グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2828.html

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【13】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929935424&owner_id=5019671

mixi日記2014年09月10日から

 あれ? これもアップし忘れている?

 テーマトピは下記。
【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=76241185&comment_count=15&comm_id=125916

 大前提として、「グレーゾーン」とはどういうものかの厳密な定義は勘弁してほしい。
 当方に考えられるのは「0」に書いた程度。
・元々は誤用とされていたが、そうとも言い切れないのでは……。
・誤用だの正用だのが入り乱れた結果、何が正しい使い方なのかわからなくなってしまった言葉……etc.
 やはり根拠をあげておいたほうがいいか。あくまでも話題提供のつもりだからホントはこういうことはしたくないんだけど。ヘンな解説をしなくても、わかる人はわかると思うんだけどなぁ。

[0]
【全然+肯定形】
【的を得る】
よくある誤用18──ラ抜き言葉 的を射る/的を得る 全然+肯定形
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121646
【斜に構える】
よくある誤用1──誤用の御三家 さわり 役不足 斜に構える
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642

[1]【汚名挽回】
 何がなんだか。
http://matome.naver.jp/odai/2139899391825390701
[2][3]【雪辱】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3073.html
[4]【耳ざわりがいい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[5]【異和感】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3056.html
[6]【真逆(まぎゃく)】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2283.html
[7]【何気に】 【さり気に】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2499.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n152020
[13]【喧々諤々】
よくある誤用9──それも誤用とは言えない 一所懸命/一生懸命 独壇場/独擅場 喧々諤々/喧々囂々/侃々諤々
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118113
[14]【潮時】
よくある誤用5──言いかえがむずかしい(泣) 確信犯 なし崩し 潮時
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139

【追記】
[16]【ぞっとしない】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1342.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3100.html
[17]【まぬかれる/まぬがれる】
[18]【ぎごちない/ぎこちない 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n120033
【「くらい」と「ぐらい」】日本語しつもん箱 トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=398881&page=1&id=28491946
[19]【1人で爆笑する】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2866.html
[20]【逆王手】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2503.html
[21]【組みしやすい】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119811
[22]【檄を飛ばす】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[23]【役不足】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n114642
[24]【確信犯】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116139
[25]【なるほど】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n122219
[26]【こだわり】 【こだわる】
[27]【生き様】
[51]【さらなる】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119378
[58]【破天荒】
[72]【助長】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[73]【ごぼう抜き 】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[74]【憮然】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n115253
[75]【白羽の矢が立つ】
http://http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118357
[76]【ジンクス 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-195.html
[77]【とんでもありません】 【とんでもございません】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116373
[79]【他人事】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1720867247&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1941.html
[80] 【唯一】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1938548734&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3222.html
[139] 【王道】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n121351
[140] 【善し悪し(よしわるし)】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n117878
[141] 【直截】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-294.html
[146] 感動によって【鳥肌が立つ】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n119583
[150] 【的を得る】再び
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2739.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1895622519&owner_id=5019671
[154] 【すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい 】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1181241496
[155] 【物議を醸し出す】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2992.html
[158] 【心が折れる】
424)【「心が折れる」「心を折る」Yahoo!知恵袋】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1825.html
1437)【「週刊ポスト」でもこのレベルですか。ε= (´∞` ) ハァー  「へこむ」「心が折れる」】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12046813531.html
[172] 【憮然】2015年04月22日

[203] 【歴史を紐解く】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=18459809
[204] 【あげつらう】
https://kotobank.jp/word/%E8%AB%96%E3%81%86-423760#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
[205] 【打撃する】

[206] 【壊滅的な出来の悪さ】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12072189199.html
[212] 【美人すぎる○○】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-995.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2940.html

[213] 【悪貨は良貨を駆逐する】

[214] 【登竜門】

[215] 【満を持して飛び出す】

[216] 【肉汁】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1180.html
[219] 【最も○○な人のひとり】 【最も○○なもののひとつ】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3306.html

[235] 【技の難易度】

[237] 【両者とも絶対に負けられない一戦】

[238] 【申し訳ありません】 【申し訳ございません】

[239] 【十本】

[241] 【目の当たりに見る】

[243] 【にやける】

[245] 【バーター】

[246] 【割愛する】

[255] 【見える化】

[257] 【しつらえ】

[264] 【解説者として板についてきました】

[265] 【紐解く】

[266] 【立派な犯罪】

[267] 【性癖】

[268] 【辛党】

[269] 【なし崩し】

[270] 【足元をすくう】 【足下をすくう】

[271] 【爆笑】http://ranking.goo.ne.jp/column/article/3087/

[272] 【「組しやすい】【組みしやすい】【組する】

[273]  同学年の他のクラスの人を指して【同級生】

[274] 【敷居が高い】

[275] 【立ち振る舞い】(燃える闘魂)



【グレーゾーンの表現/グレーゾーンになってしまった表現】〈2〉 
ぞっとする ぞっとしない 国語に関する世論調査

 今度は「ぞっとしない」ですか。それも「誤用例が増えている言葉」だと思う。間違える人がどんなに多くなっても、「グレーゾーン」ではなく単なる「誤用」。誤用の意味のほうを採用する辞書が出てきたら、考えてやってもいい。(←何様!) まあ、そんな微妙なことを説明しても理解してもらえないだろうな。
「誤用例が増えている言葉」の例が欲しければ、「国語に関する世論調査」のバックナンバーを調べればいい。いくらでもある。
 文化庁の「国語に関する世論調査」によると、どうやら「ぞっとしない」も間違って意味で使う人のほうが多くなったらしい。
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html

 全文は最後に。
 これさ。質問のしかたがホニャララなんじゃないか? 「誤用例が増えている言葉」ではなく、「使わなくなった言葉」(いわゆる「死語」)じゃないかな。「国語に関する世論調査」に対しては疑問に感じることが多かったが、根本的なところがズレてる気がしてきた。
〈「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文〉をあげて、選択肢が「面白くない」「恐ろしくない」の2つだったら、そりゃ「恐ろしくない」を選ぶって。
 これは厳密に言うと「恐ろしくない」を選んだわけではない。聞いたこともない用法だけど、「面白くない」って意味を知らなかっただけ。そうなると、「ぞっとする」(恐ろしい)の反対の意味になりそうな「恐ろしくない」を選ぶしかない。
 でもそれは「恐ろしくない」の意味で「ぞっとしない」を使う人が増えたわけではない。「ぞっとしない」の「意味がわからない」から「使わない」人が増えただけ。ここを混同してもらっては困る。
 ちなみに、当方は「面白くない」も違う気がする。辞書にあるように、「あまり感心しない」「いい気持ちがしない」くらいの意味。普段使う言葉にするなら「ヤな感じ」が一番近い。つまり、「ぞっとしない映画」も相当ヘンだと思う。
 たとえば最近「ぞっとしないニュース」が増えている。決して「面白くないニュース」ではない。聞いて「なんかヤな感じがするニュース」が増えている。ただ、自分で文章を書くときにそれを「ぞっとしないニュース」とは書かない。ほぼ「死語」だと思うから。ジジむさい。

「国語に関する世論調査」の質問の仕方に異和感をもったのは初めてではない。下記のときもそうだった。
【死語の話3 噴飯もの 流れに棹さす】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1914383764&owner_id=5019671
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2885.html
================引用開始
 ホントなんだろうか。「49.0%」のうちほとんどは、「そういう意味だと思い込んでいた」のではなく、知らなかったけど「選択肢から選んだ」(重言?)のではないかと疑っている。だってね。(ア) と(イ)を合わせると、どういう意味なのかは別として約7割の人がこの言葉を知っていたことになる。そんなバカな。
 まあ、「そういう意味だと思い込んでいた」のか「その場で選んで間違った」のかを深く追及する気はない。正しい意味が伝わりにくいことにかわりはない。
 なぜそんなことになったのか。これはいくつかの不幸が重なった結果だと思う。

●目にした用例がまぎらわしかった
(略)

●「食べもの」を噴くほどおもしろいことってあり?
(略)

●「噴」と「憤」を間違ったのでは
(略)
================引用終了

 誤解されそうな「ほぼ死語」をもってきて、ほぼミスリードの選択肢を用意して、「誤用例が増えている言葉」をデッチあげている気がする。
 そんなことになんの意味があるのかはわからない。だったらホントに誤用例が多い言葉について調べなよ。
 だって、「恐ろしくない話」を「ぞっとしない話」なんて使う●●は見たことないよ。試しに「少納言」で調べたら「ぞっとしない」の用例は13件。「恐ろしくない」の意味は……0件。そりゃそうだろう。誰もそんな使い方はしないって。
http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/search_form

 こうして、誰の役にも立たない言葉の雑学ばかりが流布していく。
「ぞっとしない」でネット検索してみれば明らか。しょうもない問答が大量にヒットする。
 ε= (´∞` ) ハァー

【「ぞっとしない」の意味】
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2013_02/series_10/series_10.html
================引用開始
文化庁月報
平成25年2月号(No.533)

連載 「言葉のQ&A」
「ぞっとしない」の意味

国語課
 「ぞっとしない話」のように使われる「ぞっとしない」。「国語に関する世論調査」でこの言葉の意味を尋ねたところ,本来の意味とは違う意味で使う人が多いことが分かりました。

問1 「ぞっとしない」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 面白くない,という意味です。
 「ぞっとしない」を辞書で調べてみましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっとしない
 特に驚いたり感心したりするほどではない。あまり感心しない。いい気持ちがしない。

「広辞苑 第6版」(平成20年・岩波書店)
ぞっとしない
 それほど感心したり面白いと思ったりするほどでもない。

 「ぞっとしない」の「ぞっと」の意味も確かめておきましょう。

「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
ぞっと(副)
(1)恐ろしさで身の毛がよだつさま,極度の恐怖から,からだがふるえあがるような感じのするさまを表す語。
(2)美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す語。
(3)寒さでからだがふるえあがるさまを表す語。
 「ぞっとしない」は「面白くない」「感心しない」という意味の言葉です。「ぞっと」という副詞は,主に恐怖によって寒気を感じるようなときに用いますが,「―しない」の形になったときの「ぞっと」は,「怖い」「恐ろしい」という意味ではありません。文学作品の中に用例を探してみましょう。

 これは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を合せると,浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが,親愛なる旧友のいう事だから,僕も素直に賛成してさ。
(芥川龍之介  「一夕話」 大正11年)
 「僕」は,旧友の提案について,浅草は余り面白くないと思いながらも素直に受け入れた,ということを言っています。「浅草はあんまり恐ろしくないが」と受け取っては,意味が通じません。これが「ぞっとしない」の本来の使い方です。

問2 「ぞっとしない」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答 本来の意味である「面白くない」と答えた人が3割弱,本来の意味ではない「恐ろしくない」と答えた人が5割台半ばという結果でした。
 平成18年度の「国語に関する世論調査」で,「今の映画は,余りぞっとしないものだった。」という例文を挙げ,「ぞっとしない」の意味を尋ねました。結果は次のとおりです。(下線を付したものが本来の意味。)
〔全 体〕
ぞっとしない
(ア)面白くない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.3%
(イ)恐ろしくない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54.1%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.8%

〔年代別グラフ〕

 全体の調査結果を見ると, 本来の意味ではない(イ)「恐ろしくない」と回答した人の割合が54.1%となっており,本来の意味である(ア)「面白くない」と回答した人の割合(31.3%)を23ポイント上回っています。また,9.8%の人が「分からない」と回答しました。
 年代別に見ると,全ての年代で,本来の意味ではない(イ)の割合が,本来の意味である(ア)の割合を上回りました。16~19歳では,その差が67ポイントありますが,年代が高くなるにつれて(ア)と(イ)の数値が接近し,50代では14ポイント,60歳以上では5ポイントにまで縮まっています。年齢の高い人たちの方が,本来の意味でこの言葉を使う傾向があると言えるでしょう。
 「ぞっとする」という表現は,大抵,恐ろしい思いを表すために用いられます。それで「ぞっとしない」を「恐ろしくない」と捉える人が多いのでしょう。しかし,「ぞっとしない」という言い方は,単純に「ぞっとする」を否定したものではありません。「面白くない」「感心できない」という意味で用いられる,一つの慣用的な言い回しとして考えた方が良さそうです。また,先ほど確認したとおり,「ぞっと」には「美しいものに出あったりして,強い感動が身内を走り抜けるさまを表す」という意味もありますから,そのような意味の否定の形として「ぞっとしない(面白くない)映画だった。」と使われる場合もあると考えられます。いずれにしても,恐怖の表現としての「ぞっとする」を否定した「恐ろしくない」という意味で用いるのは,本来の使い方ではありません。
================引用終了

『漢字と日本人』(高島俊男/文春新書/2001年10月20日第1刷発行/2001年12月1日第4刷発行)

【読書感想文 お品書き 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935282276&owner_id=5019671
●『読書感想文』カテゴリートップは下記。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-category-19.html

 さっきアップした読書感想文と同じ月に下記があったので、メモがわりに。

 イヤだな。高島さんの本を読むと、無知を思い知らされて気持ちが暗くなる。根本的な教養が違いすぎるんだからしょうがないんだけどさ。

「和語に漢字をあてるおろかさ」(p.86~)
 著者に、表記に関する質問の手紙が来ることがあるらしい。たとえば、「取る」「採る」「捕る」「執る」「摂る」「撮る」などはどう使い分けるべきなのか。あるいは、「計る」「図る」「量る」「測る」などの場合は……。
 わたしはこういう手紙を受けとるたびに、強い不快感をおぼえる。こういう手紙をよこす人に嫌悪を感じる。こういう手紙をよこす人は、かならずおろかな人である。おそらく世のなかには、おなじ「とる」でも漢字によって意味がちがうのだから正しくつかいわけねばならない、などと言って、こういう無知な、おろかな人たちをおどかす人間がいるのだろう。そういう連中こそ、憎むべき、有害な人間である。こういう連中は、たとえばわたしのような知識のある者に対しては、そういうことを言わない。「滋養分をとる」はダメ、「摂る」と書きなさい、などとアホなことを言ってくるやつはいない。ほんとに自分の言っていることに自信があるのなら知識のある者に対してでも言えばよさそうなものだが、言わない、もっぱら自分より知識のない、智慧のあさい者をつかまえておどす。
「とる」というのは日本語(和語)である。その意味は一つである。日本人が日本語で話をする際に「とる」と言う語は、書く際にもすべて「とる」と書けばよいのである。漢字でかきわけるなどは不要であり、ナンセンスである。「はかる」もおなじ。その他の語ももちろんおなじ。(p.87)
 正論なんだろうな。こういう指摘を目にすると、漢字の使い分けに悩むのはバカって気になる。ただね……おそるおそるインネンをつけはじめる。
 たしかに、表記なんて最終的には書き手の好みの問題になることが多い。著述家の表記に対して文句をつけるのはバカ(不統一が目立つとインネンをつけたくなるけど)。ただ、指導的立場の人は、愚かとわかっていても、こういう使い分けを前提にするしかない。
 著者は「和語はかな書き」を原則にしているようで、ここに引いた文章にもその傾向がうかがえる。しかし、これを素人がマネするのは相当むずかしい。引用文中の表記で見てみよう。
「強い」「おろかな」「ちがう」「あさい」……と形容詞&形容動詞を並べると「強い」だけが漢字になっている。 副詞の「かならず」をかな書きするのも珍しい。「憎む」は漢字で、「憎い」ならどうなるのだろう。
 などと考えていくと、収拾がつかなくなる。著者は当然なんらかの法則性に従って書いているから混乱などしないのだろうが……。

 明治以後の英語神聖化、英語崇拝、それとおなじことが、あるいはもっと極端な形で、漢字神聖化、漢字ばかりでできている書物やそういう書物をよむ人間に対する尊敬、崇拝としてあったわけだ。
 ことばの素性という観念があれば、字音語と和漢混淆語は漢字で書かねばならぬが、和語は何も漢字で書く必要はない、かなで書いたほうがよい、という判断もできるのだが、それがわからないから、なんでも漢字で書くのが正式だと思ってしまうのである。「宿場」や「本陣」は漢字で書くべき語だが、「はたご」は和語なのだからかなでよい、かなのほうがよい、と言っても、どこがちがうのかわからないわけだ。(p.112~113)
 この前段には「日本語も英語も言語として同格である、日本人が英語がわからなくてもすこしも恥ではない、とはっきり言うのは、英語のできる人、すくなくとも教育のある人である。」という一文がある。この一文がそのままインネンに使えそう。一般の人あるいは十分な教養のない人は、漢字を否定できない。個人的には? 副詞を別にすれば、漢字で書けるものできるだけ漢字で書きたい、という思いが捨てきれない。

それもそのはずで、日本語だけの文章というのは平安女流文学ぐらいしかないからその方法でゆくほかないわけだが、あれは女が情緒を牛のよだれのごとくメリもハリもなくだらだらと書きつらねたものだから、あの方式でガッチリした論理的な文章を書くのは無理なのである。つまりは、千年にわたって一度も日本語の文章を構築しようとしなかった日本の男たちの罪なのである。(p.118)
 怖いこと書くね。婦人団体(?)あたりからクレームが来ないのかね。もっとも、いちばん罪が重いのは「男たち」って書いてあるんだから、男尊女卑思想ってことじゃないけど。

 なおついでに、わたしが江戸時代随一の文章家--いやそれ以前をつうじても第一の学者、文章家と信じる新井白石の文章を御紹介しておきましょう(「学者、文章家」と言ったが、この両者は別のことではない。学問がなくてよい文章の書けるはずはないし、それに、文章にとって何よりだいじなのは気品、格調だが、それは学問のうらづけなしにそなわるものではない)。(p.119)
 これは一面の真理かもしれない。しかし、これを肯定してしまうと、「学のない人間にはよい文章は書けないし、気品や格調のある文章は書けない」ってことになってしまう。そうなのかね。蛇足ながら、これが真理だとしても、逆は真ではない。学さえあればよい文章を書けるわけではないし、学問の裏づけがありさえすれば気品や格調のある文章が書けるわけでもない。

 政府国語機関は、明治三十五年に発足してから昭和二十年敗戦まで四十数年間に、いくたびも内閣に対して国語改革案を建議した。ただしその建議が、政令となって実施にうつされたことは一度もない。案が公表されるたびにはげしい反対論がおこったからである。具体的にどういう人のどういう反論があったかについては、●田恆存『國語問題論爭史』(昭和三十七年新潮社)を見るとよい。現在全文をかんたんに見られるのは、森鴎外の「假名遣意見」(明治四十一年)、芥川龍之介の「文部省の假名遣改定案について」(大正十四年)など。いずれも全集にはいっている。言語学者、国語学者では、山田孝雄、橋本進吉、新村出などがしばしば反対論をのべた。それらの論はそれぞれの著作集におさめられている。(p.191)
 このあたりに関しては、知らないわけではないが、くわしい知識がない。最近復刻されたこの問題に関連する●田恆存の本は買ったけど、あれを読みきれるのだろうか。芥川龍之介の全集を確認したところ、たしかにそういう名の小論があった。関連書簡もあるらしい。ただねえ。旧かな遣い&旧漢字の文章を素養のない者が読むのはいささかしんどい。

「当用漢字」(p.197~)
 当用漢字の制定にあたっての裏話などがいろいろ紹介されていて、すこぶるおもしろい。そりゃ問題が多いのは判る。古い世代が旧かな遣いの論理性などについて書いている文章を目にすると、「そうなんだろうな」とは思う。しかし、物心ついた頃から新かな遣いで読み書きしてきた白痴世代としては、選択の余地がなかったんだよね。許しておくれよ。

読書感想文 『日本語ウォッチング』(井上史雄/岩波新書/1998年1月20日第1刷発行/2001年4月5日第6刷発行)

【読書感想文 お品書き 】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1935282276&owner_id=5019671
●『読書感想文』カテゴリートップは下記。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-category-19.html

 ちょっと事情があって、古い読書感想文をアップする。
 2002年6月の話。
 文章読本などではないので、さほど悪態はついていない。

 言葉の使われ方などについて、全国的な調査などを折り込みながら分析している。そもそもこの本を知ったのは、ネットの会議室http://kotobakai.seesaa.net/article/8174276.htmlで〈「ラ抜き言葉」になる言葉の判別法〉の一例として教えてもらったため。「ラ抜き言葉」に関して1章を割いている。

 なお、小説などに出てくるラ抜きことばはいろいろ拾われている。小林多喜二が、昭和初期の小説の中で使ったものが早いが(『蟹工船』一九二九年の「朝起きれなくなった」)、多喜二は一九〇三年(明治三六)年生れで五歳から北海道で育ったそうだから、図㈵-2の北海道の状況を反映しているとみられる。また川端康成の『雪国』(一九三五年)にも「遊びに来れないわ」という例があるが、地元芸者のことばだから、一律に扱えない。文章に書かれたラ抜きことばの早い例は、このように方言起源が多い。前述のように東京では昭和初期の若者が実際に使っていたから、小説などに登場するのは、かなり遅れたことになる。(p.9)
『雪国』に関しては、ほかの本でも見たことがある。「地元芸者」が使ったことよりも、「会話」の中の言葉であることがポイントのような気がする。現代文でも、“地”の文章で使われていると抵抗を感じるが、会話中だと「遊びにこられない」のほうがむしろ不自然では。この補助動詞の「くる」の可能形は、きわめて「ラ抜き言葉」になりやすい。『蟹工船』の例は、初めて知った。

一般的に短い動詞はよく使われる動詞でもあるから、使用頻度数の方が作用が大きいかと思ったが、研究結果によると、動詞の音節数の方が、要因として一番効いているようだ。(p.10)
 p.9〜では「ラ抜き言葉」の「使われ方の違い」が分析されている。「使用頻度数」と「音節数」のどちらの要因が大きいのかは不明。専門家が、こう書いているのだから「音節数」のほうの要因が大きいのだろう。
 漠然と感じていたのは「音節数の少ない動詞はラ抜きになりやすい」ということ。理由として考えられるのは、「そういう動詞のほうが使用頻度が高いから」。ということは、「使用頻度」のほうがポイントになる。そのことを証明するには、「音節数が少なくても使用頻度が低い」動詞を探せばいいのだが、そんな動詞は思いつかない。逆に「音節数が多くても使用頻度が高い」動詞は何かというと、これが微妙。「考えられる」「数えられる」あたりだろうか。

 幸いなことに、自分の使っている言い方がラ抜きことばかどうか不安なときの、実用的簡便判定法がある。ラ抜きかどうか心配になったら、その言い方の最後の「る」を取り除いて命令形としても使えるかを試せばいい。「走れる」の場合なら、「る」を取り去った「走れ」はまったく当たり前の命令だ。ラ抜きことばではないから使っていい。「走る」は五段動詞なのだ。これに対して、「見れる」の場合だと、「る」を取り去って「見れ」にすると命令形としてはおかしい。だから「見れる」はラ抜きことばによる言い方出、使わない方がいい。おかしなときには「見られる」のように「ら」をいれればよい。「見る」は一段動詞なのだ。(p.24〜25)
 これがネットの会議室で紹介された判別法。ただし、本書でもふれているように、命令形を「見れ」「起きれ」と言う地方の人には役に立たない。北海道と東北地方日本海側に加え、最近は西日本の各地にも広がっているらしい。そうなると、この判別法はますます通用しなくなっていく。本書より後に出版されたある「文章読本」では、やはり命令形に着目した判別法を紹介していた。ただしその書き方は本書より不完全。方言の話にもふれていない。こういうのは「単なる不勉強」と笑われる。

ことばは服装などと同じく自己表現の一つで、どんなことばを使うかで人柄まで判断されることがある。服装は歴史的にカジュアルな方向に変わってきたが、だからといって、どんな場面でもくだけたかっこうをするわけにはいかない。ことばも服装と同じで、場合により、周囲に合わせて、どんなふうに受け取られるか考えながら、使い分ける必要がある。(p.30)
 齊藤美奈子も「文体は服装」みたいなことを書いていた。観点は違うけど、同じような結論になっているのは偶然か必然か。

 デスは、はじめは「山です」のように名詞に付くだけだったが、戦前から形容詞にも付くようになった。「よいです」「恐ろしいです」のように文章語的な形容詞に直接デスを付けるのはまだ抵抗があるようだ。しかし口語的な形容詞を使い、助詞のネとかヨを付けて、「いいですよ」「こわいですよ」というような例文だと、自然な表現だと判断される。年齢差もあり、地域差もあるが、いずれにしても、形容詞にデスが付きはじめたのが最近であることを示す。(p.154〜155)
 文章語的な形容詞だと抵抗があるか否かは微妙。「恐ろしいですね」なら異和感はない。「よいですね」に抵抗を感じるのは、「よい」の言い切り自体が口語で使うと不自然だからではないか。理由はまったく判らないが、言い切りの場合は「よい」よりも「いい」のほうが自然に感じられる。デアル体で考えても、「いいよ」は自然だけど「よいよ」は不自然。

 
【20170205追記】
 関連性が高いのは下記あたりかな。
【句読点の打ち方/句読点の付け方──実例編2】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2347.html
===========引用開始
【引用部】『道化の華』(太宰治)
気の毒で見れなかった。(P.14)
 古い文学作品に「ラ抜き言葉」が出てくるという噂は聞いていた。よく言われるのは『雪国』だったかな。ただそれは、セリフの中だったと思う。この『道化の華』の使用例は「地の文」。しかもこここだけではない。東北も「ラ抜き言葉」を使うところ多いらしいから、太宰もそうだったのだろうか。なんらかのルールで使い分けているなら、それはそれですごい話だけど。

【引用部】『道化の華』(太宰治)
飛騨もまた葉蔵の顔を見れなかった。(P.17)
君は、ものを主観的にしか考えれないから駄目だな。(P.21)
 後者はセリフだからアリだろう。
===========引用終了

【文化庁もさぁ──ラ抜き言葉、姑息、雨模様……etc.】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2143.html
文化庁もさぁ2──「天声人語」オマエもか ラ抜き言葉/大寒小寒……etc.
===========引用開始
〈ら抜きの是非、どうやら勝負が見えてきた〉
「勝負」とか考えている段階で話にならない。

〈彼らが親になる頃には誤用とは言われまい〉
 だからなんなのだろう。そんな遠い将来のことは誰にもわからない。しかも、この問題に関して安易に「誤用」とか言わないほうがいい(自戒を込めて)。ところで、現在では「誤用」なんですか? それは書き言葉の場合? 話し言葉の場合?

〈川端康成の「雪国」でも、芸者駒子が「来れないわ」「来れやしない」と多用している〉
 これは、国語学者?あたりがよく例に出す。それを聞きかじって、●●が例に出すこともある。いくつか考えるべきことがあるが、長くなるので2点だけあげる。
1)登場人物のセリフということは方言では?
 作者が、登場人物の個性として「ラ抜き言葉」を使わせている可能性が高い。伊豆の方言がどうなっているのか、駒子(のモデル)の出身地がどこなのかは知らない。とにかく、セリフ(話し言葉)なんだからどんな方言を使っても不思議ではない。当時の大阪を舞台にした物語に関西弁が頻出しても、それが標準的な言葉づかいと考える人はいないでしょうに。
2)文豪が使えば正解なのか?
 近頃、この点が気になっている。現代とはかなり事情が違うことは加味するべきだろう。いまから●十年後、時代を代表する作家の村上春樹が使っているからこの表現はアリとか、といった考え方ができるのだろうか。カフカの言葉づかいや知的レベルが現代の同年齢の少年のもの、ととられるのもちょっと困る。じゃあ21世紀初頭の日本語の規範は何にとるべきか、というのは超難問だけど。
 辞書の類いが古典の用例を重視する考え方はわかる。ときには死語の判断を誤らせる気もするが。
 よく話題になるのが「全然+肯定形」を文豪が使っているという話。それが、いまでもOKという根拠になるのだろうか。夏目漱石あたりは相当勝手な言葉づかいをしているから、ウノミにするのはマズいのでは。
===========引用終了

突然ですが問題です【日本語編73】──接続詞の謎 だって でも【解答?編】〈1〉〈2〉

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2020.html
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【6】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1737578274&owner_id=5019671

mixi日記2011年10月04日から

 まず問題を再掲する。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1780471414&owner_id=5019671

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【問題】
 相当かなりきわめて危険が危ない危機感を感じながら……。
「だって」に関する下記の辞書の記述を参考に、【問】に答えなさい。

■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%A6&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=11522900&pagenum=1
================================
だって
[接]《助詞「だって」の接続詞化したもの》相手に反論したり、相手の反対を予想しつつ理由や言い訳を述べる場合に用いる。そうはいっても。でも。なぜかというと。「とても間に合いません。―人手が足りません」
================================
※辞書が「片たり」ってどういう了見だ?

■Web辞書(『大辞林』から)
================================
だって1
(接続)
〔補説〕 助詞「だって」が接続詞化したもの
相手の言葉に反対したり、相手の反対を予想したりして、そうなった事情を説明する時に用いる。そうではあるが。でも。
  『なぜ遅れた』『―、電車が故障したんだもの』
  私は行けません。―、病気なんです
================================

【問1】
 下記の例文の「だって」を、別の接続詞に書きかえなさい。
  1) とても間に合いません。だって人手が足りません。
  2) 「なぜ遅れた」「だって、電車が故障したんだもの」
  3) 私は行けません。だって、病気なんです。

【問2】
 Web辞書によると、接続詞「だって」には「でも」の意味があるそうです。
  1) 【問1】の「だって」を「でも」にできるか否か考えなさい。
  2) このようなホニャララなことになった理由を考えなさい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【解答?例】

【問1】
 接続詞の「だって」の書きかえは、基本的に「なぜなら(ば)」あたりが無難。
 2)のように話し言葉のニュアンスが強くなると、少し不自然になる。「なぜって」「なぜかと言うと」などに言いかえることはできるが、どちらも一般に接続詞としては認められていない。

【問2】
 1)
 できない。なぜなら、「だって」は順接(っぽい)、「でも」は逆接と役割が違うから。
 2)
 以下は単なる憶測。
 接続助詞と接続詞の両方の働きがある言葉は多い。たいていの場合、意味はかわらない。1例だけあげておく。
  あいつはバカだけれど、可愛げがある。(接続助詞)
  あいつはバカだ。けれど可愛げがある。(接続詞)
 こんなこといちいち考えるまでもない……はずなのよ。ところが、「だって」は違うようだ。
「でも」と比べるとよくわかる。
  バカでも可愛げがあるなら許せる。
  バカだ。でも可愛げがあるなら許せる。
  バカだって可愛げがあるなら許せる。
  バカだ。???可愛げがあるなら許せる。

 接続助詞の「だって」と「でも」はほぼ同じ意味で互換性があることが多いのに、接続詞の「だって」と「でも」は意味が逆になることが多い。なんでこんなことになるのかはわからない。
 辞書も混乱していることがうかがえる。
『大辞泉』は接続詞の「だって」の意味に「でも」と「なぜかというと」をあげている。すでに見たように、かなりニュアンスはかわるけど「なぜかというと」はアリ。しかし「でも」はありえないでしょ。
『大辞林』は接続詞の「だって」の意味に「そうではあるが」と「でも」をあげている。これはどっちもありえないでしょ。
 これはすでに書いたように、「だって」が特殊だからだろう。
 接続助詞の「だって」(たって)と「でも」(ても)のWeb辞書の例文を抜き書きしてみる。

■Web辞書(『大辞泉』から)
  ここなら泳い(だって)かまわない。
  笑われ(たって)かまわない。
  いくら捜し(たって)いるはずがない。
  死ん(でも)死にきれない。
  いくら呼ん(でも)返事がない。
  失敗し(ても)あきらめはしない。
  煮(ても)焼い(ても)食えない。
  知ってい(ても)知らぬ顔をする。
  自信があるにし(ても)、試験を受けるのはいやな気分だ。

 全部互換性がある。さらに言うと、係助詞のほうもほとんどが互換性があるのだが、煩雑になるので省略する。
「だって」(たって)も「でも」(ても)も、接続助詞として使われる場合は、ほぼ逆接になる。ところが、接続詞になったとたん「だって」だけが順接っぽくなる。理由はわかりません。

【追記】
 ちと補足。
「(名詞)でも(名詞)でも」 の形は分けて考えたい。
 この場合は「(名詞)だって(名詞)だって」とほぼ同義で、順接でも逆接でもなく、並列だろう。

 実生活で考えると、「だって」を逆接っぽく使う例がある。
 母親に「遊んでばかりいないで勉強しないとダメでしょ!」と叱られた子供の口ごたえ。
「でも、○○ちゃんも遊んでるよ」
「だって、○○ちゃんも遊んでるよ」
 一応どちらも成立する気がする。しかし厳密に言うと、この「だって」は論理的に破綻している。「だって」は「なぜかというと」くらいの意味なのだから。これが次のような応答なら筋が通っている。
「なんで勉強しないで遊んでばかりいるの!」
「だって、○○ちゃんも遊んでるよ」

 結論。
 Web辞書の論理性は子供のダダ並み。


突然ですが問題です【日本語編73】──接続詞の謎 だって でも〈2〉 辞書

mixi日記2017年02月02日から

{関係/関連}する質問があったので、質問サイトで訊いてみた。
【続 「だって」と「でも」は同じ? 】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9603498.html
 明快な答えは不明なまま。
 ほかの場所でも訊いてみたけど、やはりわからない。
 改めて整理したうえで考えてみた。

 まず例によってWeb辞書のリンクが切れているんでひき直す。
https://kotobank.jp/word/%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%A6-561380
===========引用開始
デジタル大辞泉の解説

だって[接]
[接]《助詞「だって」の接続詞化したもの》相手に反論したり、相手の反対を予想しつつ理由や言い訳を述べる場合に用いる。そうはいっても。でも。なぜかというと。「とても間に合いません。だって人手が足りません」

だって[接助・係助・終助]
[接助]《接続助詞「たって」が、ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞の連用形に付く場合の形》「たって」に同じ。「ここなら泳いだってかまわない」
[係助]《断定の助動詞「だ」に係助詞「とて」の付いた「だとて」の音変化という》名詞・副詞、一部の助詞に付く。「でも」に似るが、語調がより強い。
1 ある事柄を例示し、それが他と同類、または、同様であるという意を表す。…もやはり。…でも。「鯨だって人間の仲間だ」「ここからだって見える」
2 いくつかの事柄を並べて例示し、すべてが同類であるという意を表す。「水銀だって鉛だって公害のもとだ」「野球だってテニスだってうまい」
3 疑問・不定を表す語、または、数量・程度を表す語に付いて、例外なくそうである意を表す。…でも。…も。「だれだって知っている」「一度だって姿を見せない」
===========引用終了

 接続助詞・係助詞の場合は、問題がないだろう。
 一部を除いて、「でも」と「だって」は互換性がある。
・接続助詞
「ここなら泳い{だって/でも}かまわない」
・係助詞
 ちょっと微妙かも。
〈↑の1〉〈…もやはり。…でも。〉とあるが、「鯨でも」はかなりヘン。理由は不明。
「鯨{だって/Xでも}人間の仲間だ」「ここから{だって/でも}見える」
〈↑の2と3〉
 これを2つに分けて考えるべきなのか、当方には判断できない。
 いずれにしても、〈↑の1〉の一部以外は「でも」にできる。

 問題は接続詞の場合。
「とても間に合いません。{だって/なぜかというと/Xでも}人手が足りません」
 語釈のなかに「でも」があるが、置きかえはできない。「そうはいっても」も同様だろう。
「でも」にできる例があるのだろうか。

 教えて! gooで、『三省堂国語辞典第七版』の語釈と例文を教えてもらった。
===========引用開始
[三](接)[だって]
①(それ)でも。しかし。「━やめられないよ」
===========引用終了
 文脈によっては使えるかな。
「いつまでゲームしてるの!」「だってやめられないよ」
 この「だって」は「でも」「しかし」にはできないだろう。

 某所で、『集英社国語辞典 第2版』の語釈と例文を教えてもらった。
===========引用開始
[二](接)②相手のことばに対し、反発または弁解する意を表す。「『行くんじゃなかったの?』『だって用事があったんだもの』」
===========引用終了
 こちらのほうが惜しい気がする。それでもこの「だって」は「でも」「しかし」にはできないだろう。
 下記のように考えるべきなんだろう。
1)「行くつもりだったんだよ。でも用事があったんだもの」
2)「行くのやめたんだよ。だって用事があったんだもの」
 2)の1文目が省略されていると考えれば……OKなのかな。
 じゃあ同じように「でも用事があったんだもの」もありか。1)の1文目を省略するのは無理な気がする。やはり、「でも」にはしにくい。

 このあたりは〈1〉で書いたことと似ているよな似ていないような。
===========引用開始
 実生活で考えると、「だって」を逆接っぽく使う例がある。
 母親に「遊んでばかりいないで勉強しないとダメでしょ!」と叱られた子供の口ごたえ。
「でも、○○ちゃんも遊んでるよ」
「だって、○○ちゃんも遊んでるよ」
 一応どちらも成立する気がする。しかし厳密に言うと、この「だって」は論理的に破綻している。「だって」は「なぜかというと」くらいの意味なのだから。これが次のような応答なら筋が通っている。
「なんで勉強しないで遊んでばかりいるの!」
「だって、○○ちゃんも遊んでるよ」

 結論。
 Web辞書の論理性は子供のダダ並み。
===========引用終了

【拡散希望/お願いです】ほかはともかくこの日記だけはお読みください

 SNSのmixiでマイミクのマッカ-さんの日記を、許可をいただいたうえで転載します。
 こういうことがあまりお好きでない方もいると思いますが、お付き合いください。tobirisu自身もこういうのはキャラじゃないと思いながらのお願いです。
 
 お願いが2つあります。

1)日記中の「患者会HP」に訪問の上、署名にお協力ください。 
 こういう署名などには安易に協力しない、という考え方のかたに強制する気など毛頭ありません。tobirisu自身が、普段はどちらかと言うとそういう考え方です。ただ、これも何かの縁と考えてご協力いただければ幸いです。

2)「もし可能であれば」というお願いです。このtobirisuの日記をご自身の日記に転載していただけないでしょうか。ひとりでも多くのかたのご協力を求めています。
 善意に基づくバトンとお考えください。
「不幸の手紙」とか「チェーンメール」の類いは迷惑以外のナニモノでもありませんが、これはある意味「幸福の手紙」です。小さな善行を積むことによって「なんかいいことしたぞ」という満足感が約3日ほど(重言)持続できます。
 冗談やゴタクはさておき、よろしくお願い申し上げます。

================================
今回はみなさんにお願いがあって日記にアップさせていただきました 。

遠位型(えんいがた)ミオパチーという「進行性」の筋疾患を患っているマイミクのかいかい@Save DMRVさんが、難病認定を受けるために署名活動をしています 。
今年の4月に患者会が発足して年内に60万署名を集めようと活動し、もう少しのところまできました
でも、まだ足りません。
みなさんの一筆で助かる命が、今ここにあります。
ほんの少し、耳をかたむけて立ち止まって患者会のHPを覗いてみていただけますか。
賛同して頂けるようであれば、是非、ご協力お願いいたします。
(署名はオンラインでもできますし、名前だけです。本人の許可があれば代理署名も可能です。住所や電話番号の個人データは必要ありません)

患者会HP 
【PC 版】
http://enigata.com/
【携帯版】
http://enigata.com/m/

【追記】
 お陰さまで2014年8月27日付けで、「指定難病」に認定されました。ご協力に感謝申し上げます。
 ただ、まだ「道半ば」の感があります。
 今後も「治療薬開発」に向けての活動が続きます。

テーマ : 生き方
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