 これも例によって「(明確な根拠はないが)避けるほうが無難」ですかいの。



【ネタ元】「御遠慮ください」(国立国語研究所)
http://www.ninjal.ac.jp/QandA/vocabulary/post-48/
==============引用開始
「御遠慮ください」

質問
「~は御遠慮ください。」という表現は不適切だ,ということを読んだことがあります。本当でしょうか。

回答
「遠慮」という語は,はじめ「遠く先までも見通すこと」でした。これは,現代で「深謀遠慮」という言葉で使うときと同じ意味です。この用法は,平安時代以来,漢文の記録や漢文訓読体の軍記物などで使われていました。その後,室町時代から近世にかけて,「言動を差し控える」という意味で使うようになっていたようです。またさらに,「自分から断わる,辞退する」という意味でも使います。この用法はさらにすすんで,現代でいう,お祭りなどを「自粛する」ことにも使いましたし,また,江戸時代には,「謹慎」の刑罰のことや,病や物忌を理由に,出仕や面会を「自重」する意味でも用いました。

これら「辞退・自粛・謹慎・自重」は,なんらかの自分の行動を差し控える行為です。その根底には,いわば,世間をはばかる精神が流れているのかも知れません。しかし,用語や語法そのものには,謙譲の用法(あえて言い換えてみれば,「差し控えさせていただく」の「させていただく」の部分),すなわち待遇の本体がある,というわけではありません。

さて,「御~くださる」は相手の行為を高める,尊敬語に属する敬意表現です。「御遠慮」は和語でいえば「お控え」にあたり,全体で「お控えください。」と言い換えられます。「御遠慮ください。」ばかりが罪深いように言われるのは,どうしてでしょうか。第一に,和漢の語種の違いがあります。和語の効果として,柔らかく感じられ,その分,婉曲の度合いは大きく,禁止の度合いも,より弱く感じられる,ということはあるかもしれません。

たとえ漢語「遠慮」を使ったとしても,さらに敬意表現を伴った「御遠慮いただいております。」などの方が,紋切り型の「御遠慮ください。」よりも,少しは“まし”に思われるでしょう。これは,「御遠慮ください。」と言い切っていないので,話し手の謙譲の心持ちが,少しでも聞き手に伝わるからでしょう。

「御遠慮ください」が不適切な表現だ,と判断されるのには,おそらく,いくつかのことが同時に複合していて,全体の表現として「心地よくない」から不適切だ,と解釈できるのかもしれません。「間違いかどうか」の範囲を,用語本来の厳密な意味・用法に限定せずに,表現やその効果にまで拡大するとしたら,「やめておくに越したことはない」という話です。

このことを,商業的な応接マニュアルなどで,理由もなくルール化する必要はないかも知れません。が,言葉の性質を見極めて,よりよい別の方法(例えば,「飲食物のお持ち込みは,御容赦願います。」など。)を積極的に探すのがよいでしょう。

山田貞雄 (2014.4.23)
==============引用終了

~されてください ~なさってください〈2〉 ご遠慮ください お控えください

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年12月11日から

 下記の続き。
【~されてください ~なさってください】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2901.html

【ご遠慮 お控え】のキーワードで検索してもよくわからない。
 下記のサイトは信頼できるはずだが、この問題に関してはどうにも煮え切らない。全文は末尾に。
【「御遠慮ください」】
http://www.ninjal.ac.jp/QandA/vocabulary/post-48/
 結論は下記の部分だろうか。ほとんどヤケになっているような……。
==============引用開始
「御遠慮ください」が不適切な表現だ,と判断されるのには,おそらく,いくつかのことが同時に複合していて,全体の表現として「心地よくない」から不適切だ,と解釈できるのかもしれません。「間違いかどうか」の範囲を,用語本来の厳密な意味・用法に限定せずに,表現やその効果にまで拡大するとしたら,「やめておくに越したことはない」という話です。
==============引用終了

 これも例によって「(明確な根拠はないが)避けるほうが無難」ですかいの。



【ネタ元】「御遠慮ください」(国立国語研究所)
http://www.ninjal.ac.jp/QandA/vocabulary/post-48/
==============引用開始
「御遠慮ください」

質問
「~は御遠慮ください。」という表現は不適切だ,ということを読んだことがあります。本当でしょうか。

回答
「遠慮」という語は,はじめ「遠く先までも見通すこと」でした。これは,現代で「深謀遠慮」という言葉で使うときと同じ意味です。この用法は,平安時代以来,漢文の記録や漢文訓読体の軍記物などで使われていました。その後,室町時代から近世にかけて,「言動を差し控える」という意味で使うようになっていたようです。またさらに,「自分から断わる,辞退する」という意味でも使います。この用法はさらにすすんで,現代でいう,お祭りなどを「自粛する」ことにも使いましたし,また,江戸時代には,「謹慎」の刑罰のことや,病や物忌を理由に,出仕や面会を「自重」する意味でも用いました。

これら「辞退・自粛・謹慎・自重」は,なんらかの自分の行動を差し控える行為です。その根底には,いわば,世間をはばかる精神が流れているのかも知れません。しかし,用語や語法そのものには,謙譲の用法(あえて言い換えてみれば,「差し控えさせていただく」の「させていただく」の部分),すなわち待遇の本体がある,というわけではありません。

さて,「御~くださる」は相手の行為を高める,尊敬語に属する敬意表現です。「御遠慮」は和語でいえば「お控え」にあたり,全体で「お控えください。」と言い換えられます。「御遠慮ください。」ばかりが罪深いように言われるのは,どうしてでしょうか。第一に,和漢の語種の違いがあります。和語の効果として,柔らかく感じられ,その分,婉曲の度合いは大きく,禁止の度合いも,より弱く感じられる,ということはあるかもしれません。

たとえ漢語「遠慮」を使ったとしても,さらに敬意表現を伴った「御遠慮いただいております。」などの方が,紋切り型の「御遠慮ください。」よりも,少しは“まし”に思われるでしょう。これは,「御遠慮ください。」と言い切っていないので,話し手の謙譲の心持ちが,少しでも聞き手に伝わるからでしょう。

「御遠慮ください」が不適切な表現だ,と判断されるのには,おそらく,いくつかのことが同時に複合していて,全体の表現として「心地よくない」から不適切だ,と解釈できるのかもしれません。「間違いかどうか」の範囲を,用語本来の厳密な意味・用法に限定せずに,表現やその効果にまで拡大するとしたら,「やめておくに越したことはない」という話です。

このことを,商業的な応接マニュアルなどで,理由もなくルール化する必要はないかも知れません。が,言葉の性質を見極めて,よりよい別の方法(例えば,「飲食物のお持ち込みは,御容赦願います。」など。)を積極的に探すのがよいでしょう。

山田貞雄 (2014.4.23)
==============引用終了


【接続詞(っぽい言葉)の役割──順接/逆接/並列・追加/対比・選択/説明・補足/転換】 【20130314改定版】

 下記の改良版。
接続詞(っぽい言葉)の一覧
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2208.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1876362665&owner_id=5019671


 接続詞の使い方については下記参照。
文章の書き方──接続詞の使い方
とりあえずは接続詞もフツーに使って書いてみる。
多いのが気になるなら、あとから減らせばいいだけ。

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n107384
 ↓
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1442.html

文章の書き方(やや毒あり)──接続詞の使い方
実用文なら接続詞を減らさなくてもいい

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n106586
 ↓
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-76.html


「逆に」はどうしようか。接続詞ではなく、「形容動詞」の連用形だと思うが……。なんでもかんでも無節操に入れる方針?だしなぁ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11134667746/a337870251


1)順接
いかにも
かくして
こうして
このため
このために
このようなわけで
このように
さもないと
さもなくば
しからば
したがって
すると
そうしたら
そうして
そうしないと
そうすると
そうだとすれば
そうでないなら
そこで
そのため
そのために
その結果
それじゃ
それじゃあ
それで
それでは
それなら
それならば
それゆえ
それゆえに
だから
だったら
だって
だとしたら
だとすると

ですから
では ※6)転換も
なので ※追加
ならば
なるほど
ゆえに
よって


2)逆接
いっぽう

かえって
ぎゃくに/逆に  ※4)対比・選択か?
けど
けども
けれど
けれども
しかし
そうはいうものの
そうはいっても
そのかわり
そのかわりに
そのくせ
その反面
それが
それでいて
それでも
それどころか
それなのに
それにしては
それにしても
それにもかかわらず
だが
だからといって
だけど
だけども
だけども
だけれど
だけれども
だけれども
ただ ※「5)説明・補足 」のほうが一般的かも
ただし ※「5)説明・補足 」のほうが一般的かも
だのに
ですが
ですけれど
ですけれども
でも
ところが
とはいうものの
とはいえ
なのに
にもかかわらず


3)並列・追加
これとともに
それと同時に
おまけに
および
かつ
かつまた
くわえて/加えて
さいしょに/最初に
さらに
しかも
そして
その後
その上
それから
それに
それにくわえて
そればかりか
そればかりでなく
だいいちに/第一に……
ついで
つぎに/次に
つづいて
なお
なおかつ
ならびに
はじめに
ひいては
ひとつめに……
まして
まず
また


4)対比・選択
あるいは
いっぽう
ぎゃくに/逆に
さもなければ
じゃなくて
そうじゃなくて
そうでなくて
そうでなければ
そうではなくて
それとも
それに対し
それに対して
たほう/他方
でなくて
でなければ
ないし
ないしは
はんたいに/反対に
はんめん/反面
また
または
もしくは


5)説明・補足
いいかえると
いいかえれば
いかにして
いってみれば
いな/否
かえって
かつ
かわりに
かんげんすると/換言すると
ぐたいてきには/具体的には
ことに
じじつ/事実
じっさい/実際
そうでなく
そうではなく
そのかわり
その理由については
だって
たとえば
ちなみに
というか
というより
とくに
とりわけ
なお
なかでも
なぜかというと
なぜかといえば
なにしろ
なにせ
ようやくすると/要約すると
いわば
いわゆる
かりに/仮に
けっきょく
すなわち
ただ
ただし
たとえば
つまり
といいますのは
というのは
というのも
なぜなら
なぜならば
なんとなれば
むしろ
もっとも
ようするに


6)転換
いずれにしても
いずれにしろ
さて
じゃ
じゃあ
そう言えば
それでは
それにしても
それはさておき
それはそうと
では ※1)順接も
ときに
ところで
どっちにしても
どっちみち
とにかく
ひるがえって
また ※一般には「3)並列・追加」?

【追記】
 まじめな論文の【参考文献】にしていただけるとは思わなかった。
 だったらもう少しちゃんとしたタイトルにするんだった。〈接続詞(っぽい言葉)〉はないよなー(笑)。
【接続詞を考察する――表記はひらがな?漢字?接続詞で短文化――】
http://www.bow-wow.jp/sht3/pdf/025R1_symposium2014.pdf

グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年09月10日から

 あれ? これもアップし忘れている?

 テーマトピは下記。
【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=76241185&comment_count=15&comm_id=125916

 大前提として、「グレーゾーン」とはどういうものかの厳密な定義は勘弁してほしい。
 当方に考えられるのは「0」に書いた程度。
・元々は誤用とされていたが、そうとも言い切れないのでは……。
・誤用だの正用だのが入り乱れた結果、何が正しい使い方なのかわからなくなってしまった言葉……etc.
 やはり根拠をあげておいたほうがいいか。あくまでも話題提供のつもりだからホントはこういうことはしたくないんだけど。ヘンな解説をしなくても、わかる人はわかると思うんだけどなぁ。

[0]
【全然+肯定形】
【的を得る】
よくある誤用18──ラ抜き言葉 的を射る/的を得る 全然+肯定形
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121646
【斜に構える】
よくある誤用1──誤用の御三家 さわり 役不足 斜に構える
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642

[1]【汚名挽回】
 何がなんだか。
http://matome.naver.jp/odai/2139899391825390701
[2][3]【雪辱】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3073.html
[4]【耳ざわりがいい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[5]【異和感】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[6]【真逆(まぎゃく)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2283.html
[7]【何気に】 【さり気に】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2499.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n152020
[13]【喧々諤々】
よくある誤用9──それも誤用とは言えない 一所懸命/一生懸命 独壇場/独擅場 喧々諤々/喧々囂々/侃々諤々
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118113
[14]【潮時】
よくある誤用5──言いかえがむずかしい(泣) 確信犯 なし崩し 潮時
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139

【追記】
[16]【ぞっとしない】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1342.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3100.html
[17]【まぬかれる/まぬがれる】
[18]【ぎごちない/ぎこちない 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n120033
【「くらい」と「ぐらい」】日本語しつもん箱 トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=398881&page=1&id=28491946
[19]【1人で爆笑する】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2866.html
[20]【逆王手】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2503.html
[21]【組みしやすい】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119811
[22]【檄を飛ばす】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[23]【役不足】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642
[24]【確信犯】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139
[25]【なるほど】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n122219
[26]【こだわり】 【こだわる】
[27]【生き様】
[51]【さらなる】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119378
[58]【破天荒】
[72]【助長】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[73]【ごぼう抜き 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[74]【憮然】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n115253
[75]【白羽の矢が立つ】
http://http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[76]【ジンクス 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-195.html
[77]【とんでもありません】 【とんでもございません】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116373
[79]【他人事】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1720867247&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1941.html
[80] 【唯一】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1938548734&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3222.html
[139] 【王道】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121351
[140] 【善し悪し(よしわるし)】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n117878
[141] 【直截】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-294.html
[146] 感動によって【鳥肌が立つ】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[150] 【的を得る】再び
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2739.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1895622519&owner_id=5019671
[154] 【すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい 】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181241496
[155] 【物議を醸し出す】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2992.html
[158] 【心が折れる】
424)【「心が折れる」「心を折る」Yahoo!知恵袋】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1825.html
1437)【「週刊ポスト」でもこのレベルですか。ε= (´∞` ) ハァー  「へこむ」「心が折れる」】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12046813531.html
[172] 【憮然】2015年04月22日

[203] 【歴史を紐解く】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=18459809
[204] 【あげつらう】
https://kotobank.jp/word/%E8%AB%96%E3%81%86-423760#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
[205] 【打撃する】

[206] 【壊滅的な出来の悪さ】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12072189199.html
[212] 【美人すぎる○○】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-995.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2940.html

[213] 【悪貨は良貨を駆逐する】

[214] 【登竜門】

[215] 【満を持して飛び出す】

[216] 【肉汁】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1180.html
[219] 【最も○○な人のひとり】 【最も○○なもののひとつ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3306.html

[235] 【技の難易度】

[237] 【両者とも絶対に負けられない一戦】

[238] 【申し訳ありません】 【申し訳ございません】

[239] 【十本】

[241] 【目の当たりに見る】

[243] 【にやける】

[245] 【バーター】

[246] 【割愛する】

[255] 【見える化】

[257] 【しつらえ】

[264] 【解説者として板についてきました】

[265] 【紐解く】

[266] 【立派な犯罪】

[267] 【性癖】

[268] 【辛党】

[269] 【なし崩し】

[270] 【足元をすくう】 【足下をすくう】

[271] 【爆笑】http://ranking.goo.ne.jp/column/article/3087/

[272] 【「組しやすい】【組みしやすい】【組する】

[273]  同学年の他のクラスの人を指して【同級生】

[274] 【敷居が高い】

[275] 【立ち振る舞い】(燃える闘魂)



【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】〈2〉 
ぞっとする ぞっとしない 国語に関する世論調査

 今度は「ぞっとしない」ですか。それも「誤用例が増えている言葉」だと思う。間違える人がどんなに多くなっても、「グレーゾーン」ではなく単なる「誤用」。誤用の意味のほうを採用する辞書が出てきたら、考えてやってもいい。(←何様!) まあ、そんな微妙なことを説明しても理解してもらえないだろうな。
「誤用例が増えている言葉」の例が欲しければ、「国語に関する世論調査」のバックナンバーを調べればいい。いくらでもある。
 文化庁の「国語に関する世論調査」によると、どうやら「ぞっとしない」も間違って意味で使う人のほうが多くなったらしい。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html

 全文は最後に。
 これさ。質問のしかたがホニャララなんじゃないか? 「誤用例が増えている言葉」ではなく、「使わなくなった言葉」(いわゆる「死語」)じゃないかな。「国語に関する世論調査」に対しては疑問に感じることが多かったが、根本的なところがズレてる気がしてきた。
〈「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文〉をあげて、選択肢が「面白くない」「恐ろしくない」の2つだったら、そりゃ「恐ろしくない」を選ぶって。
 これは厳密に言うと「恐ろしくない」を選んだわけではない。聞いたこともない用法だけど、「面白くない」って意味を知らなかっただけ。そうなると、「ぞっとする」(恐ろしい)の反対の意味になりそうな「恐ろしくない」を選ぶしかない。
 でもそれは「恐ろしくない」の意味で「ぞっとしない」を使う人が増えたわけではない。「ぞっとしない」の「意味がわからない」から「使わない」人が増えただけ。ここを混同してもらっては困る。
 ちなみに、当方は「面白くない」も違う気がする。辞書にあるように、「あまり感心しない」「いい気持ちがしない」くらいの意味。普段使う言葉にするなら「ヤな感じ」が一番近い。つまり、「ぞっとしない映画」も相当ヘンだと思う。
 たとえば最近「ぞっとしないニュース」が増えている。決して「面白くないニュース」ではない。聞いて「なんかヤな感じがするニュース」が増えている。ただ、自分で文章を書くときにそれを「ぞっとしないニュース」とは書かない。ほぼ「死語」だと思うから。ジジむさい。

「国語に関する世論調査」の質問の仕方に異和感をもったのは初めてではない。下記のときもそうだった。
【死語の話3 噴飯もの 流れに棹さす】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914383764&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2885.html
================引用開始
 ホントなんだろうか。「49.0%」のうちほとんどは、「そういう意味だと思い込んでいた」のではなく、知らなかったけど「選択肢から選んだ」(重言?)のではないかと疑っている。だってね。(ア) と(イ)を合わせると、どういう意味なのかは別として約7割の人がこの言葉を知っていたことになる。そんなバカな。
 まあ、「そういう意味だと思い込んでいた」のか「その場で選んで間違った」のかを深く追及する気はない。正しい意味が伝わりにくいことにかわりはない。
 なぜそんなことになったのか。これはいくつかの不幸が重なった結果だと思う。

●目にした用例がまぎらわしかった
(略)

●「食べもの」を噴くほどおもしろいことってあり?
(略)

●「噴」と「憤」を間違ったのでは
(略)
================引用終了

 誤解されそうな「ほぼ死語」をもってきて、ほぼミスリードの選択肢を用意して、「誤用例が増えている言葉」をデッチあげている気がする。
 そんなことになんの意味があるのかはわからない。だったらホントに誤用例が多い言葉について調べなよ。
 だって、「恐ろしくない話」を「ぞっとしない話」なんて使う●●は見たことないよ。試しに「少納言」で調べたら「ぞっとしない」の用例は13件。「恐ろしくない」の意味は……0件。そりゃそうだろう。誰もそんな使い方はしないって。
http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/search_form

 こうして、誰の役にも立たない言葉の雑学ばかりが流布していく。
「ぞっとしない」でネット検索してみれば明らか。しょうもない問答が大量にヒットする。
 ε= (´∞` ) ハァー

【「ぞっとしない」の意味】
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html
================引用開始
文化庁月報
平成25年2月号(No.533)

連載 「言葉のQ&A」
「ぞっとしない」の意味

国語課
 「ぞっとしない話」のように使われる「ぞっとしない」。「国語に関する世論調査」でこの言葉の意味を尋ねたところ,本来の意味とは違う意味で使う人が多いことが分かりました。

問1 「ぞっとしない」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 面白くない,という意味です。
 「ぞっとしない」を辞書で調べてみましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっとしない
 特に驚いたり感心したりするほどではない。あまり感心しない。いい気持ちがしない。

「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店)
ぞっとしない
 それほど感心したり面白いと思ったりするほどでもない。

 「ぞっとしない」の「ぞっと」の意味も確かめておきましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっと(副)
(1)恐ろしさで身の毛がよだつさま,極度の恐怖から,からだがふるえあがるような感じのするさまを表す語。
(2)美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す語。
(3)寒さでからだがふるえあがるさまを表す語。
 「ぞっとしない」は「面白くない」「感心しない」という意味の言葉です。「ぞっと」という副詞は,主に恐怖によって寒気を感じるようなときに用いますが,「―しない」の形になったときの「ぞっと」は,「怖い」「恐ろしい」という意味ではありません。文学作品の中に用例を探してみましょう。

 これは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると,浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが,親愛なる旧友のいう事だから,僕も素直に賛成してさ。
(芥川龍之介  「一夕話」 大正11年)
 「僕」は,旧友の提案について,浅草は余り面白くないと思いながらも素直に受け入れた,ということを言っています。「浅草はあんまり恐ろしくないが」と受け取っては,意味が通じません。これが「ぞっとしない」の本来の使い方です。

問2 「ぞっとしない」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答 本来の意味である「面白くない」と答えた人が3割弱,本来の意味ではない「恐ろしくない」と答えた人が5割台半ばという結果でした。
 平成18年度の「国語に関する世論調査」で,「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文を挙げ,「ぞっとしない」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)
〔全 体〕
ぞっとしない
(ア)面白くない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.3%
(イ)恐ろしくない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54.1%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.8%

〔年代別グラフ〕

 全体の調査結果を見ると, 本来の意味ではない(イ)「恐ろしくない」と回答した人の割合が54.1%となっており,本来の意味である(ア)「面白くない」と回答した人の割合(31.3%)を23ポイント上回っています。また,9.8%の人が「分からない」と回答しました。
 年代別に見ると,全ての年代で,本来の意味ではない(イ)の割合が,本来の意味である(ア)の割合を上回りました。16~19歳では,その差が67ポイントありますが,年代が高くなるにつれて(ア)と(イ)の数値が接近し,50代では14ポイント,60歳以上では5ポイントにまで縮まっています。年齢の高い人たちの方が,本来の意味でこの言葉を使う傾向があると言えるでしょう。
 「ぞっとする」という表現は,大抵,恐ろしい思いを表すために用いられます。それで「ぞっとしない」を「恐ろしくない」と捉える人が多いのでしょう。しかし,「ぞっとしない」という言い方は,単純に「ぞっとする」を否定したものではありません。「面白くない」「感心できない」という意味で用いられる,一つの慣用的な言い回しとして考えた方が良さそうです。また,先ほど確認したとおり,「ぞっと」には「美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す」という意味もありますから,そのような意味の否定の形として「ぞっとしない(面白くない)映画だった。」と使われる場合もあると考えられます。いずれにしても,恐怖の表現としての「ぞっとする」を否定した「恐ろしくない」という意味で用いるのは,本来の使い方ではありません。
================引用終了
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フリーランスの編集者兼ライターです。

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